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赤司が距離を縮めたい

全体公開 黒バス 9 811文字
2025-10-01 05:16:08
Posted by @tirichann

 好きな人ができた。彼女が人質にとられたらオレは判断を迷うだろうし、持っているものも捨てるかもしれない。有り体に言えば弱くなったわけだが、それでも悪い気はしない。オレは恋愛を楽しんでおり、恋愛に悩まされている。どうしたら彼女に近付けるのだろうかと。

 ちょうど緑間と話す用があり、携帯電話越しにオレは尋ねた。

「どうしたら意中の人と仲良くなれるのかな」

 緑間はあからさまに狼狽えた。「そんなことを聞く相手はオレでないだろう」などと言っているが、オレからしたら信頼しているからあえて緑間に聞いているのだ。そう直接伝えれば、緑間は少し考え込むようにした。緑間自身に恋愛経験はなくても、緑間の相棒は恋愛経験豊富だ。

「勉強を教えてもらうのが学生の定番なのだよ」

 あくまで聞いた話だが、と前置きして緑間は言った。図書館デートも悪くない。オレは早速実行に移すことにした。

 翌朝苗字を呼び止め、放課後勉強を教えてくれないかと誘う。オレの想定では苗字がここでにわかに喜んでくれるはずだった。

「赤司君のせいでいつも一位とれないのに嫌味!?」

 返ってきたのは、真っ赤にそまった顔だった。どう考えても照れによるものではない。怒りだ。そういえば苗字は、いつもオレに次いで二位だった。

「すまない、本当は苗字と親しくなりたかっただけなんだ」

 オレは悪意がなかったことを伝える。しかし苗字は周囲を見回して切羽詰まったように顔を寄せた。

「そういうことを平気で言わないで!」

 結局、デートの誘いは失敗である。

「オレは嫌われているみたいだ」

 後日緑間に報告したところ、「ノロケか?」と若干苛つかれた。ということは、オレ達は上手くいっているのだろう。オレが微笑むと、緑間は電話越しにため息をついた。まだまだ相談に乗ってもらうつもりなのだから、よろしく頼む。


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