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ヅラが銀時に彼女を寝取ってもらう話

全体公開 銀魂 2 912文字
2025-10-27 17:58:03
Posted by @tirichann

 万事屋に現れた桂は、神妙な顔をして銀時に向かい合った。いつにもない真剣さから重要な話だと思った銀時なのだが、その口から出されたのは普段通りのぶっ飛んだ発言だ。銀時は、心配した時間を返せと言いたくなった。
「俺の彼女を寝とってくれないか」
「何最悪の依頼してんだ! お前の性癖押し付けんじゃねぇ!」
 桂が寝取られ性癖なのは知られた事実である。だが、まさか自分が寝取られる側になりたいと思っていたとは初耳だ。銀時は桂が最近付き合い始めた女子を思い出した。数個年下で、気立てのいい子だ。桂を好いていることには気付いていたが、桂がそれを受け入れるとは思わなかった。しかし今となれば、それも「寝取らせる」という最悪の経験のためなのだろうか。何故よりにもよって間男役を銀時に押し付けるのだ。
 銀時は桂を睨む。桂の性癖に付き合う義理はない。そう言おうとした時、桂はどこか遠くを見る目をした。
「押しに負けて付き合ってしまったが、本来俺は誰かと共にいるべき人間ではない。別れるにも彼女を悲しませたくない」
 桂は攘夷志士だ。恋人を作れば、彼女も危険に晒してしまうだろう。自分から別れを切り出すのでは彼女を傷つけると、桂は彼女の好意をけむに巻こうとしているのだ。彼女の気持ちがすぐ銀時に向くほど銀時に魅力があるとは思わないが、旧友の頼みに応えないわけにもいかない。
 数日後、銀時は団子屋で彼女と出会う。もちろん寝取るためではない。真実を正直に伝えるのだ。
 彼女は全てを聞いた後、「そうですか」と言って俯いた。彼女が桂をよく追いかけていたのは覚えている。彼女はそれほど桂を好きだったのだ。銀時はふと思い出して口を開く。
「最初から付き合わなければよかっただろっつったらよ、」
「好きになってしまったのだ、仕方ないだろう」
 桂は迷いのない視線で彼女を好きだと言った。その場に彼女はいなかったが、桂の様子を思い描いているのだろう。彼女は歯を食いしばって耐えるようにした。もしかしたら、言わなかった方が幸せだったかもしれない。でも、桂と想い合っていた事実だけは揺るぎない。
 本当に面倒くさい依頼を受けてしまった、と銀時は空を見上げた。


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