@tirichann
「名前さん、お昼はどこで食べるんですか? 一緒に食べましょうよ。ボク美味しいレストラン知ってるんです。名前さんも気に入るといいなァ」
私は今、パリストンにしつこく構われている。パリストンが私の好きな人であることを考えれば嬉しいことのはずだ。私がこの間、パリストンに告白してフラれていなければ。
パリストンへの恋心を長年温めていた私は、先日遂にパリストンに告白した。パリストンは私の気持ちに気付いていたかもしれないけれど、今初めて聞くというような顔をして真摯に返事をしてくれた。
「悪いけれど君とは付き合えないよ」
どこかで予想していたことだった。パリストンの返事を受け入れ、このまま同僚として平和に生活が続いて行く。そんなことを考えていた私は、パリストンの性根の悪さを知らなかったのだ。告白をするまで普通の同僚でしかなかったはずの距離はあっという間に縮められ、私をしつこく追い回すようになった。普通、告白を断った、断られた仲の人達は気まずいと思うのではないだろうか。困惑する私だったが、ある一つの事実に思い当たった。パリストンは私を困らせるためにやっているのだ。私が戸惑う様子を見て楽しんでいるのである。逃げるように廊下を歩く私の顔を見てパリストンはにっこりと笑った。
「ああ、名前さんの困っている顔はすごく可愛いなァ」
そんなこと、思ってもいないのだろう。少し前なら嬉しかったはずの言葉も、今では身の毛がよだつような感覚だ。私はいつになったら、パリストンから解放されるのだろう。