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クロロのためにヒソカに殺される

全体公開 H×H 972文字
2025-12-07 16:52:25
Posted by @tirichann

 ヒソカは名前を好いている。それをクロロが知ったのは、クロロが名前を殺してからだった。クロロは幻影旅団としての活動に名前が邪魔だと感じ、適当な力を使って名前を処理した。名前は呆気ないほど簡単に殺せた。どうしてこれほどの弱者が、幻影旅団を虐げる立場になれたのかと不思議に思うくらいだった。とりあえず、邪魔者がいなくなったならいい。そういう思いで過ごしていたところに、ヒソカが戦いを求めてやってきた。
「あの子の肉体の感触はどうだった♠」
 クロロに名前を殺すように仕向けたのは、ヒソカなのだ。しかもその言い方は、名前の肉体に――名前自身に恋焦がれているようでもある。名前が幻影旅団の邪魔になるように誰かが仕組んだと言われれば、あの弱さで殺さなければいけない立場になることも頷けた。ヒソカが裏で手を回していたのだ。ヒソカのことを理解できたことなど一度もないが、今回ばかりは輪をかけてわからない。どうして好きな女をクロロに殺させようとしたのだろう。そもそも好きな女を殺す思考も理解できないが、せめて自分で殺したがるものではないだろうか。クロロは自分の好きな女が誰かに殺されるくらいならば自分で殺す。
「どうしてオレに彼女を殺させたんだ?」
 ヒソカは薄っぺらい笑みを浮かべて、指を立てた。
「その方がキミを本気で殺せるからだよ♥」
「なるほど」
 その気持ちはまあ、理解できなくもない。けれども、自分が仕組まれて不要な殺しをしたのだと思うとどこか靄が残る。
「できれば殺したくなかったが」
 そう言った途端、ヒソカの表情が鬼気迫ったものに変わった。
「あの子のこと、好きになったのかい?」
 クロロは戦闘態勢に入った。今のヒソカは何を言っても怒るだろう。名前の存在は、ヒソカにとって火のついた爆弾のようなものなのだ。殺してすっきりしたと言っても激怒するだろうし、今のように殺したくなかったと言っても怒る。ヒソカは自分の狙い通り、名前を殺させることでクロロと戦う際に最高のコンディションになったのだ。この戦闘狂の気持ちを、受け止めなければいけないだろう。ヒソカの顔は相変わらずピエロのようで、泣いているのだか怒っているのだかわからなかった。


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