デキてる。
長寿。
今年も大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
@kurato0o
寝正月ォョ
図鑑の完成から数年。
ウォロと共に住むようになって数年。
一緒に年を越すのはこれで何度目か。
あまり寒くないですね、と呟いたウォロを横目に、ショウは確かにと思った。
ヒスイのこの時期は雪が積もっていて、そりゃあ寒かった。故郷が特段寒い場所でもなかっただけに、最初の数年は凍土で過ごすより、コトブキ村で過ごす時間の方がずっと寒かった。覚悟の違いだろうか。今となってはわからない。
「起きるのが面倒臭い……」
そう言ったウォロの髪は最近流しっぱなしで、あのキュッとした結び目が恋しいと思う日もある。マメに手入れをしなくともいつだってさらさらの髪は、今も白い肌によく似合っていて、眩しく思う。
「面倒臭いですねえ……」
だらだらと、ベッドの中で行われる会話。
年齢を重ねていない。成長しない。そんな違和感に気付いたのはいつだったか。あの懐かしい宿舎で共に過ごしていたウォロはともかく、ショウまで同じような生態になっているとは思わなかった。それでも、なんとなく受け入れられたのは、当時既にウォロとの関係がそこそこ密度を増していたからだろうか。
『気付くのが遅いくらいですね』
皆、不審がってはいますよ、とウォロは失笑したのは数年前のことで、ショウが本格的に気に病むより先にショウをヒスイの外に連れ出した。それからは旅人として色んな地方を一緒に巡って過ごしている。
今年は年越しの概念がそう濃くない地域で過ごしているおかげで、人々の喧騒も遠くに感じていた。昔と違って生活に背中を追われるようなこともなく、のんびりその地方のポケモンと触れ合ったり、研究したり、その土地の伝承を調べたりするのは性に合っていた。たまに明確に暇だな! と思う瞬間はあっても、隣にいる男が若干怠惰なおかげでそう気にならなくなっていた。
「明日は出掛けますか?」
ウォロの白い胸の中で、ショウは腕枕なんていう可愛いことをしてくれている(表情は虚無である)本人を見上げる。
「面倒だな……」
コトブキ村の年越しはそりゃあもう大騒ぎだった。忙しかった数年で懲りたのか、ウォロは積極的に正月を過ごすことはしない。
ショウも、出掛けても出掛けなくてもどちらでも良いのだけれど、こう、毎日寝正月というより、爛れた性生活を送っていて大丈夫なのかという気持ちが多少ある。
すり、と素肌の胸に擦り寄る。
ウォロの長い髪が肌に当たってくすぐったい。
「このままでいいんですかねえ……」
ふと、そんな愚痴を漏らすと、腹の上に乗せられていただけの手が、無遠慮に腰をぐっと抱いた。
「いいんですよ」
そう吐き捨てるように告げられた言葉と共に、ぎゅっと強く抱きすくめられる。分け合った体温がぬるくて、先程までの情事でしっとりとした肌は隙間もないほどにぴったりとくっついた。
「今年はゆっくりしましょう」
そんな男の提案に、己の今後は相当長いものなのかもしれないとひとり、まだ見ぬ未来の風景に思いを馳せる。
ショウは、うんと答えて、分厚い男の身体をめいっぱい抱き締め返したのだった。