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ホムラの絵のモデルになる

全体公開 恋と深空 718文字
2026-02-24 15:41:01
Posted by @tirichann

 ホムラに絵のモデルになってくれないかと頼まれた。ホムラがどんなジャンルの絵を描くのかはそこまで詳しくないけれど、女性をモデルにする絵とはつまりそういうことだろう。モデルが全裸になるような、写実的な絵だ。ホムラが私のスタイルを買ってくれたのなら嬉しいけれど、同時に落ち込みもする。普通、想い人の裸を前にして冷静に絵など描けないだろう。つまり私はホムラから異性として好かれていないのだ。
 私がへそを曲げていることはホムラにも伝わってしまったらしく、ホムラは約束の日筆を置いた。
「そんな膨れた顔のモデルの絵を描く趣味はないよ」
 キャンバスから離れ、ホムラは私の隣に座る。流れるように私の手を取り、優しく私を覗き込んだ。
「何があったの、教えて?」
 そうして私は、自分の考えを話したのだった。ホムラに好かれたいと言っているようなものなのだから、実質告白だ。決死の覚悟で話したのに、ホムラは笑い飛ばした。
「何で笑うの!」
「だって、君があまりにも見当違いなことを考えているから」
 ホムラは私の肩を抱いた。私はびくりと反応しそうになるのを我慢し、ホムラの言葉を待つ。
「僕は別にヌードを描く気はなかったよ。ただ君を絵にしたかっただけ」
……何で?」
「何百年経っても、何度生まれ変わっても、君を見つけられるように」
 私を見つめるホムラの目は甘い。今のホムラこそ、絵に残しておきたいくらいだ。雄弁な瞳が私を好きだと語っている。
「絵を描くのもいいけれど、二人でするのにもっといいことを思いついた。聞いてみる?」
 私は頷いた。それからホムラに身を寄せて、ホムラの心臓の音を聞いた。彼の心臓は着実に脈を刻んでおり、少しだけ速かった。


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