@giftower5
「遂にお別れですね、親愛なるお兄さまお姉さま(順不同)。」
「ここはぼく達……この世に産まれてくることができなかった数多の命、天使が主を務める第零層、離別の間です。」
「さて、祝福を選んだ皆さまはそこに並んでくださいね。約束通りすみやかに生き返らせて差し上げます。」
「……ああ~っ不安です!巡礼中皆さまにはできる限り愛ある教育を施したつもりですが、本当に大丈夫でしょうか!?」
「自分で自分を戒めないと誰も叱ってくれない……正誤も罰も可視化されない残酷な現世へと、皆さまを送り返すなんて!」
「近い将来、その祝福を元から在ったものだと認識し、持たざる者であった頃の己を忘れた皆さまが……もしも驕り果てた化け物になってしまったら。」
「その時、ボクは傍にいてあげられないのに……。」
「本当に、皆さま、祝福をもらったからといって、調子に乗らないでくださいよ!!!」
「――では、激励はこのぐらいにして。」
「そちら側の……街の主が塔に残る手順について口を滑らせたにもかかわらず、何も選ばなかった愛すべきお兄さまお姉さま(順不同)!」
「先ほどは殊勝なことを語りましたが、皆さまが僕の目の届く範囲にいてくださるならそれが一番愛おしいに決まっています。」
「ぼくの威信にかけて、一番お似合いの街に配属して差し上げますからね!」
「……塔の中だとしても、もう一度人生をやるなんて嫌?」
「生きることに疲れちゃいましたか?」
「でもだめですよ、だってあなたは選択したのだから。」
「自ら死を選ぶことすら許されないこの塔の中で、その尊い命を使い切るまで……まだまだ一緒に、お勉強しましょうね。」