👼👿 微えろ有
リクエスト にゃんにゃんする話
シナリオネタバレあり(服と面カゲ🐈⬛のみ)
@popo_trpg_ss
前略、りっくんに猫の耳が生えた。
「まぁ猫にもなってたし、耳くらい生えるかぁ」
「……順応早すぎるだろ」
ソファに座ったままへらへらと笑った環雅は、隣に座って神妙な顔で俯いている双六陸の頭を撫でる。
こう何度も『不思議な出来事』に巻き込まれていると、さすがにちょっとやそっとのことでは驚かない。
その危機感の無さが命取りにならないように気をつけねばとも思うが、陸の後ろでゆらゆらと揺れる尻尾を眺める限りは緊急性がなさそうだ。
「んー……あ、やばいりっくん。昼飯はチャーハンにしようって話だったけど、今のりっくんにニラとかネギはまずいかも」
「……そこは気にするんだな」
別のメニューにしようとクックパッドを眺める雅の隣で、どうしてそこは猫に準ずると思っているのか理解ができず陸は首を捻る。
目が覚めて耳と尻尾が生えていると気がついたときは絶望したが、こうしていつも通りの雅と話しているうちに少しずつ冷静さを取り戻してきた。
そわそわと揺れていた陸の尻尾の動きが落ち着いてきたことに気がついた雅も、スマートフォンを置いて改めて向き直る。
「さーて、どうしよっかなぁ」
そっと触れた陸の猫耳はふわふわと柔らかくて触り心地が抜群だが、本人はむず痒そうな表情を浮かべて俯いてしまった。
不安そうに自身の尻尾をぎゅうと握る陸の様子を見て、雅はそんな彼の肩をぽんと軽く撫でる。
「大丈夫だって、きっとすぐ戻るよ」
「でも……これじゃ外にも出れないし」
「もともと引きこもりなんだから出ねーじゃん」
雅の言うことは間違ってはいなかったが、なんとなく不満に思った陸はいつもの具合で雅の腕をぺしんと叩いた。
「あいてっ」
「え、」
しかしその日はいつもと違って、尖った陸の爪が雅の腕を浅く引っ掻いてしまったのだ。
慌てて雅の腕を確かめた陸は、白い彼の肌に赤い線が一本引かれて血が滲んでいることに気がつくとみるみる青ざめていく。
「ご、ごめん」
「これくらい平気だよ、舐めときゃ治るって」
慌てる陸の一方で、雅は大した傷じゃないと笑う。
あとで消毒でもしておこうと考えて気楽に声を掛ける雅だったが、陸は神妙な顔で彼の腕を取ると傷口に唇を寄せた。
何事かと唖然とする雅に構わず、ちろりと舌先を出した陸が傷口をなぞる。やすりのようにざらざらとした舌に刺激され、傷口に痺れるような痛みが走った雅がわずかに眉を寄せた。
「り、りっくん……?」
確かに舐めておけば治るとは言ったが、実際に舐めるほどさすがに陸は天然に出来ていない。
……いや、上手く騙せば案外あっさり舐めてくれそうだ。今度正常な時にも試してみよう。
そんな現実逃避をしようとする思考を連れ戻した雅は、もしやと熱心に傷を舐める陸の喉へ手を伸ばした。
指先で軽く引っ掻くように撫でてやれば、陸は嬉しそうに目を細めて雅に身を委ねる。
ころころと喉を鳴らすような音を響かせる彼はどうやら、体の作りがかなり猫へ傾いているらしい。
「りっくん気持ちいい?」
「ん……もっと撫でろ」
「はいはい。よーしよしよし」
言葉は問題なく通じていることを確かめた雅は、より一層猫を可愛がるように陸のことを撫で回す。
珍しくされるがままの陸の様子に好奇心をくすぐられた雅は、試しに彼の腰……尻尾の付け根へと手を伸ばした。
「みゃッ!?」
「お?」
とんと軽く叩いた瞬間、陸が悲鳴を上げて飛び上がる。
猫によっても個人差はあるというが、どうやら陸は敏感な方らしい。すぐに怒られるだろうと考えていたが、目を白黒させていた彼はぺたんとその場で腰を抜かしてしまった。
「うにゃ、ッ、ぁう……!」
「っと、りっくん大丈夫?」
さすがにいじめすぎただろうかと考えた雅が手を止めてそう声を掛けると、陸が伏せていた顔をゆっくりと持ち上げる。
そこには、困惑の中に確かな情欲の色を灯した可愛い恋人の姿があった。乱れた服をそのままにした陸が、肩で息をしながら物欲しそうに雅を見上げる。
「みーちゃん……なんか、へんだ」
「……、」
「たすけて、みーちゃん……っ」
「……俺ひょっとして、とんでもねぇスイッチ押した??」
自身の興味本位な行動が陸の中の重要なトリガーを引いてしまったことを自覚した雅は、さすがに冷や汗を垂らしてすり寄る陸の頭を撫でた。
ごろごろと喉を鳴らす彼はそんな雅の動揺に構わず手を取ると、自ら尻尾の付け根へ刺激を誘うように押し付ける。
付け根に雅の指先が触れるだけで腰を震わせる陸の姿を見て、興奮を鎮めて冷静に処理しろと言うほうが難しいわけで。
「……とりあえずヤッてから考えるか」
環雅はまだ若かった。
こと恋人に関して、己の欲望に蓋をできるほど大人にできてない彼はそう呟くと、望み通り陸に刺激を与えてやりながらソファへ押し倒すのだ。
……余談だが、一発ヤッて寝たら元に戻ったらしい。
この成功例で彼らが味を占めないことを祈るばかりである。
終