映画は映画でよかったんですが、私がめんどくさい原作至上主義オタクのため文句が多いので、原作ファンで映画未見の方はとりあえず先にご自分の目でご覧になってから読むのをお勧めします。原作未読の人はぜひ原作読んでくれ!
プロジェクト・ヘイル・メアリー、映画見てきました。
本当は字幕で一発目見たかったんだけど、上映時間が微妙すぎて吹き替えから。
ていうか、公開初日で字幕・吹き替え各1日2回しか上映なくてかつうち1回は夜で、噓でしょうちのTLだとものすごい話題やぞ…!?って思ったんだけど、エコーチェンバーなだけなのか?
客席、満席ではないけどそこそこ埋まってて、割と高齢の方が多い印象でした。
感想なのですが、すみません、ちょっと解釈違いのとこが…多い…!
私の観測範囲では絶賛の声が優勢なので、単に私がめんどくさい原作至上主義オタクなだけです。
でもごめん、解釈違いが多くて絶賛とか大好きとかまでは、ちょっと言えない感じで…!
原作と比べるとものたりない感がどうしてもあって…!
オーケー、とりあえずよかったとこからいこう
・ロッキーが徹頭徹尾かわいい
・カール。彼がネームドキャラになってグレースとコミュニケーションしてたのが一番好きな改変要素かもしれん
・コミカルなシーンが色々入ってるの、映像作品としてはテンポよくなるのでいいと思う
・声帯がミサトさんなストラット
・挿入歌とか、キャスティング流れるとこの音楽はいいなあ。やっぱりビートルズはくるよね
・ロッキーが、かわいい!かわいい!かわいい!
・ヘイルメアリー号にやってきて走り回るロッキーがかわいい。おまえ原作よりテンション高くないか
・地球にビートルズ戻った描写がオリジナルであったのはよかった
・これは映画館では聞き逃していて、Xで言ってる方がいてそうだったのか!と思ったんですが、最後のエリドでの地球人用環境ドームの環境作ってくれたのエイドリアンなんですね。私エリディアンって言ってたんだと思ってた。
原作だともっとドーム小さいイメージで、30人のエリディアンが地球人の生きていける環境を管理してくれてるってなってたので。
原作の最終章でロッキーがエイドリアンが眠る時間だから見守るために帰らないと、というところで、帰還したロッキーをちゃんとエイドリアンは待っていてくれて今も伴侶でいることがわかるの好きだったのにカットされたのか、と思っていたから、そいう改変だったんならよかったなと思いました
さて、お次は原作至上主義オタクからの文句というかツッコミとか思うところのお気持ち
・科学がたりねえ!!!
・私はそんなに頭がよくないので、遠い昔の学生時代に化学は落第ギリギリ、物理に至っては完全に赤点だったエセ理系なので、もちろん原作の中で解説される科学要素をすべて理解できているようなことは到底ないのですが、
でもこの作品の魅力の一つが、(そのリアリティがどの程度確かかまで説明できないのですが)、
グレース含めいろんな科学者が自分の専門を生かして問題解決に邁進しそれをストラットがめちゃくちゃな推進力でそれを結集してプロジェクトをすすめてくところと、ロッキーとグレースがひとつづつ語彙を増やして意思疎通をして、問題解決をして、互いのことを知って、という過程で科学は非常に重要な役割を果たしている、かがくのちからってすげー!っていう要素だと思っていたので、尺の問題でやってられないしわかりやすくするためにごっそり削ぎ落したのはわかるのですが、どうしても物足りないと思ってしまいました
・キャラ的に、グレースはそんなこといわない、みたいなとこが結構あって
・その段階でもうイリュヒナのウォッカ飲むんかい
・このグレース、科学オタクじゃなくない…?キャラ原作とちょっと違うくない?
・ブリップAが近づいてきたときに、映画版のグレースは全然ワクワクしてないんだよね。逃げるんかい。
・生徒たちにペトロヴァラインのことを聞かれた時も、原作ではグレースのほうがこの先に待ち受ける危機を理解していて、生徒の子供たちがこれから生きる未来をなんとかしないといけない、という気持ちでストラットに交渉するんだけど、映画版だと子供たちの方が怖がって質問してグレースは話を逸らそうとしているんだよなあ…おそらく尺の問題でエピソードの順番を入れ替えたからこうしたのかな
・私は科学オタクなグレースが好きなので、そのへん出してきてくれないのちょっと物足りない
・原作より控えめな印象のストラット。原作だともっと強権的なやり方で色々進めてるじゃないすかこの人。…歌うの!?
・ロッキーがかわいらしさに振りまくってて、原作で出てた彼の賢さ優秀さももっと前面に出してくれてもよかったのよ
・ヤオ船長なんでそんなそんなちょっとコミカルなキャラに設定改変されたんや
・Xでも言ってる方いて、それそれそれェ!!ほんとそれ!ってなってたんですけど、なんで遠心機にサンプル入れるときにバランスとってないんだよ。科学考証どうなってんだよ。
・ヤオとイリュヒナの遺骸を宇宙葬にするところ、原作の「あなたの肉体を星々に委ねます」という宗教も信仰も超えた葬送の言葉が好きだったので、なんでカットしちゃったんすか…!そこカットしなくてよかったんじゃないですか!?の気持ちがすごい
・タウメーバを進化させるとこ、ロッキーと共同作業じゃなくなっちゃってるやんか
・ほかにもたくさん
・原作ではネームドの科学者たちがほぼ名前出してもらえなかったな。ロッケンと思しき人はいたけど喧嘩してなかった。環境活動家だったのに人工的に温暖化を起こさせる手助けさせられた人とか結構エピソードとして抜かないでほしかった感はあるけどまあ…難しかったわな。どうしてももったいないとは思ってしまう。
・文句じゃないけど、前にデュボアとシャピロがXで「爆発するリア充」って言われてて一人で大ウケしてたんだけど、だいぶマイルドに時短で恋人関係を匂わせる描写になってましたね。彼らが亡くなった描写は必要だろうからどうカットするのかと思ってたらこうきたか。金曜ロードショーとかで流してもらうことになる場合を考えたらこれくらいでいいと思う。原作通りのキャラ付けでセリフ出されたら子供に見せづらいだろうから(文句じゃなくなっちゃった)
・エリドの環境全然見せなかったし温度や気圧や重力に言及しなかったな。まあ真っ暗なんで映像映えしないんですけどね
・食料の話結構大事だと思ってたんだけど全然しないまま終わったな
映像化するにあたって、原作がどんなに魅力的でも全部を詰め込む尺はない。
だからどこをカットしてまとめるかが重要になる。
そのうえで、今回はロッキーとグレースのバディの関係をよりエモーショナルに映画だからできる素敵な映像で見せる点に一つ大きな重点を置くことを映像作品化するときの方向性として選択したのだと思います。
Xで原作の感想見てると「ロッキーが出てきてから一気に面白くなった」という声は多く、私は上巻も面白くて好きなんだけど、やっぱりブリップAが見えて「宇宙人出てくるの!?そういう話になるんすか!?予想してなかった!」とひっくり返ってから本当に時間を忘れて残りを読破してしまった感じだったので、そのみんなが夢中になるところを力を入れて映像化したんですね。
それはそれでよかったと思います。ハグのシーンなんか原作にあったっけ?ないよね?
勇敢、とか。きみはいい人、とか人間はクレイジー、は割愛。
攻殻機動隊みたいに、シリーズのこっちの作品ではちょっとキャラ解釈が違ってこう、そしてここの演出に力入れてちょっと設定が違ってて、みたいなのあるじゃないですか。
そういうバリエーションとして、映画版プロジェクト・ヘイル・メアリー、とてもよかったと思います。
でもそれはそれとして
原作が好きすぎて、好きなシーンや描写、せりふ回しが多すぎるので、それらがないとどうしても「あれがない!好きなシーンなのに」!って思っちゃうんだよな!!厄介オタクだからさ!!!!
映画だけしか見てない人、よかったら原作も読んでー!!カットされてるとこにもめっちゃいいものたくさんあるから!
字幕も見に行くつもりだったけどどうしようかなあ。
見ながらずっと、原作の好きシーン思い浮かべてあれがない…原作と違う…っておもっちゃうんだよね。
あと上映時間170分なので、だいぶトイレはギリギリだったので、もう一回映画館で、を躊躇うというのもある。
原作で最初にグレースがアルゴンガスで満たされたラボで防護服着て半日だか実験して出てきてストラットに「何かわかった?」と問われて「ええ、膀胱がいっぱいです」「考えてなかったわ。ラボにバイオトイレを用意させます」ってやり取りしてたシーンを思い出すね。
この長さだと本編前のCMはもう入れんといてほしい正直。
原作の好きな描写の話するんですけど
自分が確実に死ぬのを覚悟でビートルズを地球へ送って自分はロッキーを助けに行くか葛藤するグレースの
「目を閉じると見えるのは、ロッキーのあのへんな甲羅といつもなにかいじっていた小さな手だ」というところ。
そして、ロッキーと再会して、エリドへ行くと決めて、イエス!ぼくはまちがいなく死ぬ!って言ってやってきたようなグレースにロッキーがタウメーバを食料にして生き延びる道を探る提案を出して希望をもってともにエリドに向かうことにするところ。
このへんが、再会シーンはエモーショナルではあったんですけどセリフなしで、全部はしょられてぐぬぬってなってました。
あと、地球にビートルズが届いてる描写がオリジナルで入った代わりに、
原作最終章でロッキーがグレースに地球の太陽の光度が元に戻った、成功したんだという報告をもたらして、
グレースがその人生をかけてやったミッションが成功したことを知って嬉し泣きして二人でフィストバンプするべき状況だと喜んで、ロッキーとグレースのコミュニケーションが関係性が近いからこそのジョークも交えつつ格段にスムーズになって、ほんとうにかえがたい友人になっているのがわかるシーンも大好きなんですけど改変されてなくなってて、これだと視聴者は地球にビートルズが届いたとわかってもグレースがミッション成功を知らないことになっちゃうのでは…ええんか?と思いました。
映画もいい。だが原作も読んでくれぜひ(オタクの叫び)