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帝統をホテルに連れ込みたい話

全体公開 ヒプマイ 890文字
2026-03-29 11:58:10
Posted by @tirichann

 帝統は私が好きだ。私にできる限りのものを貢ごうとする。それは野花や馬券であったりするので、丁重に遠慮している。お金がない時は路上で眠り、段ボールの上に私を誘う。二人で一緒に段ボールにくるまって過ごしたことは懐かしい。私は帝統にできるだけ安全で、温かい場所で眠ってほしかった。だが帝統は私がホテルをとってやっても遠慮するし、私の家に同棲しようと言っても迷惑はかけられないと言った。帝統に気負わせず、段ボール以外の場所で寝ることはできないのだろうか。私は考えた末に、あることを思いついた。
「帝統、セックスしよう」
 帝統は目を瞬いている。私がそんなことを言うキャラではないからだろう。私も本当にセックスがしたいわけではなく、ただ帝統に気負わずホテルに泊まって欲しいだけである。流石の帝統も、段ボールの上でセックスをしようとはしないだろう。
「じゃ、じゃあ……
 帝統は段ボールを綺麗に揃える。どうやら段ボールの上でも抵抗がないらしい。予想以上の生活基準の酷さに面食らいながらも、私は自分の思う方へ誘導する。
「帝統は私の裸が誰かに見られてもいいの?」
「そ、それはダメだな! よし、カラオケでも行こうぜ」
「鍵かけられないのに?」
「じゃあ漫喫に……
 帝統にとって節約が身についているのだろう。なかなかホテルの選択肢は出てこない。私だって路上生活をしている男に払わせるほど鬼ではない。
「いいからホテル、行くよ」
 私は帝統の腕を引っ張ってホテルに連れ込んだ。帝統が気負わなさそうな安いホテルだ。でも帝統は目を輝かせて辺りを見回していた。それから、私を見ては引いていた。
「お前そんなに……欲求不満、だったのか?」
 このホテルで私がしたいことはセックスではなく、帝統を温かい布団で数時間寝かせることなのだけどセックスがしたいと言って連れてきたからにはしないといけないのだろう。
「ほら」
 早くしないと寝る時間がなくなってしまう。気だるげに服を脱ぐ私を見て帝統が「なんかかっこいいなお前」と言った。今の私は帝統に抱かれるのではなく、帝統を抱く攻め様のようなのかもしれない。


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