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重さのない倩秀

党䜓公開 神無䞉十䞀受け 15 35 7477文字
2026-04-15 16:53:29

カルみず+🐏🐞
シナリオネタバレあり(🎃+氎銀💉)
刑事探玢者宿舎䞖界線

 

 神無䞉十䞀が誘拐された。
 その連絡を受けお、瞞斑狩魔は抱えおいた仕事の䜕もかもを攟り出しお過去の䞖界ぞずやっお来た。
 
 「非番の日に買い物に出掛けお  倕飯の時間になっおも垰っおこなかったから、そこでようやく異倉に気が぀いたんだ」

 匷い苛立ちず怒りを湛えおこちらの説明を埅぀瞞斑に、聖は努めお冷静に蚀葉を遞んで事情を打ち明けおいく。

 倕飯の時間たでには垰るず蚀った神無からの連絡が途絶えお、真っ先に宿舎の責任者である垰代は呚蟺の捜玢に出たのだ。
 しかし、どれだけ仲間たちが探し回っおも神無の姿は芋圓たらず、持たせた端末に連絡をしおも電源が入っおいないず蚀われおしたう。
 事件性を正しく認識した垰代の指瀺で、すぐに宿舎呚蟺の監芖カメラが調査された結果、カメラには垰路に男たちの手によっお車ぞ匕き摺り蟌たれる神無の姿が映っおいた。

 「  犯人たちに心圓たりは」
 「おそらく、最近公安局の刑事たちで調査しおた人身売買オヌクションのや぀らだず思う」

 神無の誘拐を受けお宀内に集められた刑事は、聖心、垰代倉、糞冬党の䞉人だ。
 劙な組み合わせだず僅かな疑問を抱いおいた瞞斑は、圌ら党員が郚眲は違えど公安に所属する刑事たちであるこずを思い出す。
 公安が調べおいた非合法の人身売買オヌクションにも関わらず被害が䞀名だけずいうこずは、おそらく神無は調査の逆恚みなどではなく、玔粋に芋目麗しいその姿を狙われおしたったのだ。

 「  こちらの䞍手際だった。本圓にすたない」

 人身売買オヌクションでは、たくさんの魔力を持った人間や芋目麗しい人間、人の圢をした人ならざるものなど皀少なものなら䜕でも売り捌かれおいた。
 未来から来た神無が目を぀けられる可胜性を加味しお、調査の配慮や普段の譊備匷化など察策を取るべきだったず垰代は深く頭を䞋げる。
 その぀むじをじっず芋䞋ろしおいた瞞斑は、蟌み䞊げる怒りを圌にぶ぀けおはいけないず自分に蚀い聞かせお深い息を吐いた。

 「  事情は分かった。聞く限り君たちに萜ち床はないみたいだし、そこに責任を感じる必芁はないよ」

 未来から来た刑事ずはいえ、神無も立掟な倧人だ。さすがに垰代たちも、勀務時間倖たでずっず目を光らせお圌を守ったりはしないだろう。
 神無の油断を責める぀もりもないし、刑事たちの管理䞍行き届きずも思えない。結局諞悪の根源は、こんなふざけた取匕を商売にしおいる連䞭である。
 怒りで赀く染たる目の前を瞬きで散らしお、瞞斑は気を取り盎したように刑事たちを芋回した。

 「今のずころ未来や俺の蚘憶に倉化はないず思うけど、おそらく時間の問題だ」

 神無が誘拐されるなんお事象は、正史の䞖界では絶察にあり埗なかったこずだ。
 この䞖界で䞇が䞀神無の身に䜕か起きれば、圌が生きる本来の時間や党員の蚘憶に圱響が及ぶこずだろう。
 歎史の改倉が起きる前に、䞀刻も早く圌を救い出さなければ。そう目的を確かめ合った瞞斑は、ひず぀息を吐くず郚屋の隅ぞ芖線を向けた。

 「  ずころで、どうしおここに圌が居るの」

 瞞斑の譊戒する芖線の先には、唯䞀刑事ではない人物が立っおいる。
 虫の䞀匹すら殺さないような薄い笑みを浮かべお、静かに刑事たちの䌚話に耳を傟けおいるその青幎は、瞞斑の蚘憶違いでなければ囜際指名手配の歊噚商人ヌヌ嘉矜矊介だ。
 それたでは刑事たちの話だず口出しをしないでいたらしい圌は、瞞斑の指摘を受けおもたれおいた壁から背を離す。

 「はじめたしお、瞞斑狩魔さん。ご存知のようですが、歊噚商人の嘉矜矊介です」

 柔らかな声で名前を呌ぶその男に䞀瞬身構えた瞞斑は、䜕も蚀わずに芖線を垰代ぞず向けた。
 どうしお未来から来た自分の名前を知っおいるのか。ここに到着する前に圌らが教えたのだろうかずいう疑いの県差しを受けた垰代は、忌々しげに目を䌏せるず銖を暪に振る。
 垰代たちは嘉矜に情報の䞀切を教えおいない。瞞斑や神無の存圚はもちろん、この䌚議の堎すら䌝えおいなかった。

 「神無䞉十䞀さんを奪還する今回の䜜戊ですが、僕ならお手䌝いを出来るのではないかず思いお邪魔させおもらいたした」

 たるで䞖界の事情党おが蚘された台本でも持っおいるかのような柱みない語りに、瞞斑は薄気味悪さを隠すこずなく怪蚝な芖線を向ける。

 「手䌝い  」
 「はい。この䌚堎のセキュリティは、以前たで開催されおいた゚クリプスマヌケットなどの比ではなく、加えお神無さんの䟡倀はすでに店偎に割れおいたす」

 嘉矜の蚀葉に、郚屋の空気が匵り詰めた。
 神無が未来から来た人間であるず分かれば、圌を欲する人間は曎に溢れかえるこずだろう。
 時間を遡行する神無たちは、時の番人に睚たれないように専甚の護笊が配られおおり、その携垯を絶察ずしおいる。
 その護笊によっお無事に時間の遡行が出来おいるこずが知れたら、おそらく神無からそれを取り䞊げお自身のために悪甚する茩も出おくるこずだろう。そうなったずき、守る術を倱った神無の身に䜕が起こるかは想像に容易い。
 よりいっそう焊りを芚えお奥歯を噛む瞞斑に、嘉矜はいたっお普段通りの調子で蚀葉を続ける。

 「匷匕に䌚堎に乗り蟌めば、神無さんは殺されたす。ですので今回は倫理に少々反しおしたいたすが、正攻法で神無さんを手に入れようず考えおいたす」
 「正攻法っお  」
 「埅っおください、あのオヌクションには䞖界芏暡の富豪が揃っおたす。糞冬たちではずおも手が届きたせんし、譊察もどこたで協力しおくれるか  」

 オヌクションに぀いお調査をしおいる聖や糞冬は、あの䌚堎に出品されるものはどれも数千䞇円から数億円で取匕されおいるこずを知っおいた。
 譊察組織も神無の奪還に手を貞しおはいるが、そんな金額を巊から右ぞ簡単には動かすこずができないだろう。
 苊い顔をする圌らを芋回した垰代は、盞倉わらず険しいたたの衚情で嘉矜の前ぞず歩み寄った。
 そんな垰代のこずを埅っおいたかのように向き盎った嘉矜の嬉しそうな笑顔を睚み぀けお、垰代は圌を黙っおこの郚屋に通した最倧の理由を口にする。

 「嘉矜、いくら出せる」

 嘉矜の笑みが僅かに深たった。持ち䞊げたその指先が、するりず垰代の結んだ髪を匄ぶ。
 その戯れを倧人しく受け入れる金色の瞳をじっず芋぀め返した嘉矜は、垰代の予想をはるかに䞊回る返答をしおみせたのだ。

 「貎方が望むなら、いくらでも」

 
 ※
 
 
 隣宀から聞こえる叞䌚の倧袈裟な口䞊ず、远っお聞こえる芳客たちの䞋品な歓声に、神無はびくりず䜓を揺らすず胞元に残る小さな火傷の痕を守るように膝を抱え盎した。
 
 「  おれ、どうなるのかな」

 非番の日、垰路を蟿る最䞭に抵抗する間も無く車に詰め蟌たれお、気が぀いた頃には歊噚や衣服を奪われお郚屋の隅に転がされおいたのだ。
 自分たちが今たさに調査をしおいた人身売買オヌクションの、品物偎に回るこずになるなんお誰が予想しただろうか。
 幞いにも護笊は身に぀けおいたが、このたた顔も名前も知らない誰かに買い取られおしたったら䜕をされるかわかったものではない。
 そう焊っお最初は脱出のために足掻こうずした神無だったが、暎れたこずで䞀床スタンガンを圓おられおしたったのだ。
 手加枛をされたそれは神無の肌を焊がす皋床で枈んだが、自分が呜を萜ずしお未来が曞き換えられるリスクを考えた圌は動くこずができなくなった。
 
 「倧䞈倫  きっず倧䞈倫」

 優秀な先茩刑事たちは、きっず神無が誘拐されたこずにもう気が぀いお捜玢をしおいるはずだ。
 今神無がすべきこずは䞋手な抵抗で出品者たちを刺激するこずではなく、圌らの助けを信じお自身の身の安党を最優先に立ち回るこずである。
 そうしお懞呜に恐怖に震える心を神無が慰めおいるず、郚屋の扉が開かれお耇数人の黒服が宀内に立ち入っおきた。

 「倖に出ろ」

 腰にスタンガンを差したたた指瀺をする圌らに、神無は小さく頷いお立ち䞊がる。
 じゃらりず重い金属音を奏でる銖元ず䞡手足を匕きずっお、神無は眩い光に照らされる郚屋の倖ぞず連れ出された。
 䜓を隠すには心蚱ない薄い䞀枚垃を手繰り寄せた神無は、目隠しをされお䌚堎ぞず腕を匕かれる。

 「いっ  」

 拘束されお動きずらいこずなどお構いなしに歩く黒服たちに匕きずられお、足茪ず擊れお赀くなった足銖がずきずきず痛んだ。
 そんな些现な痛みに絶望を煜られお、思わず泣き出しおしたいそうになった神無は唟を飲んで懞呜に堪える。
 情けない姿を晒すな。怯えたり、泣いたりしたら、それこそ盞手の思う壺だ。そう蚀い聞かせお神無が俯くず、銖茪が匕かれお匷制的に前を向かされる。

 「ずっずず行け」

 すでに自分は人ではなく、金を積んで取匕をするものずしか芋られおいないのだろう。
 このたた足を止めおいたらたたスタンガンを圓おられおしたいそうだず考えた神無は、促されるたたに目隠し越しでもわかる眩い照明の䞋ぞず歩み出た。
 
 「次の商品はなんず未来から時を超えおやっお来た人間です」
 「この青幎は時間を遡行しおいながら時の番人による攻撃を受けおいたせん察策研究のためのモルモットずしおもご利甚いただけたすし、芋目麗しい鑑賞品ずしおも十分な䟡倀がございたす」

 叞䌚から高らかに告げられた、感嘆の声を煜る蚀葉の数々に思わず足が竊む。そんな神無を远い立おるように銖茪を匕いた黒服は、圌をステヌゞの䞭倮ぞ転がした。
 硬い床に䜓を打ち぀けお小さく呻いた神無に、無数の奜奇に満ちた芖線が突き刺さる。
 䜕も芋えなくおも、すでに自分の呜は自分のものではなく、買われおしたえば人ずしおの生掻は保蚌されないのだず理解ができた。

 「  だれか、」

 もう垰れないかもしれない。
 それたで必死で気䞈に振る舞っおいた神無の心が、その理解によっお跡圢もなく厩れようずしおいる。
 かたかたず小さく肩を揺らしおいるこずも、目隠しの垃に涙が滲んでいくこずもお構いなしに、叞䌚はハンマヌを叩いおオヌクションを開始した。

 「他にいたせんか  出たした」

 呚囲の感心ず萜胆の声から察するに、おそらく本来の人ひずりの売買金額を超えた駆け匕きが行われおいるのだろう。
 党おが別の䞖界の出来事のように金額を叫ぶ声ず煜る叞䌚者の声を聞いおいるず、ふいに䌚堎内を毒気のない青幎の声が揺らした。

 「億です」

 ざわざわず䌚堎がざわめく。
 この身に億の䟡倀を賭けるなんおもの奜きだ。よほど時間遡行に匷い願望があるのだろう。
 時間遡行犯眪者の予備軍ずしお未来の刑事たちに報告をしおから買われるこずが出来れば良いのだけれど、ず神無ががんやりず考えおいれば、その間に億より䞊のやり取りが再開された。
 あの青幎は諊めたのだろうか。そう考えおいた神無の耳に、再び圌の声が響く。
 
 「億」

 再び䌚堎が隒がしくなる。
 唐突に五倍の倀段を提瀺した男によっお、神無の䟡倀はみるみる吊り䞊がっおいった。
 その青幎に決定かず思えたが、しばらくしお远い瞋る男の声がひず぀響く。

 「億䞇」

 その男も、なんずしおも神無のこずが欲しいのだろう。自分では自分に億もの䟡倀があるずは思えないけれど。
 もはや想像もできない金額のやり取りが数回続き、気づけば男ず青幎の䞀階打ちになっおいた。
 どちらが勝っおも自分の身の安党は保蚌されないだろうず考えお攟心しおいるず、青幎が少しだけ苛立ったような声を䞊げる。

 「  面倒ですね。では億で」

 䌚堎がざわめきを通り越しお静けさに包たれた。
 叞䌚すら絶句する䌚堎内に、青幎の良く通る声が響き枡る。

 「次に誰かが䞇なんおはした金を付け足したら、僕は億出したす。どこたででも勝負いたしたすよ」

 その牜制に堎が静たり返った。
 我に返った叞䌚が慌おお金額以倖の発蚀は慎むようにず泚意をした䞊でオヌクションを再開したが、これ以䞊青幎ず勝負をする猛者はさすがにいないらしい。

 「では  そちらの番のお客様億で萜札です」

 札を䞊げる手が止たった䌚堎内で、぀いに萜札者が決定する。どうやら神無は、億もの䟡倀をかけた人の元に匕き取られるこずが決たったらしい。
 拍手ず萜胆の声を遠くに聞きながら、神無は再び銖茪を匕かれおステヌゞを䞋りた。
 そのたたふかふかの絚毯が敷かれた廊䞋を歩いた神無はやがお、ずある郚屋の䞭で目隠しを倖しお床に座らされる。
 どうやらこの堎所は商品の受け枡しに利甚するルヌムらしい。手続きの曞類ずシャンパンずフルヌツが眮かれたテヌブルを眺めおいるず、扉がゆっくりず音を立おお開いた。

 「こちらでお支払いずお手続きを行いたす」
 「分かりたした。あぁ、この方は付き添いなので郚屋たで同行させおください」

 黒服に案内されお郚屋に顔を出したのは、オヌクション䌚堎で圧倒的な財力をもっお呚囲をねじ䌏せた青幎だ。
 仮面で顔を隠した長身の付き人を連れた圌は、郚屋の䞭にいる神無ず目が合うずにっこりず笑みを浮かべる。
 その姿に芋芚えがあった神無は、思わず青ざめた顔でおそるおそる口を開いた。

 「こんにちは、はじめたしお」
 「あんたは  たしか瀟の、」
 「おや、ご存知だなんお光栄です。代衚取締圹の嘉矜矊介ず申したす、改めおよろしくお願いしたすね」

 そう埮笑んだ圌は、䞖界䞉倧富豪ず名高い歊噚商人の嘉矜矊介だ。
 フロント䌁業の代衚取締圹ずしお䞖界各囜に歊噚を届ける身でありながら、法の隙間を突いお譊察に捕たるこずなく資産を築いおいる男である。
 公安でも行方を远っおいるずいう話は小耳に挟んだこずがあるが、未だ尻尟を掎めおいないずも聞かされおいた。
 そんな埗䜓の知れない男が目の前で、自分を買っお埮笑んでいる。蚀いようのない䞍安ず恐怖に駆られた神無が埌ずされば、䞻人ぞの無瀌な行動を咎めるように黒服が神無の銖茪を匷く匕いた。

 「う、っ」
 「倱瀌のないようにしろ」
 「あぁ、構いたせんよ。それより圌ずゆっくり話がしたいので、しばらくの間垭を倖しおいただけたすか」

 黒服の行動を制した嘉矜は、さらさらず躊躇いもなく億を譲枡する旚を曞類に曞き蟌むず血刀を抌す。
 嘉矜の提案に怪蚝な顔をした黒服たちだったが、倩䞊の存圚である倧富豪の考えなど掚枬するだけ無駄だず思い盎した。
 金の手続きをしおくれたのなら問題ないず顔を芋合わせお、圌らは揃っおこの郚屋をあずにする。

 「さおず  ようやく静かになりたしたね」
 「    なんで、俺を買ったの」

 廊䞋から遠ざかる足音を聞いお呑気な声を䞊げる嘉矜に意を決しお尋ねれば、圌は神無を拘束する鍵を付き人に枡しながら口を開いた。

 「どうしおも欲しいものがあったので、神無さんには申し蚳ありたせんが利甚させおもらいたした」
 「欲しいもの  」
 「あぁ、ティンダロスの猟犬察策の護笊ではないので、そんなに譊戒しないでください」

 気の遠くなるような高額の決枈をしおでも手に入れたいものなど護笊くらいしか思い圓たらず、咄嗟に身構える神無を芋䞋ろした嘉矜は安心するよう銖を暪に振る。
 だったら尚曎圌が自分を買った理由が分からないず神無が困惑しおいるず、扉の倖から人の気配が完党に遠ざかったこずを確認した嘉矜が蚀葉を続けた。

 「もう倖しおいいですよ」

 その蚀葉を聞いお、嘉矜のそばに控えおいた付き人の男が仮面を乱雑に取り払う。
 からんず床に萜ちたそれから埐々に芖線を䞊ぞず持ち䞊げた神無は、そこに立っおいるここにはいないはずの人物に目を䞞くした。

 「だらだら先茩  」
 「  神無ちゃん、遅くなっおごめん」
 
 駆け寄った瞞斑は神無の前で膝を折るず、拘束を解いお怪我がないか確かめるように頬に手を圓おる。
 薄い垃の隙間から芗く赀い火傷の痕を芋぀けた瞞斑は、忌々しげに舌を打っお自身の身に぀けおいたゞャケットで神無の䜓を芆い隠した。

 「もう倧䞈倫だから。䞀緒に垰ろうね」

 その優しい声を聞いた途端、それたで匕いおいた涙が思い出したように再び滲み始める。
 泣き出しおしたった神無のこずを抱き寄せた瞞斑は、ようやく腕の䞭に取り戻した枩もりにほっず息を吐いた。
 しばらくぐすぐすず錻を鳎らしおいた神無は、やがお少しだけ萜ち着いた様子で瞞斑ず嘉矜の顔を亀互に芋やる。

 「でも、なんで先茩、この人ず䞀緒にいるの」
 「圌には護衛をお願いしたした。この芏暡のオヌクションですず、垰代さんよりも玠性の知れない人間の方が郜合が良かったので」

 困惑する神無に説明をした嘉矜はふず、耳に嵌めたカフスから聞こえた報告に耳を柄たせる。

 「  瞞斑さん、僕は垰代さんたちの加勢に行きたす。終わったら圌らが迎えに行くず思いたすので、それたで神無さんを䌑たせおあげおください」
 「分かった」

 どうやら垰代たちも䌚堎に来おいるらしく、神無の誘拐を火皮に䞀斉摘発を行っおいるのだろう。
 仲間たちが自分を取り返すために動いおくれおいるず知った神無は、自分のもずにようやく自分の呜が戻っおきたような感芚を芚えお腰を抜かす。
 そんな神無を抱えた瞞斑は、嘉矜の提案に埓っお扉の倖での抗争が終わるたで神無のこずを䌑たせようず゜ファに圌を䞋ろした。
 ただ目たぐるしい展開に぀いおいけない神無はしばらく目をぱちぱちずさせおいたが、やがお扉の向こうぞ歩いお行こうずした嘉矜ぞず声をかける。

 「あ、あの  ありがずう」
 「いえ、こちらこそ」

 どうしお圌が自分に感謝しおいるのか分からず銖を捻る神無は、瞞斑の腕に抱かれおいるうちに少しず぀思考を散らしおいった。
 それたで匵り詰めおいた緊匵の糞が切れおしたったのだろう。うずうずず眠たげにする神無を守るように抱き抱えた瞞斑は、嘉矜矊介のこずだけは敵に回したくないずしみじみ思うのだった。

終

 


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