@tirichann
仕事を終えて自室に入った時、俺のベッドに寝転ぶ名前を見つけた。毎日好きだなんだとほざいているが、流石にこれはラインを越えているだろう。相手が良識のある大人でなければ襲われていても文句が言えないところだ。相手に関わらず、付き合ってもいない男のベッドに簡単に潜るものではないと教えなければいけない。担任とは性教育まで行う必要があるのだろうか。俺は深くため息をついてから、「どうして入れた」と尋ねた。一応俺の部屋は遊摺部と同室だが、簡単に入れるようにはなっていないはずだ。それこそ、遊摺部が招かない限り。俺の頭に暗雲がかかる。
「遊摺部くんに入れてもらいました」
「どうしてだ」
遊摺部は女好きで有名だ。女好きというか、女体への憧れを拗らせた童貞というか。その遊摺部が、俺を好きな名前に協力することをタダで受け持つとは思わない。遊摺部らしい、卑怯な条件を持ち出すはずだ。
「今度遊摺部くんのベッドにも入る条件で」
「……やはりな」
俺は呆れた。そのベッドに遊摺部もいる前提なのかはたまた女の残り香が嗅げれば直接同衾しなくてもいいのかは知らないが、簡単に了承していい内容ではない。俺のベッドに潜るのも問題だが、遊摺部のベッドに入るのを承諾するのもかなり危険である。
「簡単にそんな条件を受け入れるな。お前は俺が好きなんだろう」
せめてまだ、俺以外のベッドには入らないし俺に操を立てる内容だったら可愛かったものを。そう思って言えば、名前の目が輝いた。
「嫉妬ですか?」
どうやら、名前には一筋縄の教育ではいかないらしい。俺は名前をベッドから持ち上げ、部屋の外に放り出した。思春期の女子というものは、どうしてこうも厄介なのだろう。