沖土/いつもよりも大人向け注意
@bbbcde519
注意
・いつもより明確に沖土です。
・本編よりかなり後の設定
・事後の会話なのでいつもより大人向けです(Rがつくほどではないです)
↓
「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつ……」
「何数えてやがる」
布団に腹ばいになって肘だけつき、煙を深く吸っている土方さんは、俺が背中に指を這わせて遊んでいても、振り返りもしない。
「アンタの背中の傷の数」
土方さんは「くだらねえことしてやがる」と呆れたように吐き捨てただけで、機嫌は悪くなさそうだった。腰と脇腹の間、そこにある小さい古傷を、強めに指の腹で掠ってみても、ちょっと眉を下げてこちらを見ただけ。背中のほくろを数えるのは色っぽい戯れらしいが、傷の場合はどうなんだろうか。ふとそんな考えが頭をよぎったが、手慰みでやったことに色気があるととられても困る。誤魔化すように、
「背中の傷は剣士の恥だって言いやすが、実際、乱戦になるとそうも言ってられねーですからね」
などと適当なことを言った。土方さんも適当な口ぶりで「なんだそりゃ」と返してくる。
「ワンピ。アンタ、そんな声しといて知らねーんですか」
「お前、マガジン以外の漫画読むのは違反だってこと、忘れてねえだろうな?」
「別に屯所では読んでませんぜ。アニメだったか、床屋で読んだんだったか……」
「ならいい」
「いいんですかィ」
「禁止の範囲はあくまで局内だからな。外でなら、節度を持って読めばいい。ま、士道を持ってりゃそういう選択肢は、自然となくなるはずだがな」
「思想強えなァ。マガジン警察かよ。いや、ほんとに警察か」
軽口が止まらない。いつもくだらないやり取りをしているが、今は殊更、口が回っている己を自覚していた。お互いに下着しか着けてない裸で、いつもより近い距離にいる。冷静になるとどうすればいいのか分からなくなるから、ふざけている。
「でもこういう有名なセリフってのは、ジャンプで読むっていうより常識だか教養だかの類でしょ。アンタだって卍解もかめはめ波も知ってるくせに」
「……知ってるな」
「ベジータネタだってノリノリだったじゃねーですか」
「うるせえな。お前、話題選び間違えたと思ってんだろ」
不意を突かれた。何を言えばいいのか分からなかった内心を、見透かされたような気がした。土方さんは煙草を吸うのも忘れ、俺の頰あたりを見ながら、片目を眇めて意地の悪い笑みを浮かべている。
その顔を見て、唐突に閃いた。
「アンタって、俺がまごついてると喜ぶんだ」
「……ハ」
もっと焦るかと思いきや、思いがけず土方さんは吹き出した。灰皿を引き寄せ、トントンと丁寧に灰を落とした後、あっさりと認めた。
「そうだよ。お前は滅多に慌てたところなんて見せねえからな。珍しいモン見れて面白かったぜ」
などと平然と嘯く横顔はいつもの通り、嫌味なほどに整っている。その顔にもこちらを遠慮なく揶揄ってくる口ぶりにもいつもだったらむかっ腹の一つや二つ立てて、言い返してもおかしくないのに、いまの心は意外なほど凪いでいた。それはたぶん、ついさっきまでこの男が俺に抱かれていたから。
終わってみれば、肌を重ねたからと言って何かが変わったわけではない。それでも自分を受け入れてくれた相手が同じ布団で裸で寝そべっていると、それだけで土方さんのむかつくところをいくらか許せる気がした。少なくとも目の前の男にこれ以上言い返す気は起きなかった。
「ふっ」
「何笑ってんだ」
「いや、なんで俺たちは、裸でマウント取り合ってるんだろうなと思って」
「不毛だな」
「まったくで」
俺も土方さんもひとしきり笑い、それで区切りがついた。着物を着直して、それぞれの布団の枕に頭を落ち着けた時、土方さんが低くささやいた。
「……後悔してねえか?」
「俺が、何かを後悔するタマに見えますかィ」反射的に、そう答えた。「それに、後悔するほど大したこと、しましたか」
怒られるかと思ったが、暗闇の向こうの土方さんは短く、でも確かに声に出して笑った。
「そんならいいさ、おやすみ」
といつもの声で言って、すぐに眠ってしまう。俺は土方さんの静かな寝息を聞きながら、やっぱり勝ちに行っちまうんだよなァと自省なんかをし始めてしまい、なかなか眠れなかった。五分前の自分に言ってやりたかった。ほらみろ、一度寝たくらいじゃやっぱり変わんねえんだよ。
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事後にすごいくだらない会話をする沖田くんと土方さんが見たい!!!と思って書きはじめました。事後ということは前も最中もあるはずですがまったくそこは考えていません。難しいからです
沖土は事後割とマジで喧嘩をしそうな時もあれば、気やすさが上がってぽんぽん面白い会話をして、ゲラゲラ笑いまくってなんか昨日翌朝めっちゃ笑ったな〜何話してたっけ?となる時もありそうで面白いなと思います
沖田くんは沖田くんなりに土方さんに優しくすべきではと思ってそうな節はあるんですがうまくはできず、土方さんは寝たからと言って自分に対して甘くなったりはそんなにしない沖田くんを気に入っているという解釈を詰めています