舎利様が主催されるドラヒナ夢魔アンソロ『ナイトメア・スイート・キャンディ』に、反転インキュバスとΔサキュバスで参加させて頂きました。
不備があった時に備えて、同時進行で本編インキュバス×サキュバスでも書いており、先の二つが通りましたので、主催者様の許可を得て、没案になったお話をベッターに上げさせて貰いました。
夢魔というものを調べ直していると、あまりにも現代社会にはそぐわない部分が多すぎ、絶滅に向かうしかない種族ではないか…とも考えたものでして、そこから抜け出す手段を考えた挙句、この様な展開になりました。ちなみに、寄稿している反転、Δにも『夢の血族』という名称は出ていますが、それぞれちょっとずつ設定が違ってたりします。
書いている本人が、長らく牧場に勤める家畜人工授精師という事もあって、センシティブシーンはありませんが、地味に人権やフェミニズム的に引っかかりそうな、ヤバい内容になっている可能性があります。気にされる方はご遠慮くださいませ。
1P目の捏造設定を見て、大丈夫な方のみ、次のページにお進みください。
@kw42431393

捏造設定
なにしろ夢魔なので、ここの項目を見て、不快に思われた方は、次のページへの移動をご遠慮下さい。
ファンタジーだし、夢魔だし…と思われた方は、次のページにお進み下さい。
ちなみに、夢魔達の姿をスライム状の不定形生物にしたのは、夢魔達を調べ直していて、火の鳥に出てくるムーピーを思い出し、『夢魔に近い種族なのでは?』とも考えたからです。ムーピー同様、夢魔達も相手の心を読んで姿を変える種族なので、固定された姿をしている必要はないんですよね。
夢の血族:
所謂、夢魔と呼ばれる夜の眷属。ロナルドくんに言わせれば、『RPGに出て来るエッチな敵』だが、自身は繁殖能力を持たない。眠っている人間達の夢の中に侵入し、男性からは精液を吸い取り、女性に採取したそれを注ぎ込み、借り腹とする事で次世代の夢魔(カンビオン)を生み出せる種族。
人外故に拘りが強く、相手から確実な同意を得る為に、『相手の望む夢、望む姿、望む行為』を提供する能力と、採取した精液に『確実な受精能力』を持たせ、注入した女性を『確実に受胎させる能力』に特化した進化を遂げた。
しかし、キリスト教の浸透で、悪魔と同一視された事による迫害と、人間達の医療技術の進歩、睡眠時間の減少に、夜の世界への進出によって、今や絶滅の危機に瀕している。
性格は良くも悪くも無邪気で、『目の前の人間を悦ばせる事』を生き甲斐とし、それを使命と信じている。進化の過程で、致命的に(人間視点ではあるが)倫理観を欠如させてしまった様で、ノンデリな言動が目立つとも言われている。
人外故の律義さもあって、カンビオン達を宿した家庭には夢を通して生活を援助したり、また、子宝に恵まれない夫婦から感謝される事もあった為、彼ら自身は、人間と自分達を『共生関係』にあると思っている。
*プロローグ*
雑な導入で恐縮なのだが、目が覚めるとそこは…
「何だよ、これは~!?」
「ち~ん!?」
「ヌ~!!」
事務所ではなく、ピンクの霧が漂う…なんか、へんなが好きそうな世界だった。うん、いつもの事だとも。
「くっそ。また、どっかのポンチかよ。」
「あぁ、そろそろ慣れたよね。ただ…。」
「ヌー。」
ため息をついて、自分達の姿を確認する。
クラバットだけを巻いた、全裸の姿に…頭に手をやる。
何か硬い尖った感触…形から察すると山羊の角か。
そして、お尻と背中から伸びる…所謂、悪魔によくついている槍状の尻尾と蝙蝠の羽。それは、ロナルドくんとジョンにもついている。どうやらこの世界では、元々の服装の一部だけを残した、『ほぼ全裸の、悪魔っぽい恰好』と決まっているらしい。
「俺なんか、謎ベルトだけだぞ。どんな罰ゲームだ、クソ。」
「ジョンは、ヌードでよかったねえ。元々が、完璧な〇だもの。」
「ヌーン…。」
まぁ、我々は…諦めがつく。問題は…
「な、なぁ…後ろを向いてくれないか。シンヨコ慣れしているとはいえ、さすがに。」
そう。ヒナイチくん『も』そうなのだ。
あえていうなら、彼女の場合は、裸に青いニーハイだけ。背徳感が半端ない。
「仕方ねえな。このベルトを、貸してやるよ。」
「私のクラバットも使っておくれ…こう、ベルトを胸に巻いて。私のクラバットとジョンガードを腰に…。」
「ヌーー!!」

あ、これやばいやつだ。一種のフェチズムをそそられるというか…一般的な観点だよ。私は、『うなじ派』の紳士だからね!
「そのどこが紳士だ、どこが!」
その言葉と共に、私は飛び蹴りを喰らって、砂になる。さて、ロナ戦を熟読している諸君なら、この後は、もう分かるよね?
(お待たせ致しました!我は、吸血鬼『夢魔の世界にようこ』…ブベエェーーー!?)
ね?知ってたでしょ?
突然名乗り上げたスライムの様な生物に、ロナルドくんがグーパンを入れる。
「てめえか、犯人は。さっさと、俺達を元の世界に戻しやがれ!」
「待て、ロナルド。相手に何かがあったら、戻れないタイプかもしれないだろう?」
(いえ、そんな事はないです。私が術を解除するか、倒せば…グェエーー!!)
うん、これも知ってた。とはいえ、ここで倒しちゃうと、話が足りなさ過ぎるからね。
次、行こう。次、次。
*事情聴取*
(実は、私こういう者でして。夢の血族に属している吸血鬼、『夢魔の世界にようこそ』と申します。人間達には、インキュバスと呼ばれている者で。)
不定形生物が、いそいそと名刺を差し出してきた。
夢の血族か…まだ、彼らは生き残っていたのか。
夢吸いの話で説明した事があるが、人間達の技術の進歩…それに伴う睡眠時間の減少と夜の世界への進出は、少なからず、我々にも影響を与えている。
所謂、夢魔と呼ばれる者達は、人間達の夢の中に侵入し、『望む夢の世界を作り、望む相手の姿となり、望む行為、望む物を与える』能力を進化させて、生きてきたのだ。
「夢魔って、ゲームとかで見る、エッチな敵だっけ。普通に、美男美女を想像してたぜ。」
「望む姿か…だから、スライムみたいな姿をしているのだな。」
「ヌ~ン。」
しげしげと、二人と一玉が『夢魔の世界ようこそ』を覗き込む。
エッチとかその程度の問題では、ないのだよ。というのは、私自身、彼らがほぼ絶滅したと思っていた理由が、そこにある。
元々、長命種である夜の者達は繁殖能力が低く、転化も成功率は低い。それに加えて…夢魔達に至っては、繁殖能力や転化させる能力が『ない』のである。
人間達の夢に忍び込み、男性からサキュバスが精液を吸い取り、そして、インキュバスが女性に注ぎ込んで…人間達を借り腹にしないと、次世代のカンビオンを生み出せない種族だったからだ。
(人間達の睡眠時間の減少に加えましてですね…昔は、身に覚えのない、計算の合わない妊娠に、何も出来なかったんですよ。場合によっては、奇跡の子として、神様の贈り物として、大事に育てて貰えます。それが…)
その通り。医学が進歩した現在、不審な妊娠に気づいた昼の子達は、どうするか?
堕胎させてしまう可能性が高いし、原因について調べるだろう。自分達の仕業とバレる前に、取り戻されたカンビオン達は、未熟児だ。少数派だった夢の血族達は、ますます衰退していったのである。
「気の毒と言えば、気の毒だけどよ。寝ている間に、勝手される側は、たまったもんじゃねえぞ。」
「同情はするが、女性達の心身の負担も大き過ぎる。私とて、見つけたら逮捕するより、他ないぞ。」
(まぁ、そうですね。だから、最近目覚めた私の能力が役立つのではと思って、こちらにお邪魔したのです。私、自分の結界内に入った者達を、夢魔にする能力に目覚めたのです。法を犯してまで、カンビオンを生み出すよりも、実体験して頂いて、興味を持った昼の子達を血族に呼び込むのは、どうでしょう?夫婦、カップルで入って頂けたら、尚、有難い…いい案だと思いませんか?)
「やれやれ、田舎の活性化と同列に扱われても…で、どうして、このドラルクキャッスルマークⅡに?よそでもよかったろうに。」
「勝手に変えんな。俺んちじゃ。」
まぁ。選ばれた理由は、知ってる気がするけどね。
(ロナ戦、いつも読ませて頂いております。変態が多い新横浜なら、興味を持ってくれる者達も多いと思いまして。どうしょーもない吸血鬼の悩みでも聞いてくれると評判の、お人好しでアホなロナルド様と、周りの方々に体験して貰おうと、こちらに参りました。あと、これクーポン…ギャ―――!!)
「うるっせー!!ご利用、ありがとうございましたーー!!」
同胞が飛び蹴りを喰らって、はじけ飛ぶ。懲りない同胞だ。
(そ、そう言わずに…こんな体験、滅多にないです。ロナ戦に体験談を書けば、ネタにもなりますよ?我々としては、PRにもなるし、お互いウィンウィンじゃないですか。)
「え…ネタか。そうだな。ま、まぁ、体験だけなら…転化と違って、解除も出来る様だし?」
ほら、このパターンだ。知ってたよ。
「ヌ~ン。」
「合意の上で夢魔になるなら…警察としても、問題はない。お前達が罪を犯さなくて済むのなら、協力ぐらい…し、しよう。」
ヒナイチくんも、丸くなったよね。
でも、君も高い壺とか買わされそうで、お母さんは心配だよ。
*夢魔になっていい所、その1 自分の望む夢が作れるよ*
(自分が欲しいなぁ…と思うものを、想像して貰えますか?)
「そういや、小腹が空いたな。オムライス…っと、早ッ!!」
まぁ、他人の望む夢が作れるのだ。自分の望む夢なら、簡単なものだろう。
「お、便利だな。じゃあ、いただきま~す。」
若造も、警戒心なさ過ぎだろ…普通に食べるんじゃない。
「じゃあ。私は、ドラルクのクッキー!」
「ヌッヌルヌイ!!」
って、ちょっと!!ジョンとヒナイチくんまで!!
「これはすごいな!ドラルクのクッキーと、同じ味がする。」
「ヌンヌン!」
そりゃあ、自分達の記憶を頼りに、夢の中で合成したものだから、私のと同じでも、不思議ではない。不思議ではない…が。
「ん、うめ!いつも食ってるオムライスだ。すげえな。」
「おいしい、おいしい。」
「ヌンヌン。」
悔しい!あの笑顔達は、私だけがさせられるはずなのに!
(皆さん、いかがですか?ジョンくんのダイエットにも、いいですよ。いくら食べても、カロリー0です。夢ですので。)
…あ、それはいいな。ちょっと、私でも心が揺らぎそうだ。
「裸は、何とかならないか?服を想像しても、変わらないぞ?」
いくら夢でも、それは思う。どうして、ほぼ全裸なんだろう。
(それは盲点でした。我々は、元の姿がこれですので…服を着るという概念がなかったのです。服の一部を残したのは、お互い、見分けが付きやすくした方がよいと思ったからですが…参考にさせて貰います。)
「ヌヌケ?」
アップルパイを頬張りながら、ジョンが首を傾げる。
これこれ、カロリー0とはいえ、お替りとか…口元を拭ってやりながら、ため息をつく。
見分けか…そうだったね。
「可愛い服を着て、美味しいお菓子を食べられる世界…っていうのに、興味を持つ者だって多いと思うぞ。」
「あ~、ありじゃね。そういう娯楽施設にするとかよ。そういうんなら、ロナ戦で宣伝してもいいぜ。」
分かってないんだよ…君達は。
そもそも、夢魔って『エッチな敵』だと言ってたのは、君じゃないか。
(なるほど、その手がありましたか。そろそろ、次の体験もして頂きますね。いきますよ~。)
*夢魔になっていい所、その2 目の前にいる人が、好きな人の姿になるよ*
(次は、夢魔ならではの体験をして頂きますよ。)
そう言って、不定形生物の姿をしていた同胞は、姿を変える。
私には、その姿は…
「うわっ!?ちょっと、何だこれ!?」
「ち~ん!?」
「ヌッ?」
その姿は、ヒナイチくんに見える。
同胞だけでなく、ジョンもロナルドくんも…だ。さっき、彼が『見分け』と言っていた、理由の一つでもある。
「夢魔達は、望む相手の姿になる。ここにいる全員が、意中の相手か、タイプの人物に見えているんだよ…自分だけに、ね。」
(そうです、ご満足いただけましたか?)
「おい。お、お前らには、俺が、いい今…どう、見えてんだ?」
やれやれ、若造もかなり動揺してるね。
誰に見えてたのか、後で聞いてやろっと。私にとって、問題は…
「キョドっているのは、ロナルド…だよな?ま、まずは…おおお、落ち着け。」
「ヌヌヌヌヌン?」
動揺しているヒナイチくんに、視線を移す。
とりあえず、彼女には『ロナルドくん』に見えていないらしい。
まずは、ホッとする。じゃあ…
「な、なぁ…ドラルク。こ、これは、どうしたらいいんだ?」
じゃあ…君には、我々が『誰に』見えているのだろう。
「よ、四つん這いになってるのは…ジョン、だよな?そうだ!ジョンを吸おう!吸って、正気を保つんだー!!」
「ヌヤーン!!」
テンパったロナルド君が、いつもの様にジョンの腹毛に顔を埋めた…って、やめ給え!!なんて絵面だ!
「うわ!何だ、これ!?いつものメロンパンの匂いじゃねえ!これがドラ公の親父さんが言ってた、おっぱいの匂いなのか!?」
「ヌエーーーン!!」
これは、まずい!!ジョンの貞操が!!それもあるが!!
「やめんか、バカ造!!ヒナイチくんが、ヒナイチくんのおっぱいを吸ってるとか!ただの地獄絵図だろーが!」
「ちん!?ど、ドラルク…今、何て?」
若造を引っぺがそうとして、我を忘れていたらしい。
思わず、今見た風景を口走ってしまった。
「むぐっ!!し、しま…いや、その。だ、だから…。」
慌てて、口を塞いだがもう遅い。
ど、どうする?二人の視線が、すごく痛い。
「あ?お前は、ドラルク…だよな?お前には、俺達がヒナイチに、見えてんのか?」
「…。」
奪い返したジョンで、顔を隠す…二人の目には、さぞかし奇異なものに映っているのだろう。
「そ、そうなの…か?お前には、私達が。じゃあ、その…私には、今、お前達が…。」
答えを聞くのが、怖い。君には、『誰に』、見えているのだろう?
(そろそろ、よろしいでしょうか?それでは、次の体験をして頂きます。)
思わず、忘れかけていた同胞の声が響く。
まずい、まずい!!次は、本当にまずい!
*夢魔になっていい所、その3 相手がして欲しいプレイ内容が分かるし、100%その気になるよ*
(次は見るだけで、相手が望む行為が、分かるようになります。始めますよ~。)
「見るだけで、分かってしまう…のか?それは、恥ずかしい!困るぞ!」
そう、人間達が夢魔達の誘いを断れず、必ず致してしまう理由がそれなのだ。そして、彼らも『望む姿で、望む行為をしてあげる事』が、生き甲斐の種族でもあるから、猶更だ。
(困る?何故ですか?お互い、意中の相手に見えてますよね?意中の相手と、気持ちいい時間を過ごせるんですよ?さあ、どうぞ。4Pで、そのまま事に及んでいただいて構いません。)
まずい。既に、ぼんやり何かが見えてきた。ロナルドくんは…まぁ、察しはつくし。男同士だからね。お互いどんなAV持ってるか、知ってるし。
え?ジョンかね?ジョンは…
「ヌ?」
…見ないであげて。皆も、可愛いアイドルでいて欲しいでしょ?
「な、何て、破廉恥な。だいたい、そそそういう事は、軽々しくするものではない…ぞ。」
(あぁ、女性は気にしますよね。この結界内では、大丈夫です。お互いが、夢魔なのです。妊娠も性病も、ご心配なく。夢から覚めれば、体だって綺麗なままです。それでは、どうぞ体験なさって下さい。)
「ど、どうぞとかじゃなく…ち~ん。」
ヒナイチくんが、泣きそうな顔でうつむいてしまった。彼らには、そういう倫理観は通じない。理解出来ない。
しかし、家族同様に暮らしている我々にとっては、知らないフリをしておく必要だってあるのだ。
仮に、私には彼女の『望む行為』が、見えていたとしても…。
「ふざけんな!!お互い性癖暴露して、しあいっことか、どんな地獄だ!だいたい、いくら好みの相手の姿をしてても、だ。ヒナイチにドラルクに、ジョンだろ?俺が、勃つか!!」
「こら!身も蓋もない事を…もう、いい!この凶暴ゴリラ!!ネタ集めは、もう充分だろ?いつもので、いけ!」
(では、始めますよ~。あと、〆に『せずにはいられない』霧を、濃い目に散布しま~…)
「「「だめだ~~!!」」」
「ヌ~~!!」
(ギャ―――!?)
*エピローグ*
(あぁ、こんばんは。また来て頂いて、ありがとうございます。)
「やあ、同胞。盛況そうで、何より。」
(毎度、ご贔屓にして頂きまして。)
目の前の同胞が、嬉しそうに頭を下げる。
ここは、彼を始めとした、夢の血族達が経営している…とある施設だ。あの当時は、色々あったが…改善点を打ち合わせし、実家に資金面を都合して貰って…なんとか、ここの設営にこじづけた。
この職種内容自体が、彼らの得意とする所でもあるが…。
(ロナ戦に書いて頂けた事で…リスクも少なく、性的欲求が満たせる娯楽施設、心身に負担も少ない不妊治療施設として、昼の子達に喜んで頂いております。)
そう。純粋に楽しみたいだけなら、ここに待機している夢魔達が、最高のサービスを提供してくれる。
あるいは、夢魔同士となったカップルが、安全にお互いの望むプレイを楽しむ事が出来る。
なにより…
(お蔭様で、お腹のカンビオンと共に、うちの血族になって下さるという夫婦やカップルも、増えてきているのです。ドラルクさんのアドバイスがなければ、思いつきませんでした。)
何より、繁殖能力を持たない代わりに…採取した精液に確実な受精能力を持たせ、相手の女性を確実に妊娠させる能力に、特化した種族なのだ。
だから、サキュバスとなった女性が、夫から精液を採取し、インキュバスとなった夫に受け渡して、再び自分に注入させる。子供は夜の者ではあるが、紛れもなく、愛し合った夫婦の子として生まれて来る。
現在、この施設を通じて、彼らと昼の子達がお互い合意の上で、共存していく道を模索している最中だ。
…何故、そこまで彼らの面倒を見るのかって?それはね…
(ところで、今日はどちらが夢魔になられますか?)
「今回は、私だよ。ねえ、ヒナイチくん?」
「『も』だろう。夢でも、自分で作ったクッキーじゃなきゃ、食べさせてくれないくせに。」
むくれた可愛いハムスター…いや、可愛い女性にキスをする。
あの事件の際、私が結界内で見えていた皆の姿は、『ヒナイチくん』だった。そして、彼女が見えていた皆の姿も『私』だった。
お互い、相手にどんな事をしたいのか…分かってしまった。その後、日を改めて打ち明け合って…今の私達がある。
これも、傍迷惑な同胞のおかげだ。ささやかなお礼だとも。竜の血族の力をもってすれば、なんという事もないのだから。
(今回は、こちらの部屋になります。それでは…)
彼女に腕を貸して、案内された部屋に招き入れる。
見た目はなんの変哲もない、ホテルの一室だ。だが…
(ごゆっくり…夢の時をお過ごし下さいませ。)
同胞の言葉と共に、扉が閉められる。
その瞬間から、この部屋にはピンクの霧が漂って…
「じゃあ、始めようか…私の可愛いお嬢さん。」
「ああ…じゃ、じゃあ。頼む…ぞ。」
期待を滲ませた、翡翠の瞳を覗き込む。
さて、今日のリクエストは…何だろう?
「アハ…嬉しいねえ。すっかり、私に染まってしまって。」
「だ、誰のせいだと!思って…うっ?」
「わ・た・し…それでは、ご期待に応えまして…。」
輝くような白い首筋に、顔を近づける。匂いを嗅いで、舌で嬲りながら、極上の血液が流れている、血管の拍動を堪能して…
「こ、こら!お前、いつまでそうやって…。」
その瞳を潤ませて、急かす君が愛おしい。
もっと焦らして、悶える姿も見ていたいけど…今の私は、夢魔だもの。
愛する人の望みを叶える為の、能力だもの。
「あ…あぐっ!!あんんっ!!」
可愛い期待に応えて…綺麗なそこに、私の牙を突き立てる。
夢から覚めると傷痕も消えてしまうから、遠慮する事なく、くっきりと…私の痕をつけたって、構わない。
「大切な君に、誠心誠意をこめて、じっくりと…い・た・だ・き・ま・す♪」