@kkirnynnyn
窓の外には、朝の気配が漂い始めていた。
薄開いた目でぼんやりと周囲を眺めていたイルカは、背中に感じる確かな温もりにホッと息を漏らす。首だけそっと振り返れば、見慣れた銀色の髪と、布団から剥き出しになった白い肩が視界に入った。
いつもなら朝を迎える前に寝所を去ってしまう恋人が、今日はまだ隣にいる。
ただそれだけのことが嬉しくて、イルカは男を起こさないようにゆっくりと起きあがろうとした。
──が、そこでようやく奇妙な違和感に気がついた。
(……あ、れ……?)
中に、まだ、いる。
確かに昨夜は、行為の最中にあまりの快感で意識を飛ばしてしまった。だけど、今までこんな風に体を繋げたまま眠ることなど一度もない。イルカの同意を取らずにこんなことをする男ではないのだが。
「カカシさん……!」
焦ってその名前を呼べば、背後の男はまるで逃さないと言わんばかりに腰に回った腕の力を強め、密着を深めてきた。
「おはよう……」
耳元にひびく蕩けるような低音に、イルカは背筋を震わせながら声を裏返した。
「……これ、一体どういう状況ですか?」
「え?せんせが『抜かないで』って言うから」
「お、俺がそんなこと言う訳ないだろ!早く抜いてください!」
「言いましたー。カカシさん抜いちゃヤダって、それはそれは可愛く……」
「妄想も大概にしろ!」
「本当だって~」
これからお互いに仕事があるというのに。腰を抱くカカシの腕は驚くほど重い。
それどころか、まだ内側に居座ってるカカシ自身が、急速にその存在感を主張し始めていた。
「……な、んで……っ」
目を大きく見開いてカカシを見つめれば、男は悪びれもせずへらりと笑う。
「まだ時間あるからさ。もっかい、しよ?」
反論する隙も抵抗する猶予も与えられないまま、イルカの唇は塞がれ、カカシと一緒にベッドに沈み込んでしまった。