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彼らの日常

全体公開 TF 3708文字
2026-05-31 18:43:59

リクエストありがとうございました! 「部下に性的に狙われているのに本人は知らない初代メガさん」になります!

彼らの日常

レーザーウェーブの定期報告を聞いている中で、最近の実験の成果物だと送られてきたエネルゴンを見てメガトロンは首を傾げる。

「新しいエネルゴン?」
『はい。従来の液体エネルゴンを固めたものでして、舐め溶かして摂取するのですが時間をかけることにより高濃度のエネルゴンを簡単に摂取でき、更にその間のエネルギー消費も少ないため効率的に補給を行えます。遭難時や緊急時の糧食として開発してみました』
……なるほど」

確かに、話を聞く限りでは非常食として有用だ。しかし……

「少し、その……デカすぎないか?」

送られてきた実物は丸みを帯びた棒状なのだが、口に入れるには少々太すぎる。長さのせいか直立ができずに僅かに弧を描いた形状も、食べにくそうに思えてならないのだが。

『試作につきエネルゴンの圧縮がこのサイズが限度となり……。実際に許可を頂けましたらすぐに改良に取り掛かります』
「そうか。ならばさっそく改良に──」
『良ければ実際にお召し上がりください』
「そ、うだな。……頂こう」

ニコニコと単眼を細めて笑うレーザーウェーブに悪気は見えない。メガトロンに実験を認められて嬉しいと画面越しでもわかるほど舞い上がっている。何よりレーザーウェーブが言うことも最もだ。実際に試してみなければ、本当に実験を続けさせて良いかの判断も付かないだろう。

恐る恐る手に取ったエネルゴン飴とでも言うべき物体は思った以上に重量感がある。ずしりと手に収まったそれの存在感に軽く引きながらもメガトロンはゆっくりとそれに舌を這わせる。

「ん……ぁむ……

この大きさの固形になるほど圧縮したエネルゴンは濃度が高く、何か味を付けているのか仄かな甘さを舌先から伝えてくる。咥内オイルを分泌させるための措置なのだろうが、よく考えられている。口から溢れそうになるオイルを舌に絡め、ぴちゃぴちゃと必死に舐っていると不意にレーザーウェーブから声がかかった。

『是非、先端を咥えてみてください』
「ん、こう、か……? んぐ、ふっ、あ……でかいな……んぅ……

言われるがまま、その大きさに苦戦しながら大口を開け先端を咥え込む。口の中一杯に広がるエネルゴンは魅力的で多幸感すら感じるが、やはり大きすぎる。このままでは窒息してしまいそうだと咥内オイルを飲み下して、時折角度を変えて咥え直す。
溶けて細くなってきた先端に更に口の中に押し込んで、溶けてヌルつく表面に喉奥まで入りそうになって慌てて引き抜く繰り返し。自然と飴を持つ手を前後に動かしてしまう。
溶けて垂れていくエネルゴンに勿体ないと口を離し落ちる前に啜って舐めて、再び先を咥えて……徐々に小さくなっていくが、まだまだ先が長すぎる。
高濃度のエネルゴンにブレインがくらくらと熱を持ち始めてきた。

「むぅ……

疲れてきた顎に一度口を離し、まだ半分以上残っている飴を見てメガトロンは戸惑うことなく、エネルゴン飴の先端に歯を立てて──。

ボキリと音を立てて噛み砕いた。

『はぅっ!?』

画面の向こうで妙な声を上げたレーザーウェーブが何故か前かがみになりながら悶える様子に首を傾げ、口の中の飴をガリゴリと砕いて飲み下す。

「やはりデカいな。せめて一口に収まる大きさにはするべきだろう。それに、濃度が高すぎてこれ一本は多すぎるわい」
『さ、左様で……すぐに、改善を……
「うむ。だが味は悪くない。次の試作を楽しみにしていよう」
『はいっ!』

早速改善してくると言い残し、レーザーウェーブはいそいそと通信を切ってしまった。
真っ暗な画面を見上げて椅子に凭れる。ついでにエネルギーの補給ができたのは良いが、顎が疲れた。残ったエネルゴン飴をどうしようかと手にしていれば、部屋の片隅にコンドルとジャガーを見つけて手招いた。

「なんだ、通信が終わるのを待っておったのか? ほら、こい。お前達も食べるといい」

砕いた欠片を手の平に乗せて差し出せば、二匹は駆け寄ってメガトロンの手からエネルゴンを食べ始めた。

「よしよし。良い子だ」

夢中でエネルゴンを食べる二匹を撫でてやれば気持ちよさそうに喉を鳴らして擦り寄って来る。エネルゴンを食べ終えるとそのままメガトロンの手に顔を擦り付け甘えてくるものだから可愛いものだ。

「はは、こら、やめんか。もう残っておらんわ」

そんなにこのエネルゴンが気に入ったのか、膝に乗り上げたジャガーがメガトロンの頬を舐め回す。よせと言っても止めない様子とくすぐったい戯れにメガトロンも笑いながらつい時間を忘れて構ってしまった。

不意にジャガーが取り上げられて、膝に乗せていた重みが消える。釣られて顔を上げればサウンドウェーブがカセットに戻したジャガーとコンドルを胸に仕舞い込んでいるところだった。
ジャガーとコンドルが居たこともあり、何かあったのかと首を傾げる。

「サウンドウェーブ。どうした?」
「スマナイ。コンドルトジャガーヲ回収ニ来タ」

てっきりサウンドウェーブの使いで来ていたのかと思っていたのだが、珍しいこともあるものだ。二匹を回収したサウンドウェーブは本当に彼らを探していただけだったようで、そそくさと部屋を後にする。

残されたメガトロンは呆然と彼の背を見送って、少しばかり広く感じてしまう部屋の中で仕事に戻った。



「ヨクヤッタ。コンドル、ジャガー」

胸に収めた二匹から得た音声データにサウンドウェーブはマスクの下でほくそ笑む。後はレーザーウェーブにこの音声データと先ほどの通信の録画データの交換交渉を進めておきたいが、あの様子では暫く通信は切っていることだろう。音声データだけでも暫くオカズには困らない。レーザーウェーブが相手ならばほぼ確実に交渉は成功するのだから焦る必要はない。
むしろ心配なのは、今日はまだ姿を見せていないスタースクリーム。妙なことをしでかさなければいいのだが。せめてカセットロンを一機置いていくべきだったかと後悔するが、監視カメラは問題なく作動している。ならばまずはデータのバックアップが先かと足早に自室へ向かうことにした。


──当然、サウンドウェーブが危惧したようにスタースクリームが大人しくしているわけもないのだが。


「メガトロンさまー! いらっしゃいますー?」
……何の用だ、スタースクリーム」

折角集中していたのに。新兵器の設計図制作を一度切り上げ、ずかずかと入り込んで来たスタースクリームにため息を呑みこんだ。

「なんだはないでしょーよ。アンタの可愛い部下が折角労わりに来たってのに」
「お前が? ワシを? 今度は何を企んでおる」
「ひでーや、メガトロン様。まあ実験も兼ねてますが。いやね? 趣味で作ってた兵器の電磁パルスを調整してたら使いモンにならないくらい弱くなっちまいまして。ゴミになったんで捨てようかと思ってたんですが、人間共の家電で似たようなモンがあったなーと。改良したら俺ら用に作り変えれたんでね。試してみません? 電動マッサージ機」
「マッサージ?」

言いながらスタースクリームがその手に持っていた機械を差し出して来る。棒に球体が付いただけの見た目の、どこがマッサージ機だと言うのだろう。そもそも機械生命体にマッサージなど意味があるのだろうか。

「このスイッチ入れると振動しまして、微弱な電磁パルスを送って機体を休めるんでさぁ。結構自信作ですぜ」
「あ、こらやめんかっ!」

物は試しだと座っているメガトロンの後ろに回り込み、止める間もなく肩に押し付け電源を入れる。不意に流れ込んだ電磁パルスに一瞬機体を硬直させたメガトロンだが、徐々に力を抜いていく。蕩けていくオプティックにスタースクリームは口角を吊り上げる。

「ん……まあ、悪くは、ないな……
「でしょ? 振動もパルスも好きな強さに調整もできますよ。こんな風に」
「ぅあっ!? ふっ、ぁ……すたー、すくりーむ……少し強い……
「おっと、失礼。これくらいでどうです?」
「おぉ……いいな、これ……

すっかり気に入って微睡んでいるメガトロンにスタースクリームはニヤける顔を抑えきれず、もう一つ取り付けていたスイッチを入れた。パチリと音を立てて流し込まれたパルスに抗う暇もなくブレインを侵される。

「ぁ……?」
「これ、もう一つ使い方がありまして。今よりもっと気持ち良くなれるんですが……試してみません?」
「ため、す……

チカチカと明滅するオプティック。ぼんやりとスタースクリームを見上げてくる光は朧気で、組み込んだそれが正しく機能していることを確かめる。

「いい子ですねー。それじゃ、お部屋行きましょっか。メガトロン様の部屋でいいですよね?」
「ぅん……

促されるままにふらふらと立ち上がり後をついてくるメガトロンに勝利を確信したスタースクリームは、鼻唄混じりに彼の手を引き指を絡ませた。



※この後監視していたサウンドウェーブが助けてくれました。


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