□陰陽師な修と九尾な二宮。また続きまーす。
@wtkotaji
半年程経った。
二宮は結界の一角に綻びが生じている事に気付いた。
「オサム、ここ見てくれ。なんだか前より弱くなってないか」
「言われてみると、確かに」
「色々試してみてるからな、オサム」
「どれが効いたんだろう」
「どれだけ手当り次第なんだお前たちは」
もう少しだと喜ぶ修達に、解くなら解くでさっさとしろと二宮は思っていた。
そして、封印が完全に消失するのを感じたのは幾日か後の夜明けだった。
靄が晴れるように空気が澄む。
息を軽く吸うだけで緩く枷が解かれ、身体が軽くなるのを感じた。
閉じた眼を開けば、ぽかんと間抜けにこちらを見上げている子供がいた。
「…なんだ」
「いや、その。二宮さんの姿をちゃんと見るのは初めてで」
「……」
二宮の人型は、長身痩躯で見目麗しい容姿をしており、加えて溢れる妖気に威圧感があるので大抵の人は圧倒される。この子供もそれかと思ったが、
「身長、高いんですね」
「……」
全く別な所に気を取られていたようだった。
封印されていたとはいえ、二宮を視認出来ないほど弱い霊力の修に、改めて頭痛がした。よく今までこの界隈にいて命を落とさずにいたものだ。
「解いてから言えと言ったのは俺だからな。不本意だが仕方ない、お前を主と認めてやろう」
「ありがとうございます、二宮さん。でも、それは結構です」
「…なんだと?」
まさかの返答に、二宮は呆気にとられた。
意味がわからなかった。ではなんの為にこの子供は半年もの間通い続けたのか。
「貴方は僕のものではなく、元々東家に仕えていたじゃないですか」
「では何故、お前は封印を解いた」
「? それが東さんからの依頼だったので」
「──わかった」
何か問題があるのだろうかという修に、ふいと二宮は背を向けた。
三ヶ月後。
「おーいオサム、文が来てるぞ」
「ありがとう、空閑」
てってってとやってきて、修に折りたたまれた紙を渡し、肩に乗るようにふわりと遊真が浮き上がる。「何て書かれてるんだ?」覗き込むようにしてくるのに笑いながら差出人を確認した修は目を瞬かせた。
(東さん?)
『やあ、三雲。この間は封印を解いてくれて助かった。あれからまた少し依頼したいことが出来てな。時間が出来たらまた近いうちに顔を出してくれ』
具体的な要件は書かれていない。
丁度他の依頼もなかったので、早速修は身支度を始めた。