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陰陽師パロ【3】

全体公開 二修 1944文字
2026-06-14 20:24:21

□陰陽師な修と九尾な二宮。一先ずおしまいです。

Posted by @wtkotaji

「実はな、あれから二宮が祠から出て来ないんだ」
「確かに封印は解いた筈ですが、まだ何か封があったってことでしょうか」
「それは疑っていない。おれも確認したしな。そうじゃなくて、」
 東は苦笑しながら言った。
「二宮は、不貞腐れて出て来ないだけなんだよ」
 困った奴だと笑っているのは、腕が立つと有名な東家当主である。実力も然ることながら、人格者であり多くの人や式神からも慕われている。霊力が皆無な修も世話になっている人で、時折依頼を回してくれている。
 二宮の件もいい修行にもなるだろうと、時間はいくらかかってもいいからと任せてくれたのだ。
 時間はかなりかかったが、良い結果が報告出来たとほっとしていたのだが。
「つまり、にのみやさんは、やっとオサムの式神になれると思ったのに、実はそれは依頼でそもそも使役する気がないってわかって臍曲げたってことか」
「それはないだろう空閑」
「いや、おれもあの二宮が?って思ったんだけどな」
 東が呼べば、一応顕現するので訊いてみたのだ。
『俺の封印を解いたのはアイツです。今はアイツ以外に従う事は出来ません、すいません』
 失礼しますと律儀に礼をしてまた隠形してしまう。
 二宮に言われたことを思い出しながら東が笑った。
「あそこまで言われたらな、流石に」
「ほう、あのにのみやさんがそこまで言うなんてすごいな。すっかりオサムにめろめろってことか」
「待ってくれ空閑、ぼくはそんなつもりで二宮さんの封印を解いた訳じゃ、」
「わかってるよオサム、でもおれ、にのみやさんの気持ち少しわかるよ」
 ずっと努力し続けていた対象が自分だと思っていたら違っていた。
 その肩すかしのような失望のような喪失感。
 間違いなくあるのは寂寥だろう。
 ふわりと肩から覗き込むように修を見て、ニコリと笑う。
「迎えに行ってあげたら?」
「オレからも頼むよ、三雲」
「~~~、わかりました。聞くだけ、聞いてみます」
 諦めたように、修は嘆息した。

 
 *
 
 
―――遅い」
すいません?」
 近付いただけで呼ばずとも二宮は直ぐに姿を見せた。出会った時よりも不機嫌そうだが、これで本当に主従を望まれているのか甚だ疑問だった。
 じっと見つめてくるので弱ったように修が言う。
「二宮さん、ぼくは半人前で、」
「知っている」
「霊力も少ないですし」
「俺がカバーしてやる」
「九尾である二宮さんを使役出来るような器じゃ、」
「三雲、俺は。お前を選んだんだ」
………
「なのにお前は俺を拒むのか」
 全ての言葉に被せるように二宮が言い、最終的にはじっと見つめられ、修は降参したように天を仰いだ。
(なんでこんなことになったんだ)
 修はただ自分に出来る限り、人助けをしたいだけだ。手に余るような力は望んでいない。何故なら今は使いこなす実力がないから。
でもいつ必要になるかわからないし、協力して貰えるに越したことはないか)
 二宮本人が良いならいいかと、修は深く考えるのはやめた。使えるものは使う主義とまではいかないが、修は元々能力を伸ばす為に手段はあまり選ばない方だった。
「いいえ、こんなぼくでもよければ、一緒に戦って欲しいです」
「──いいだろう、お前を主と認め、」
 そうとは知らない二宮が、頷こうとした時だった。ひょいと遊真が顔を出した。
「オサム、まだか?」
「空閑、もう少し待ってくれ。まだ二宮さんと話が終わっていないんだ」
……おい、三雲」
「あ、すいません二宮さん。話の途中で」
「違う、それじゃねぇ」
「はい?」
「なんだその式神の数は」
 二宮の視線の先。修の背後には、信じられないことに数多の式神がいた。以前はいなかった筈だ。軽く20はいるのではないだろうか。しかもどれも格が高い。
 呆気にとられている二宮に、あぁと何でもないように修が言う。
「二宮さんの封印を解く為に徳を積んだ結果、何故かこんなに増えまして。今迄は隠形して貰ったりしていたんですが、今日は二宮さんにも紹介しようとしていたので」
………
 
 数秒後、「この人たらしが!」という二宮の怒声が響いた。



 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
「犬養、辻。なんでお前達まで使役されてんだ」
「いやあ、なんだか三雲くんの傍が居心地よくって」
「犬を拾ってくる気安さで式神を連れ帰るのはやめろ三雲」
「はぁ。でも付いて来るので」
「特に太刀川の野郎は拾ってくるな」
「いや太刀川さんは使役はしてないです、ただお腹が空いていたようなので」
「 二 度 と 拾 っ て く る な 」
 散らばったきな粉をいらいらと箒で集めつつ、二宮は念押しした。


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