ハンニバル×最終皇帝女が軸で、エンリケ視点多めです。
2026年6月、ロマサガRS(リユニ)で「ロマンシングブライド」なるガチャが開催されたことから
ジューンブライドに寄せて。
いつもの帝国暦2697年、私のPS5版最終パーティー(1周目)のお話。
タイトルはポルトガル語で「6月の花嫁」の意味になる、はずです。
@e_milli0327
帝国暦2697年。
氷海にて最後の決戦に挑まんとするバレンヌ帝国の皇帝一行は、モーベルムに立ち寄っていた。
この日、街の一角には人だかりができていた。
平服ではなく、華やかなスーツやドレスに身を包んだ若い男女が目立つ。
そして人だかりの中央から、一組の男女が姿を現した。
男性は白いタキシードに身を包み、胸に赤いバラを指している。
女性はフリルのあしらわれた純白のドレスと、薄いレースのヴェールを纏っている。
人々は「おめでとう!!」という祝いの言葉とともに、手に持った花びらを舞わせて男女を祝福した。
偶然、人だかりの前を通りかかった一行。
その光景を見たアメジストが、隣にいるエンリケに話しかけた。
「結婚式、ですか」
「ああ。この時期、モーベルムで挙げる連中が多いな」
「ミラマーでも多かった気がします。海沿いや川沿いは景色が良くて、人気なのでしょうね」
「オレたちとしては、間接的に儲かるから歓迎ではあるがな」
「なるほど、物の流れが増えるというわけですね」
「なんなら船を貸してくれって話もあるな。最近は豪華になったもんだぜ」
エンリケの隣にいたハクヤクを交え、結婚式に関するさまざまな会話が繰り広げられるなか。
「……」
エンリケたちの一、二歩後ろにいた皇帝は、黙り込んでいた。
宮殿で皇帝としての作法や礼儀を教えられてきた彼女は、愛し合う者同士の結婚式に密かに憧れていた。
いまはインペリアルガードのハンニバルと想いを通わせ、こうして共にいることもできるが。
旅が終われば、どうなるかわからない。
文官や貴族たちの言いなりとなり、決まった相手と添い遂げることになるかもしれない。
だが、自分は……
その沈黙を破ったのは、彼女の隣にいたハンニバルだった。
「この戦いが終わったら……そして、すべてが落ち着いたら。どこでもいい、私たちの式を挙げましょうか」
「えっ」
彼の言葉に驚く皇帝。
それを聞いたエンリケは、普段ならば真っ先に「お、プロポーズか?」と冷やかすところで、言葉を飲み込んだ。
ハンニバルから先に相談を受けていたからだ。
そして『陛下がどんな判断を下すかはわからねえが、お前は絶対に陛下の手を離すな』と伝えていた。
ハンニバルは決断したのだろう。この先、どんな権力や圧力とも戦っていくと。
負けんなよ、と心で呟き、エンリケはニヤリと微笑んだ。
「それは名案ですね。エンリケ殿なら素敵なドレスを探してきてくれるでしょう」
「オレは物流の方が専門で、卸の商人じゃねえんだが。ま、顔は利くから任せときな」
「ウエディングメイクはぜひ!私にさせてください!!」
「お、お前たち」
ハクヤクとアメジストも賛同し、エンリケを巻き込んで、再び話が盛り上がっていく。
皇帝は戸惑いながらも、三人の様子を見守るしかなかった。
「負けられない、理由ができたな」
「……ありがとう、ハンニバル」
話が弾むなか、ハンニバルは皇帝を見て、静かに微笑んだ。
皇帝は静かに、彼の手を握った。
*****
<余談>
元ネタは⚓への超個人的妄想だったんですが、最終パーティー用にアレンジしました。
タキシードなんて着られた日にはもう、どうしたらいいですか🌊(脱線)