短くてほのぼのしたラブコメ
@fu_re_re_ra
灼熱の陽射しが照らす、真夏の酷暑の中で。
放っておくと危なっかしいから
このくらい普通だろ
見てりゃ分かる
と言わんばかりに小言を添えながら。
護衛の肥前は、日常的で当たり前な顔をして
いかにも脇差らしく、細かく世話を焼いた。
おら、スポドリ。塩タブレットも取れよ。
ほら、日焼け止め塗り直せ。ひりひりして後で泣き見ても助けねーからな
あ、おいバカ、自分から焼けに行く奴があるか。てめーは木陰にいろ。今取ってきてやっから。
おい、夏だからって油断して体冷やすと夏風邪かかんぞ
てめーは冷房に弱いんだからこれ羽織っとけ
「ふふ、ふふふ」
「? なに笑ってんだよ」
「くすぐったくて。ひーちゃんが大事にしてくれるから」
面映そうにくすくすとはにかんで
無邪気な彼女は、自分の胸に聞くように目を閉じて手を当てた。
「ふふ、ふふふ。胸がほこほこする。朝尊せんせー、だから毎日楽しいんだね」
「あ?…??」
と肥前は処理が追いつかない顔をした。
「は? ……なんでそういう話になる?」
「だって、ひーちゃんと会ってちょっとのわたしでもこんなにくすぐったいのに」
くすくすと幸せそうだった無邪気な笑みがパッと振り返って、肥前を見上げてにぱっと輝く。
「朝尊せんせーは、何年も何年も、うーーんとずっと、大好きなひーちゃんの『くすぐったい』を受けてきたんでしょう?
そんなの、毎日幸せになっちゃうね」
だって、ほんとのほんとにそう思うんだもん、と言わんばかりの、飾り気の無い満面の笑みが、夏の向日葵みたいに咲く。
真夏の照り返しより眩しい笑みの直撃を喰らって
うぐぐ、と肥前は言葉に詰まった。
「……どうでもいい話してねぇで行くぞ」
と強引に会話を終わらせようとする。
ぶっきらぼうに無理やり話を切るが、耳が赤い。
ぐいっと一見乱暴に腕を引くのに
引かれた腕がちっとも痛くないから
また嬉しくなってしまう。
ぎゅ、と掴んだ指は、振り解かれない。
「えへへ、ひーちゃんの指、熱いなあ」
「……てめーのせいだろうが!!!!」