キンプリがなんでこんなに面白いのか

@givemegohan
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2016-02-03 21:00:03

ギャグの説明を始める芸人ほどつまらないものは無いとは知っているものの、書かずにはいられないのでキンプリのギャグを説明することにします。
もちろん全面的にネタバレなので、一度は本編を見たあとでないと読んでも意味がわかりませんからね。

まず笑いの方向性を言ってしまうと、キンプリを面白いと感じる理由は「登場人物がみんな大真面目だから」です。
ケツからハチミツを出すコウジも、剣を腹筋で受け止めるアレクも、スケート靴履いてるのに小走りで電車を追いかけるヒロも、誰もかれも「俺いまオモシロいな!」と思っているわけではありませんね。
視聴者は「キャラクターの真面目さ」と「行動のヘンテコさ」のギャップを受けて笑ってしまうわけです。
笑いというのは基本的に「予測と違う行動が起きた」ときに生まれます。
キンプリのキャラクターが見せる行動はプリティーリズムにドップリ嵌ったプリズムエリートですら全く予測不可能なので、常に予測が外れ続けて笑い続けてしまうのです。

しかしキンプリはそこにとどまりません。
視聴者に素直に笑ってもらうために様々な配慮がされています。
中でも最たるものは映画の構成です。
ストーリーラインは王道一直線なキンプリですが、劇中での時間はあえてシャッフルして作られています。
時間のシャッフルは一般的に謎の提示や回収のために用いられますが、キンプリではその用途があるとは思えません。
ではなぜ時間が乱れているのか。
映画の開幕直後にプリズムショーを見せて、視聴者に「何を楽しむ映画か」を理解させるためです。
開幕でいきなりプリズム☆アフレコを見せることで新規層に対して「プリティーリズムシリーズとは何か」を見せると同時に、プリズムエリートに対して「今回の映画は既存とは段違いだぞ」というアピールをしているのです。
これを受けた視聴者はもはや細かなストーリーや設定について深く考えるのを諦め、「あぁ、キンプリは浴びるように楽しめばいいのか」と理解します。
そうなればあとは菱田監督の思う壺。我々はもはや監督の掌の上で思い通りに笑わされるしかないのです。
笑い疲れないうちに日常パートへと移り、のぼせた頭でも分かりやすい王道ストーリーを見せられ、また異常なプリズムショーを見せられます。
日常パートでもキャラクター達は意味不明な、しかし彼らなりに理由のある行動を取り続けることで、キンプリのベースラインを落としません。
「笑いの大当たり」と共に「笑いの小当たり」を出し続けることは作品の雰囲気作りのために重要です。
最終的に開幕では魅せられる側だったシンがラストでは魅せる側に立つことで王道ストーリーは完結し、映画としての義務を終えます。
その後はもはややりたい放題。良いラストだと思ったシーンが一転グロリアスシュワルツ。EDが流れてやっと解放されると思いきやルヰのPRIDE。
怒涛のように「予測を外す」ことで視聴者に完全なギャグアニメとしての印象を植え付けることで、「キンプリは異常に面白い」と思わせることができるのです。

…と、解説してみたところで自分でこんな作品作れるかというと、そんなことできるわけもなく。
いやぁ、菱田監督ってすごいね。


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