@satomi8429
初のプライベッターさん投稿。暗い。
***
数年ぶりに故郷の土を踏んだ。
同じなのは恐らく土だけだ。
目に映るものは何もかもが変わっていた。
吐くかと思っていたが吐くことはなかった。
ただ、わけもなく涙が出た。
なんで泣いているのかわからなかった。
否。
涙のわけは、わからないことそのものだ。
変わってしまったのかどうかもわからないこと。
もとはどうだった?俺の家は?彼女の家は?
木登りした樹、釣をした川。
父の顔、母の顔。
妹の、彼女の、親友の――。
覚えていない。
忘れていく。忘れてしまう。消えてしまう。
あんなに大事だったのに。
あんなに大事だったのに。
あんなに。
このてのひらには何も残っていない。
もう。思い出さえも。