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カーテンの向こう

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2016-03-26 19:37:19

★Twitterで投票で進む物語。
★今さらですが「マテーラをやっつけろ」の直後の話で、続きです。

 何か白いものがゆらゆら揺れている。
 それが最初に視界に入ってきたものだった。何だろうと目を凝らせば、それが白いカーテンであることが分かる。隙間から見える窓の外は暗闇だ。
 今は夜なのか。
 視線の主は、ほうと息を吐いた。
 次に分かったのは自分がベッドに寝かされていたことだ。照明は暗く落とされ、温かくも寒くもない。身体を動かそうとして身体の奥にズキリと痛みが走る。う……、と呻くものの起き上がれないほどではない。
 シーツをそっと除けて、起き上がった。
 自分の身体を見る。淡いグリーンの病衣を着せられていた。
 ああ、そうか。刺されたんだっけ──。
 エドウィン・コートダイクは他人事のように思い出し、顔にかかった髪の毛を耳にかけた。となれば、ここは病院だろう。室内に視線を巡らせながら顎から頬に手をやれば、短く伸びた髭がごわついた触感をもたらした。
 顔をしかめるエドウィン。
 無精髭だ。この自分が髭を生やしているなんて。有り得ない。
 誰かが定期的に剃ってくれてはいるのだろうが、こんなみっともない姿でいるわけにはいかない。
 さらにシーツを跳ね除けた時、倒れる前のことが脳裏をよぎった。あの、イタリアのマテーラでのことだ。崩れ落ちる教会、煌めく雪色の剣。折れた傘、悲鳴、彼女の碧の瞳。遠ざかっていく赤い髪。
 そして──鮮血にまみれた男の手。
 にや、とエドウィンは笑った。
 ひとつ嘆息すると彼はゆっくりと立ち上がった。腕から施された点滴が栄養剤の類と見てとるや、テープをはがして引き抜いた。ぷっくりと見えた血は赤く、傷口は彼が手を触れれば瞬く間に止血されてしまった。
 ベッドの脇にあった棚を開き、ガウンを見つけて羽織ってみる。
 鏡は無いかと辺りを見回し、ふと窓に目をやった。外に広がる暗闇が、こちらからの光を映していた。つまり──窓が鏡となって、エドウィンの姿を映していたのだった。
 どれだけ髭が生えてしまったのか。顔を近づけようとして、彼の口から短い悲鳴のような声が漏れた。
 暗闇の中に、女が立っていたからだ。
 ウェーブをかけた黒髪の、病衣の上にガウンを羽織った女の姿が、窓に映っていたのだ。慌ててエドウィンは自分の姿恰好に目を落とした。同じ服装だが、顔を触れば無精髭の手触りがある。
 はっ、と視線を窓に戻した。カーテンを掴んで乱暴に開く。
 そこにあったのは、汚らしく髭を生やした男の姿だった。エドウィン・コートダイク。自分の姿だ。世界を変えることができると夢見て、魔術に溺れ周囲のものを飲み込み、そして全てを失った男だ。
 今、一瞬見えたものは。あの姿は。
 エドウィンの伸ばした手が、冷たいガラスに触れた。あれは、自分が失ったものの中でも最も大切で、最も大きな部分を占めていた、あの──。
 確かな心当たりがあった。
 彼はカーテンを閉め、部屋を後にした。


 * * *

(続く)
↓↓↓


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ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-27 14:36:47
@magussoul_F 【投票型ミニ小説始めます1】
「エドウィンがいなくなった?」
ルディは驚いて執事の顔を見た。手にはハンバーガーが入った袋がある。眠ったままの彼の主人が食べるかもしれないと買ってきたものだった。
エドウィンはマテーラで負傷し、ロンドンへと運ばれた。
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-27 14:39:29
@magussoul_F 【投票型ミニ小説始めます2】
MI5の関連病院だ。治療を施され、彼の容体は安定していた。なのにエドウィンは7日も眠り続けたままだった。
ルディは問う「自分でどこかに行ったの?」「拉致された形跡は有りません」
執事は、手分けして探そうと言った。
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-27 15:31:46
@magussoul_F 【投票型ミニ小説★トリセツ】
(さてあなたはルディ・サーベラスとなってエドウィンを探すことになりました)
(どなたでも投票でき、投票数の多い選択肢にそって、物語が進みます)
(4回正解したらゴールです。正解しないとバテて気を失いゲームオーバーです)
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-27 15:48:32
@magussoul_F 【投票型ミニ小説3】http://privatter.net/p/1429176
時刻は夜の10時だ。ルディはエドウィンの消えた病室へ足を踏み入れる。そこはもぬけの殻だった。
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-27 15:48:48
最初の選択肢
・まずは犬に変身し匂いをたどる
・体力を温存するため、足で探す
・なんか食うものがないかタンスを探す
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-28 12:35:13
@magussoul_F 【投票型ミニ小説4】http://privatter.net/p/1429176
ルディの世界が変わり、彼の衣服が足元に落ちる。残ったのは犬に姿を変えた彼の姿だ。くんくん。ルディはすぐに気づく。血の匂いがする……!(続く)
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-28 12:35:24
@magussoul_F 【投票型ミニ小説5】http://privatter.net/p/1429176
ルディは洗面台へたどり着く。ここからエドウィンの血の匂いがする。彼はここで少しではない血を流した。どう思う?
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-28 12:35:56
★二番目の選択肢
・ヒゲ剃りに失敗したんじゃない?
・誰かに襲われたと思う
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-29 06:50:46
@magussoul_F 【投票型ミニ小説6】http://privatter.net/p/1429176
血の匂い!エドウィンは襲われたに違いない!ルディは小さな身体を躍らせ飛び出した。暗い廊下は全く人の気配がしない。どう探したものかと思った時、彼は人の視線を感じた。
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-29 06:51:03
@magussoul_F 【投票型ミニ小説7】http://privatter.net/p/1429176
誰もいない廊下に立ち尽くす、犬のルディ。誰かが自分を見ている──!
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-29 06:51:47
★3番目の選択肢
・とにかく逃げる
・無視。エドウィンの匂いを追う
・反撃だ!怪しい匂いを追う
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-30 21:50:33
@magussoul_F 【投票型ミニ小説8】
誰かの視線に恐怖を感じつつも、今はエドウィンを探すことにした。ルディが廊下をタッと駆けだすと同時に、背後で気配が動いた。「待ちな!」振り返る。そこには腕組みをした大きな影が立っていた。
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-30 21:50:55
@magussoul_F 【投票型ミニ小説9】
看護婦のようだ。夜回りをしていたのかもしれないが、その両椀の筋肉と言ったら!ルディは震えながらその場から逃げ出した。あんなのに、かなうわけがない。
さて。……あれ? 身体に力が入らない。
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-30 21:51:18
@magussoul_F 【投票型ミニ小説10】
ルディの腹がグゥと鳴った。お腹がすいてきて目眩がしてきた。早く何かを食べないと、動けなくなってしまう。(最後の選択肢です)
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-03-30 21:51:37
★最後の選択
我慢する! エドウィン探す
部屋に戻りハンバーガーを食べる
調理室的なものを探す
ふゆしろカナエ @kanafuyu 2016-04-02 06:55:55
@magussoul_F 【投票型ミニ小説11】
ルディは簡単に調理室を見つけた。彼が包装されたハムにかぶりつこうとした時、その尻尾を誰かが掴んだ。「捕まえた。犬っコロなんか連れ込んで」それは、あの逞しい看護婦だった。【終了/失敗】

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