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バブ班SS*デート

くろひつじ@執行済
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2016-04-25 01:09:25

これただの少女漫画だわ…っていうレベルの甘さです。

お店に行けば、大抵会うことが出来る。
でもお店以外の場所で待ち合わせるというのは、いよいよもってただの店員と客以上の関係である。
ーー本当に、いいんだろうか。
昨夜はぐるぐるとアレコレ考えて、全く眠れなかった。向こうから誘ってきたのだから良いに違いないと無理矢理自分を納得させた。
一松は待ち合わせ場所で、分かりやすいように人混み外れた場所に立っていた。
持っている服で上等なものとなると、随分昔に買ったスーツになってしまう。それでは流石にまずかろうと、昨日慌てて買いに行った。
服屋で店員に話しかけられるのは好きじゃないタイプだが、この時ばかりは背に腹はかえられぬと、店員に見立ててもらった。最初は明るい色ばかり勧めてこられて、オーラが暗いからか…と若干自虐的に思ったものだが、最終的には落ち着いた色合いのものでまとめてもらい、なんとかそれらしくなったと思う。
ーー遅いなぁ。
待ち合わせ時間よりもかなり前からその場にいるので、余計にそう感じる。それこそ自業自得であるのだが。
そして。
「はーんちょーさん!」
金髪のポニーテールに、シンプルでゆったりした白っぽい長めのトップス、ピッタリしたジーンズと少し低めの黒いヒール。心なしかメイクは薄めーーとはいえ、お店で普段みるメイクはかなり厚いので一般的な視点だと少し濃いくらいのもので、渋谷系ギャルな雰囲気ではあるが、いつもよりかなりカジュアルな姿のバブエに、一松はより緊張してしまった。
「バブエ、さん?」
「うん!班長さんに合わせてカジュアルにしてみたんだぁ、どう?どう?」
トップスの裾をつまんで広げてみせる。その様子に可愛い以外の言葉が出てこなくて、一松はあうあうと、口をパクパクさせた。
「班長さん?」
おや?という様子で首を傾げるバブエに、一松はハッとして気を取り直す。いかん、見惚れている場合ではない。これから始まるのはデートなのだ。
「いや、ごめん、その」
「?」
「か、可愛い、です……」
「わーい嬉しい!ありがとぉ!」
一松の言葉に、バブエはにっこりしつつも少しはにかんだ笑顔を見せた。
おかしい、普通に可愛い。待ってくれ、中身は男なんだぞ。
「えへへ。全然着る服決まんなくて、弟に決めて貰ったんだぁ。よかった!」
少し照れたように言う様子が可愛くて、なんだか嬉しい。
「班長さんのその格好も、すごく良いね!なんか新鮮!」
「う、うん。着る服なくて、昨日慌てて買いに行ったんだ。全然決まんなくて、店員さんに決めてもらって……その、変、かな?」
顔が赤い。着る服がなかったとか店員さんに相談したとか、言わない方が良かっただろうか。そんな風に、言ったそばから後悔してしまう。
そんな気持ちをよそに、バブエは目をまんまるくしてこちらを見つめて、
「すっごく可愛い!」
と、それはそれはとても嬉しそうに笑う。
ーーかっこいい、じゃないんだな。
ちょっと残念な気もするけれど、こんな自分のためなんかに悩んだというアンタの方が可愛いよ、なんて、そんな事を思うくらいには好きになってしまっているのだ。
「どうするー?班長さんお腹空いてる?先にごはんでも食べよっか?」
そう言いながらバブエがするりと腕を組んできた。そして、ああそうだ、とこちらを見て、
「……ねぇデートだし、一松さん、とかって呼んだ方がいいかな?」
少し照れながら、笑ってそんな事を言うものだから、鈍器で頭を思い切り殴られて心臓をひと突きされたかと思うくらい衝撃的で、一瞬だけ息が止まった。
間違ってはいけない、相手は男だよ、オトコ!……いや、でもさ、
ーー……くそ可愛い!
ああ、本当に殺されそうだ。……それでもいいか。


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