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「誰が為に鎖は鳴る」完成版

Public 10 20571
2016-06-10 23:00:48
Posted by @wasurenayo

「誰が為に鎖は鳴る」



【あらすじ】
探索者は友人と一緒にとあるバスツアーに参加することになる。都会から離れてひと時の安らぎを……と、思っていた矢先に凄惨な殺人事件が起きる。さて、犯人は何者だ?犯人を捕まえない限り、この宿に平穏は訪れず探索者にも平穏は訪れないだろう……



【真相】
犯人は探索者である、探索者自身が連続殺人の犯人である。魔術師の魔術によって洗脳され、夜な夜な殺人を犯している。PLとしてもPCとしても無意識無自覚の殺人とは言え、その痕跡や探索者自身がおかしいと分かる部分は随所に散りばめられている。その事に気づけるか否かが、このシナリオを生還するための条件だ。



【シナリオ概要】
クローズド系ソロシナリオ。
このシナリオでは探索者自身が殺人を犯す犯人役となるので、ほぼ確定で探索者自身の手を殺人に汚させる。回す相手は選んだほうがいいかもしれない。どのENDも非常に後味の悪い終わり方なので。
推奨技能は【目星】そして最重要技能は【アイデア】
事前に、INT高めの方がいいと告知しておいた方がいいだろう。





【PCに対する描写への重要事項】

・適宜、理由をつけてPCにアイデアを振ってもらい、成功したら探索を攪乱、あるいはとにかく自身に疑いを向けさせないような発想をさせる。

・心理学持ちの場合、PCを疑っているNPCに対しては成功した場合「自分に罪をなすりつけようとしているのでは、こいつが犯人なのでは」と言ったようにさりげなく描写。その後、お助けNPCが「PCを疑ってはいるけれど悪意や敵意は無い」という事をヒントとしてさりげなく喋らせてあげるとグッド。

・基本的に屋上の苗木を壊すなど儀式の妨害となりうることはできない。この洗脳は儀式を遂行するための洗脳なのだから。

・第一の殺人後のアイデアによる描写は、なるべく余裕が無くなってる感を醸し出して何かがおかしいという事を悟らせるように描写をする。

・狂信者たる魔術師の意思や知識を植えつけられてる状態なので、SANチェックが本来ある場所で無い、あるいは低いところがある。場合によってはその辺を強調するとヒントになる。NPCのSANチェックと対比させる。

・アイデアにしろ心理学にしろ、クリティカルを出した場合はさり気なく正気の状態での分析情報を渡す。

・疑いを自分から逸らそうとするような技能による描写は、洗脳で無理やり認識を捻じ曲げているせい。しかし、無理に捻じ曲げているせいで精神的負荷が大きい。なので、殺人が起きてからは4回ごとにアイデアや心理学による認識の捻じ曲げが起きたらSANチェックしてください。「猜疑の視線を浴びている精神的疲弊」という名目で初回は1/1D3、次からは1/1D5のSANチェックを。難易度を下げる場合この頻度や減少値を少なくしてください。




【登場人物】


「犯人となる探索者」
不幸にも魔術師により無意識のうちに殺人を犯す事になってしまった不幸な探索者。PLは当然殺した意識も無いし、PCも明確に殺したという自覚は無い。ただし、PCは特定技能を振る度に無意識下に植えつけられてしまった殺人を隠すような発想をすることになる。
積極的にアイデアを理由つけて降らせて、余計なことをPCに思いつかせよう。



「ドライブインのマッサージ師」
全ての元凶であり魔術師。マッサージは同性の人がやる事が多いと聞いたので、なるべく探索者と同性にしてください。
早い話が、殺し合いをさせて儀式をしようと考えていたが普通のクローズドよろしく自分も参加者として入るのは危険かも知れないと考え、この方法をとったなかなかあくどいやつ。
「俺はクローズドをやる魔術師のよくある典型的な失敗など絶対しないぞ!!!」
山奥の館そのものが巨大な儀式の舞台のようなものに改装してあり、後はこいつ本人が居なくても殺し合いが完遂されれば儀式が完遂するという仕掛けを生み出した。
シナリオ内ではこいつを倒す事は出来ない(クローズド内に居ないから)……が、シナリオクリア特典にこいつが絡んでいるという事を教えてあげて後は探索者に任せてもいいかもしれない。
偽名として「渡辺光樹(女性ならば わたなべ みつき、男性ならば わたなべ こうき)」という名前を使っている。


「NPCたち」
NPC共通事項としては、NPCにもしっかりSANチェックはさせてください。ところどころNPCのみSANチェックが大きかったりするなどの部分があります。そこがヒントになるので、NPCにもSANチェックはさせるルールでお願いします。

萩原 真理(はぎわら まり)(NPC1)と日下部 要(くさかべ かなめ)(NPC2):館の管理をしているこのツアーのために雇われたメイドさんと執事さん。メイドさんは元料理人なようで料理がうまくて、執事さんは元ボディガードでSTRとSIZお化け。もう両方18で武道とか持ってるっていうこと教えちゃってもいいです。最初に殺される役。
まだ生きている一日目ならば、このミステリーツアーの主催者が誰なのかを聞く事ができる。しかし、一応知ってはいるもののミステリーツアーなので教える事はできないと言われる。
セリフ例「いやあ、ミステリーツアーなのでミステリーっぽくするために主催者は明かすなと言われておりまして……でも、私どもも直接会ってはいないので顔は知らなくて、案外このツアーに紛れ込んで後で驚かそうとしたりしてるのかもしれませんね」

矢板 なぎさ(やさか なぎさ)(NPC3)と御船 真弘(みふね まひろ)(NPC4):ラブラブバカップルだ。彼女の方(NPC3)が運良く、もとい運悪くPCが犯人であると気づいてしまう。なお、メンタルはそこまで強くないので錯乱気味。割と的確な事を言っているのだが、錯乱状態にして多少信ぴょう性を落とした方が難易度が上がる。

敷島 光(しきしま みつる)(NPC5):ある意味では探偵役的なNPC。冷静だが、完全にPCを疑って掛かっている。ミスリード要因にしたいのなら、褐色肌で黒い服の高APPとかにでもしたらいいかもしれない。

鬱金 香(うつがね かおる、女ならかおり)(NPC6):お助けNPC。黄色い服がトレードマークの、探索者と一緒に来た友人。探索者と一緒に協力して探索しようとしてくれて、このNPCの証言と探索者自身の視界の描写の乖離が一つのヒントになる。民俗学者とか小説家なんかだと、七人御鎖木伝説のヒント出しやすくてもいいかもしれない。なるべく探索は一緒にやれるように、ウザったいくらいにPCに好意を示しついてくるくらいでちょうどいいかもしれない。風呂場イベントを起こすために必ずPCと同性のNPCにしてください。
技能の振り方はKPがそれぞれ決めてください。PCの技能に穴があるのならそれを埋める形で。
名前の元ネタは鬱金香(うっこんこう)つまりチューリップで、黄色いチューリップの花言葉には「正直」があります。他にも、黄色いチューリップには代表的な花言葉として「望みのない愛」といものがあるのですが、PCに対して片思い的な設定つけてもいいかもしれません。テストプレイではそれっぽくなりました。




【登場する神話生物】


「蠢く木の神」
下級の異形の神(オリジナル)。黒幕の魔術師の信仰する神。零細な神だが、洗脳魔術など中々きわどい魔術を授ける。比較的温厚で自身の信者や神官には温情をかけたり庇護を与える。恐怖と血潮を養分に生きる吸血樹のような神。殺人の時に必ず血が出るような殺され方をしているのは、木に血を吸わせるため。PCがあんな夢を見たのは、洗脳状態で七人御鎖木の神官役を行っていたため自分の信者と思い交流を図ろうとしたため。
屋上の苗木の正体は、儀式完遂後に蠢く木の神が降りてくるための寄り代。



【蠢く木の神の萌芽】
落し子のようなもの。広間の生け花の正体。MPか術者の生き血で使役ができる。知能は低く命令された事以外は中々できないが、STRは強い。STRが高いというのと、普通に戦えばまず負けるという条件が満たされていれば他のステータスはご自由にどうぞ。吸血という技能を持っていて回復と攻撃を同時にできる。
実は魔術師が設置したもので、PCは一時的にその操縦権をMPや血を使い借りてるにすぎない。なので、NORMALでPCが倒されたりしたら魔術師の元へ帰る。
一応燃やせば倒せる。



【呪文】


「意思の種」
洗脳の呪文。マッサージ師に扮した魔術師がPCに植え付けた呪文。それは術者の意思や知啓、そして命令を無意識の下に植え付ける。これのおかげで、洗脳状態のPCは魔術の使い方を植えつけられてるので魔術を扱える。
この魔術は対象が植えつけられているのに気づいた場合、効果を失くし種を吐いてしまう。なので、この種はなるべくPCが犯人であるとPC自身が気づかないように他人に疑いを向けさせようとさせる。そのせいで、アイデアなどの描写がおかしくなっている。
儀式の邪魔になるような行動は基本的にこの魔術のせいでPCはできない(例えば苗木を壊したり)、なので余程の事をしない限りはシナリオ崩壊にならない……はず。
TRUEENDでいくつかの魔術が頭に残るのは、一種の後遺症のようなもの。



「記憶消去の呪文」
TRUEENDにて獲得できる呪文。一定の期間の記憶をぬぐい去れる。対象が極限の緊張状態あるいは恐怖状態などの大きな精神的動揺のある状態でないと使用ができない。ラストで使う場合は、四人殺した殺人鬼が目の前に居るという緊張状態が続いていたのでNPC二人には使える。この呪文を覚えたPCを継続させて別のシナリオで使う場合、その事をPLに教えておいてください。消費MPは、鍵をかけ記憶を封じ込めるだけなら消費なし、完全に白紙にするかのように記憶を抹消するのなら1D8+2のMPとSANを支払う。

「穢れの誤魔化し」
TRUEENDにて獲得できる呪文。自分についた汚れなどを誤魔化すことのできる呪文。PLがもし、殺人後に返り血や土の汚れが自分についてないか?と聞いてきた場合、「綺麗すぎるくらいに綺麗だ、不自然なほどに」と答える。この呪文のおかげだ。この呪文で、殺人の際についた汚れをごまかしている。消費MPは誤魔化す汚れの程度による。多少の返り血や泥汚れ程度ならMP無しでもいい。
この呪文は自分が認識できる汚れしか誤魔化せない。逆に言えば、PCが見落とした汚れについては誤魔化せない。
PLが早々に真相にたどり着きそうならば前述した綺麗すぎるほどに綺麗だと答えておき、ヒントの一つでも出したほうが良い流れならばなんらかの技能を振り誤魔化しそこねた自分についた汚れを発見してもいい。

「邪仙の手」
TRUEENDにて獲得できる呪文。いわゆる壁抜けの呪文。この呪文があったから、鍵がかかっている個室だろうが入り込んで殺害することができた。1+1D2のMP消費。ただし、魔術的処理の施してある場所には使えない。



ただし、これらのTRUEENDで獲得できる三つの呪文はPCにとっては忌まわしき記憶である四人殺しの記憶と密接に絡まっている呪文である。もし、PCを継続させこれらの呪文を別のシナリオで使う場合、殺人の記憶がぶりかえり1D5/1D7+1のSANチェック。SANチェックに失敗した場合当然使用はできない。もし、このSANチェックで発狂してしまった場合確定で他殺発狂になる。






【導入】
PCとNPC一行は、山奥の館にとあるミステリーバスツアーで招かれる事になる。なぜバスツアーに参加したかはKPが各自適当に理由をつけて欲しい。NPC6が誘ったなどが一番やりやすいだろう。

必須の描写としては、途中送迎のバスが止まりお疲れだろうだからとドライブインみたいな場所でマッサージを全員に受けさせる。ここで魔術師がPCに洗脳の魔術をかける。その際、うとうとと眠っているあるいは眠りかけている描写を入れる。このあたりは、難易度をあげるならサラッとさりげなく描写したり他の行動の描写も一緒にしたり、難易度を下げたいのならPCに何かされたのかも?という疑惑を持たせるために怪しげな描写を入れるといいかもしれない。あと、さらっと七人御鎖木のことをほのめかすようなことを言わせたりすると導入らしくなるはずだ。
更に、さりげなくマッサージ師を同僚に「なべちゃん」と呼ばせること。マッサージ師が渡辺であることの伏線。

例「あなたはマッサージ師に服をまくられて身体を入念にマッサージされました。でも、なんか手つきがいやらしいし変なところ触ってくると感じました。セクハラかな?マッサージしながらもマッサージ師からはこの地域には変わった伝承があるだとか色々話しかけてくれましたが、手つきが気になって集中できません。」

館到着後はNPC1と2に館の案内をさせ、ある程度自由探索させた後に頃合を見て必須の大浴場イベントを起こさせてください。後は適当にKPが適宜食事などのイベントを挟み一日目を終了させる。



【探索箇所】


「書斎」
雑多に本が並べてある。ほとんどはこの館の前の所有者のものであり魔術師の本はあまり無い。ここで図書館あるいは目星を振ると、推理小説が多いという事に気づく。KPからPLへのヒントとして、さりげなくアクロイド殺しを混ぜておくともしかしたら難易度が下がるかもしれない。もちろん、探索者がアクロイド殺しの種を知っていたらの話だが。

図書館技能描写の例「古いものが多いが痛みは少なく、おそらくは丁寧に読んだのであろう推理小説などが多く本棚に収められている。その中でも、アガサクリスティの小説が多い。処女作『スタイルズ荘怪事件』、問題作『アクロイド殺し』、そして……誰もが知る最も有名なクローズドミステリー小説、『そして誰もいなくなった』」

付け加えて、一冊の伝奇小説を見つける。「七人御鎖木」というタイトルの小説を見つけ、読んでみると後書きにこの本のモチーフとなっている七人御鎖木の伝承はこのあたりの地域由来だという事が分かる。

「鎖に絡めて一人一人 腐り落ちたら一人足し 御子は七人 減ることはなし」という言い伝えがあったという情報を得る。このあと、スマホ等で調べるかあるいはNPC6に聞けば以下の情報を得られる。

「七人御鎖木とはこの地域に伝わる伝承の一つ。この地域はキリシタン弾圧や神仏習合などにより追い立てられた信徒たちが集まる地域だった。故に、宗教の闇鍋とも言うべきそれぞれの宗教が残した伝承が残っている。どこの宗教かは資料が残されてないが生贄の捧げ方を伝えた言い伝えで、死体を木に鎖で雁字搦めにするという捧げ方のようだ。しかし、七人御鎖木とは言ったが七人の内一人は生贄を捧げ、捧げた死体が腐ったりして使えなくなったら新たに生贄を加える役なのでその役のみ生贄ではなく術師や神官のような役割ではないかと言われている」

頃合を見て幸運でメモを発見させる
「古時計の中、要の魔石を入れる」
このメモにより、古時計のなかの魔石を発見できるようになる。



「広間」
レトロチックだが不思議と古すぎる感じはしない。みんなで食事をとれる大きなテーブルや、革の張られた椅子はどことなく気品を感じる。前の持ち主は趣味がいいようだ。天井が高い事を描写する。床はリフォームでもされたのか張り替えられたような跡があることが分かる。目星成功で、ところどころ改装をされていて見た目は変わらないが相当大規模な改装が行われた事が分かる。

(古時計)
立派で荘厳な古時計が一つある。この中に書斎のメモにあるとおり、この館における儀式の動力源の一つである魔石がある。
中を開けて魔石に触れようとするとアイデア成功で「なぜだか触れてはいけない気がする、とても大事なものな気がする」という発想をさせる。失敗なら、「……本当に、触れてもいいのだろうか?」という発想をさせる。それでも無理やり触ろうとすると、体が動かなくなる。
魔術師の意思を植えつけられているので儀式の妨害になりうる事は基本的にしないしできない。なので、クライマックスでMPが足りずに生花の使役に自身の生き血を使うのは魔石の魔力は儀式に必要だから。

この魔石に溜まっているMPを使う事はないだろうが、メモの情報が手に入ってるならば儀式の要であることは確かなのに触ろうとする事ができないということがヒントとなる。
ラストで洗脳が解けたあとに、PLがコレを持ち帰りたいというのなら持ち帰らせてもいい。MP30がこの魔石には入っている。


(生け花)
木を主体にしたかなり大きな生け花のようなものがある。それはとても生き生きとしている。目星かアイデア成功で、「生命力にあふれたすばらしい生け花」と描写する。他のNPCの感想は「生き生きとしすぎていて、今すぐにでも動き出しそうなくらいで少し不気味」などと言わせておく。この生け花は、蠢く木の神の萌芽。蠢く木の神の落し子のようなものであり殺人の犯行の際にPCにより使役されている。殺人後には土がこぼれており、目星かアイデア成功でもしかしてこの生け花は動いたのでは?というような発想をさせる。

殺人が進むにつれ、PC視点でより美しくなっていくように見えるが、他のNPC視点ではますますおどろおろどしいように見えている。殺人後の変化にNPCの反応を挟み気づかせたりするとヒントになるかもしれない。殺人後の変化に気づいたNPCには1/1D3のSANチェックを。
洗脳が表面上には出てないものの掛かっているため、半分信者になってる故に神々しく感じている。これは魔術師が殺人の補助のために設置したモノ。


(天井)
天井を見上げるかあるいはアイデア成功で天井を見上げ、天井に幾何学的な模様がある。それはどこか魔法陣めいたものに感じる。その模様をなぜか美しいと感じる。発見する時はおそらく天井を見上げてるような描写になるはずなので、他のNPCも釣られて天井を見上げたという事にし、「何あのへんな模様。変な趣味してるなあ」とでも言わせておく。



「子ども部屋」
古いおもちゃの多くが乱雑に散らばっている部屋。広く、日がほどよく入り込む場所に作られている事が分かる。元の持ち主が作った部屋をそのままにしておいてある。目星成功で、おもちゃに隠された床の一部に床下収納のようなところがあるのが分かる。鍵はついてるようだが、古くて壊れかけ。なので、STR対抗でこじ開けられれる。床下収納のSTRは6。
床下収納を開けるとこの館の改装設計図が見つかる。アイデア成功で、館の構造そのものに大規模な魔術的仕掛けがあることを知る。薄気味悪い仕掛けをしった探索者は0/1のSANチェック。

NPCが居た場合、それを見てなにか分かったか聞きもし魔術的仕掛けの事をNPCに教えた場合、「よくそんなことがこんな複雑な情報から分かったね……自分は全然わからなかった。もしかして、こういうオカルトとかに滅茶苦茶詳しかったりするの?」などと言わせておく。
ここでアイデア2分の1で振らせ、成功で「そういえばどうして自分は分かったんだろう?」と思わせる。
洗脳の魔術の影響である程度の魔術的知識が増えているので分かってしまう



「物置部屋」
殺人が起きる前には、「すごいホコリだ……どうやらほぼ使われていなかったらしい。今はいろうとすると咳き込んでまともに探索できないだろう」とでも言っておいてなるべく遠ざけておこう。それでも入る勇敢なPCだったら、それでも別にこの部屋には今はめぼしい物は何もないという事を目星などの技能判定で教えよう。
殺人後に入ると、真新しい足跡がついてることが分かる。目星成功で、PCに近いSIZの足跡という事をほのめかす。ブラフをまくなら、最後まで生き残るNPC5が同じSIZという事にしておこう。

殺人前に入った状態での殺人後の探索なら、アイデアを振ってもらい「前に入った自分の足跡とそれ以外の足跡があるような気がする。似たようなSIZだからどれがどれだかはよくわからないが」などと描写する。NPCが居るのなら、「全部あなたの足跡じゃないの?」と問い掛けたりさせる。
殺人後の探索で、いくつかの物が動かされており殺人に使われたであろう鎖はここから持ち出されたのであろうということが分かる。



「個室の並ぶ廊下」
目星を打たせて、成功したら個室の一つが妙に使い古されているという事に気づく。鍵が掛かっている。鍵開けや最終手段で壊せばイベント前に一応入れる。ここは本来黒幕の魔術師が使っていた部屋。
中には本棚と机とベッドというシンプルな造りで、清掃が行き届いているのかホコリ一つない。本棚には、いくつかの本がありPCはそれを単なるオカルト関連の本と言うにはどこか神妙で高貴な知啓を感じる。NPCがそばに居た場合「なにこの不気味な本……」とでも言わせておきましょう。本棚に目星か図書館で、一冊の古い本を見つける。以下本に載ってる情報。この情報はなるべく取得してもらいたいので、目星図書館などが失敗した場合、本棚をいじった際にうっかり本がなだれ落ちてしまい1ダメージ、などのペナルティを与えた上で出してあげてください。

(この地域伝承についてまとめた古い本)
七人御鎖木の伝承と、そこに携わる魔術的な話やこの地域特有ではない"一般的なオカルト"の話もある。
蠢く木の神と邪悪なる意思と知識を無意識下に植え付ける呪法が乗ってる。
難易度を上げる場合はそれに混ぜてブラフで他の情報を混ぜておくとおそらく難易度が上がる。ドッペルゲンガーの情報なんかをポッと出すといい感じにブラフになるかもしれない。よく読まれたであろうページを抜粋すると以下の情報が得られる。

(蠢く木の神)
七人御鎖木伝承により信仰されている神。蠢く木の塊のようなもの。木に捧げられた生贄により召喚、あるいは力を授ける。恐怖と血潮を養分に生きる吸血樹のような神。自身を信仰する神官には温情深く庇護を与えたり交流を行ったりする。

(蠢く木の神の萌芽)
人の血を好物とする蠢く木の神の株分けのようなもの。使役するにはMPか術者の血が必要。

(七人御鎖木)
蠢く木の神を讃える儀式。死体を木に鎖でくくりつけるという方法で生贄を捧げる。神は恐怖と血潮を好むので、木に捧げられる生贄は血を流させる必要がある。七人御鎖木は六人の生贄と、七人目の神官で構成されており生贄を捧げる神官が神の庇護を得る。

(意思の種)
神の授ける呪法の一つ。相手に自分の意思や知識を植え付け命令ができる。術師が解除する場合は種を吐き出す。ただし、________場合も種を吐き出してしまう。五人ほどまでなら一度に植え付けれる。(___の部分は本自体が古いせいか文字がボケていて分からない。本来は「植え付けに気づいた」とでも書かれていた)

(人形(ひとがた))
人の形をした形代。"一般的"に身代わりや呪いの道具としてよく扱われる。他人の一部を使い、その者そっくりの人形を生み出し、呪法を行う事も。

魔術の使い方こそ載ってはいないが、それは本来オカルト的な神話的知識もある程度無いと読めない難解な本だが……犯人PCはそれがなぜかスラスラ読めてしまう。アイデア成功などでなぜだかわからないが読めてしまうという事を強調させておこう。人形の話はもしかしてPCの形をパクった何かが殺人を犯しているのではというミスリード。本にはあくまで"一般的な"呪法として乗ってるだけ。

机の引き出しには、渡辺の日記が入っている。以下日記の文章

(日記)
●月×日
やっと例の土地を購入できた。売るのを渋りやがってクソじじい。血を吸われて死ね。

×月▽日
クソ田舎特有の排他的空気にイライラする。お前から生贄にしてやろうかくたばり損ないのばばあども。しかし悪態をついている訳にはいかない。計画のためには情報収集が必要だ、多少は愛想を振りまいておかねば。

▽月★日
面倒な集会とやらにも出たが、なんと有益な情報が出た。どうやら、このじじいばばあどものそのまたじじいばばあがかつてこの地で召喚された神を見たらしい!羨ましい……

★月♪日
儀式に必要なのは六人の生贄と一人の神官か。揃えようとするなら時間がかかるかもしれない。やはり、生贄と言うからには鮮度が良いほうがいいだろう。どうやって用意するべきか。

♪月◇日
例のツアーの準備は整った。自分も参加するべきか。危険極まりないのは承知だ。

◇月●日
いい方法があった、やはりこれを使おう。いよいよもって、この計画も種から始まり大樹となり花を咲かせる事になるのだ!

この日記は、渡辺の字がヘッタクソな癖字なせいで読み取れたのはここだけだ。クッソ汚い文字ですが、知識1/2に成功したらもう少しだけ読めた事にして、「仕掛けの一環として、ツアーバスが立ち寄る予定になってるとこにマッサージ師として潜入する」という事を教えてあげてください。



「庭」
鮮やかな木々や花が美しく季節の色を咲かせている。目星成功で、何本か妙に新しい木があるのが分かる。他の植物たちは庭全体に馴染んでいるというのに、それだけ後付けで植え付けたような違和感を感じる。
園芸技能など専門技能があった場合とクリティカルの場合は、おまけで「本当につい最近植えられたようだが、景観をよくする目的ならこんな変な植え方をするだろうか?」という情報を出す。この木も破壊をしようとすると、儀式を遂行するための洗脳のせいでそれは阻まれます。その思考の描写をすればおそらくヒントになるはず。
この新しく植えられている木が、生贄を縛り付けるための木です。

殺人後には、改めて目星をすると庭全体が生き生きとしているような気がするなどと描写してください。儀式が進んでいる影響です。
あるいは庭の生贄を縛り付ける木の近くに茨などを植えさせておけば、朝起きた時にアイデア成功で知らない間に傷ができてるという描写でヒントを出せます。(ただし、殺人前にその茨周辺に近寄ったりしていたならアイデア1/2成功で出してください)



「屋上」
一本の小さな苗木が植えてあるのが分かる。アイデア成功か目星成功(なるべくここは成功させて情報を出させたい)でPCは「それは素晴らしい生命の息吹に満ちた神々しいものに見えた」と描写し、一緒に付いてきたであろうお助けNPCは「なんだか不思議とおどろおどろしいように見える……」などとと発言させる。場合によっては、ここでのやり取りをPLに印象付けるようにお助けNPCとPLの感じ方の差異を強調して描写する。
洗脳が表面上には出てないものの掛かっているため、半分信者になってるようなもの故に神々しく感じている。
殺人が進むと成長しているように見える。殺人後に訪れた場合はアイデア成功で「成長しているように見える……生命の息吹を感じる!」とでも描写し、NPCが一緒ならNPCには1/1D3のSANチェックを入れたらわかりやすいかもしれない。NPCは当然不気味がります。

これは蠢く木の神の寄り代ともなるべきものです。BADにてこの木が急成長し蠢く木の神が降臨します。PCがこの苗を破壊しようとした場合、これを破壊するなんてとんでもない!みたいな狂信者的発想をPCにさせたりすれば大きなヒントになるかもしれません。広間の生花と同じ理屈で、PCはこれを不気味がりません。
夢でのMP減少を殺人時のだと悟らせないようにするのなら、ここでの苗木との接触時に何かしらの魅入られたかのような描写を入れてもいいかもしれません。



「大浴場」
風呂場イベントが始まる前には準備中ということで入れない。入っても何もない。清潔感のある大きな浴場。
みんなの個室にも風呂場はありますが、イベントでみんなここに入ってもらいます。PCが嫌がるのならば、NPC6を利用しなんとか連れてきてください。時間交代製の大浴場です。

(大浴場イベント)
大浴場でNPC6が「PCに施術したマッサージ師下手くそだったのかもね、ちょっと赤くなってるところあるし」などといってさり気なくマッサージ師の話題を振ってください。赤くなってるところは魔術の植え付けのせいです。ついでに、NPC6がされたマッサージでは別に服をまくられなかったという情報もさりげなく出してください。
その情報を出しておけば後はお楽しみイベント的にKP各自で肉付けしてもいいです。このシナリオで明るいのは一日目だけなので、ここで存分にお楽しみさせておきましょう。
ブラフでシャンプーやボディソーフやリンスが玉虫色をしていたりしてもいいかもしれません。

殺人後にもここには特に異変はありません。しかし、目星成功で鏡を発見見させてください。鏡を見ると、自分の表情が当然見れる訳ですがさらにここで鏡の中の自分に向かってアイデアか心理学か目星を振ると「一瞬、自分が何だか別人のように思えた」などと描写してください。自分自身を見て、自分の様子がおかしいという事が分かる描写ならなんでもよいです。



「みんなの個室」
基本的に他人の個室にはNPC6の個室以外中々入れません。風呂とトイレはついてます。全部内側から鍵をかけられます。


(NPC1の個室とNPC2の個室)
第一の殺人後のNPC1の個室とNPC2の個室ならば、PCの私物が何故か落ちていたりしてもいいかもしれません。殺人の際にメイドと執事の部屋を訪ねた事への裏付けとして。私物を見つけた際にアイデア成功で、「こんなところに自分の私物があるなんておかしい。まさか盗まれた?」などと描写してください。
机の中には、ツアーでの仕事内容の書かれた指令書のようなものが置いてある。そこでミステリーツアーの主催者の名前が発覚するが、その名前は「渡辺 光樹」と書かれている。つまり導入で出てきたマッサージ師。

(NPC3と4の個室)
マップをつくる場合、このふたりの部屋は窓から庭が見える位置に必ず配置してください。
第二の殺人後のNPC3と4の個室ならば彼女の方の日記や書置きなどを残しておいて殺したのはPCなどという情報を残してもいいかもしれません。
例「目星成功で携帯電話を発見します。どうやら文章作成中のようでしたが、NPC1とNPC2はあなたが殺した事のだと告発するかのような刺刺しい文章が並んでいます」
アイデア成功で「見てるだけで不快な気分になる文章だと思った」などとこの文章への敵意を描写してください。
なお、この部屋はマップの上では庭の殺害現場が見えるようにしておいてください。

(NPC5の個室とNPC6の個室)
NPC6の個室は調べても何もありませんし、NPC5の個室も同じです。NPC6はともかくしてNPC5の個室は鍵開けを持ってない限りはほぼ入れません。入れたとしても怪しいものなど何もありません……が、ブラフをまくのなら彼を「七人御鎖木」の伝奇小説の作者などにして、この伝承の資料などが荷物にあったということにしてもいいです。

(PCの個室)
PCの個室に関しては殺人前には調べてもめぼしい物はありません。第一の殺人後に調べた場合は小さな血痕を発見し、第二の殺人後には花びらを一枚見つけます。これもまたPCが犯人ではないかと疑わせるヒントの一つです。アイデア成功で「どうしてここにあるはずのない物があるのだろう……おかしいこれはおかしい」などと認めたがらないような描写をしましょう。



(厨房)
一日目は入れない場所だが、二日目からは死体から鍵を発見すれば入れる。入ったところでめぼしい証拠は無いが、ここに行った場合NPC6にイベントを起こさせる。
NPC6「まさかこんな事になるなんて……PCは死体を見て怖くなったり気持ち悪くなったりしなかった?大丈夫?」
この時にアイデアを二分の一で振らせて、成功で「……よく考えてみれば、そこまでショックを受けたりはしなかった。何故だろう」という発想をさせ、失敗で「NPC6は何故そんなことを聞くのだろう……?」という発想をさせる。
ここでNPC6が、いざという時の自衛のためにと包丁を持っていこうとする。




【第一の殺人】
適当に過ごしてもらって、PCが眠ったらここでブラフでシークレットダイスを振る。
PCはこの際に夢を見ます。PCがでかい吸血樹に捕まっているような感じの夢ならなんでもよいです。血だまりがあります。何かを吸い取られる感覚があるという描写は必須です。聞き耳成功で、ジャラジャラという鎖の音を聞きます。これは現実で殺している感覚が夢にまで届いてます。
この夢にはSANチェックは無しです。生花の時と同じ理屈です。むしろ、脱力感こそはあるものの満たされるような感覚があったなどと描写してもいいかもしれない。しかしMPは削られています。ここと次の殺人の際に見る夢とでMPを消費し、三回目の殺人時にはMPが足らなくなるように調整してください。
殺人時に魔術や生花を使役しているせいでのMP減少です。

(例:PCの素のMPが10なら、一回目の夢の時と二回目の夢の時にはそれぞれ4ずつ消費させる)

そして朝になると庭でNPC1とNPC2の死体が発見される。木に鎖で括りつけられていて、二人共胸のあたりを刃物で貫かれたという死に方です。NPC2の筋骨隆々の執事さんの方には抵抗した跡と、しかしそれを力づくでねじ伏せられたような跡があります。
STR&SIZマックスな上に武道持ちというパワーオブ物理みたいな存在の執事さんが明らかにめちゃくちゃな力でねじ伏せられている様を見て、PCとNPCは本当に人間の仕業なのだろうか?という疑問を持ちます。PCの死体のSANチェックは二つまとめて両方0/1D3。NPCならばSANチェックは0/1D3を別々に行ってもよいです。死体に目星で調べると、厨房の鍵とNPC1と2の個室の鍵を発見できます。PCが調べない場合、NPC6に調べさせて渡してもいいです。

ここでNPC3、つまりバカップルの彼女がPCを指して「あなたが殺したんだ!」と叫びます。その後恐怖に耐え切れなくなり自室へと逃げ帰ってしまいます。PC本人が彼女から話を聞くのは無理ですが、何も気づいてないNPC3の彼氏であるNPC4からこっそり話を聞かせてもらうのや、お助けNPCであるNPC6に頼み話を聞きに行ってもらうという方法での情報収集は可能です。
彼女は実は夜寝付けなくて外の風を浴びようとベランダに出たところ、冒涜的儀式の一片を目撃してしまっています。恐怖しその場ではすぐにお布団に逃げ込みあれはきっと夢だと思っていたのですが、起きたみたら本当に人が死んでいたという事態です。運良くPCが神話生物たる生花を使役しているところまでは見ていませんでしたが、木に死体を鎖でくくりつけてる場面を目撃しています。

「あなたが殺したんだ!」と犯人PCを糾弾する場面でPCが心理学を打ちたいと言った場合やあるいはKP裁量でアイデアを振らせる場合、「自分に罪をなすりつけようとしてるのではないか?きっとそうに違いない!そうなるとあの女はどこか悪意的に感じる」という発想をPCにさせる。この後ヒントとして、NPC6に「あの人滅茶苦茶怖がって怯えていたね……嘘はついてないようだけれど……でもPCが殺人犯なわけないからきっと勘違いだね!」などと言わせる。

この糾弾がきっかけで他のNPCもPCをやや疑うようになり、そのせいでアイデア成功あるいは心理学での結果はNPC3に対するものと似たような結果になり始める。ただし、NPC6はこの時点では完全には疑ってないしその素振りもPCに見せないのでアイデア心理学両方シロなように見える。本当は全員シロでPCがクロなのだが。

警察に電話したりすれば迎えにこようとしてくれるが、途中で土砂崩れがあったらしくすぐには迎えに行けないという連絡が来る。この土砂崩れは、逃がさないようにするために魔術師が故意に起こしたもの。




【次の殺人までの間】
こうなると、おそらくはPCの方からも警戒を始め睡眠時は広間などで一緒に寝ようなどという提案をするかもしれません。しかし、NPC3の証言によりPCはこの場で一番怪しい人物として見られています。故に、NPC視点ではその提案は相当怪しいので理由をつけて却下されてしまいます。言いくるめや説得などの対人技能を駆使すればNPC5ならばなんとか提案を飲んでくれますが、NPC4は彼女の意思を尊重して彼女と一緒に部屋で寝てしまいます。NPC6はPCを完全に信用しているので、むしろ喜んで提案を受け入れます。

NPC5は夜通しPCを見張っていようとしていますが、NPC6はPCを完全に信用しきっているのですぐに寝ちゃいます。PCにはMPが減っていて身体と精神が持たないで眠ってしまうなどと理由をつけて寝かせます。
そしてその後、殺人を行うために洗脳状態でPCは起き上がりNPC5を不意打ちで気絶させて殺人を行います。



【第二の殺人】
一回目の時と同じく夢を見ます。似たような夢ですが、心臓から植物が生えているような描写が追加されます。やはりMPを失っているので脱力感を感じていますが、満たされているような感覚もあると同じく描写してください。今回も一回目と同様に、殺人時に魔術や生花の使役でMPを失っています。もちろんこの夢もSANチェック無しです。今回も鎖がジャラジャラ鳴る音が聞き耳成功で聞き取れますが、今回は聞き耳+20で振らせてください。前回よりも大きな音で鎖の音が聞こえているので。

この場合、目が覚めると何故か『個室の並ぶ廊下』で発見した鍵のかかっていた個室の中で目が覚めます。SANチェック0/1。ここは鍵がかかってたはずなのに、何故か部屋の内部で目覚めます。他の個室と同じく内側からかけられるタイプのもので、鍵はかかっています。外側から鍵に目星をした場合、鍵には無理矢理こじ開けられた様子は無いと分かります。
ここの探索が済んでない場合は、情報をここで出す。

なんでこんな場所で寝転がっているのかと言うと、NPC5がいよいよ疑いを向けてくるのでなにか他の魔術により誤魔化せないかという思考を洗脳状態のPCがしたためです。この部屋には黒幕の魔術師の使っていたオカルト本がたくさんありますので。しかし、夢遊病状態で殺人というほぼ睡眠をとる方法での休息のない状態でずっと過ごしてたのでMPは回復されず大部分が使用されたままの状態では活動にも限度があるのでそのまま倒れて朝を迎えてしまったという構図です。
TRUEENDで獲得できる呪文の邪仙の手を使いこの部屋に入り込んでいました。

第二の殺人も第一の殺人と同じようにNPC3とNPC4が木に鎖でくくりつけられて死んでいる。彼氏は第一の時と同じように心臓に刃物が刺さっているのが特徴的ですが、しかし彼女の方、つまりNPC3の方は悪意を感じるような死体の荒らされ方をしている。目玉をえぐり取られ、そこに花が咲いている。さらに腸は引きずり出されその中に花が詰め込まれていて、一種の儀式的様相を示している。とくに酷い猟奇的死体なので通常はSANチェック増大ですが、通常の死体を見て驚いた程度のSANチェックにしてください。冒涜的要素のSANは差し引かれます。魔術師の意思のせいで冒涜的要素への耐性がある程度あります。彼女の方は疑いの発端になった人物ですし目撃してしまったので邪魔に思われて殺されてしまいました。しかも特別猟奇的に。彼氏はそのついで。SANチェック0/1D3。目星かアイデア成功で、彼女の方の花は広間の生け花の花と似ているという事が分かります。

SANチェック時例「死体を見ましたのでSANチェックです。NPC3の方は比較的綺麗に殺されてますので通常の死体と同様0/1D3、NPC4の方は猟奇的で冒涜的な殺され方をしているので本来ならば0/1D4+1ですが……あなたの場合特別に、0/1D3ですね。」などと含みを言わせておくとPLにヒントになるかもしれません。

さて、とうとうNPC5とNPC6のみが残ってしまいました。探索されきってないところやKP裁量でまだヒントが出したい場合はNPC5にはしばし沈黙してもらい探索続行。全ての情報が出たと思ったのなら、NPC5に行動をさせてクライマックス突入です。




【クライマックス】
NPC5はPCが犯人だと言い切ります。NPC3の発言と、何故か朝起きたら居ないという事実と、ついでに一緒に寝ていた場合はNPC5はPCに不意打ちで殴られたという決定的証拠があり、全てが怪しすぎるのでNPC5はPCを疑って当然の事態とも言えます。ここでアイデアを振らせ、「不当な言いがかりをされているようだ」という発想をPCにさせる。NPC5の発言は、なるべく不当な言いがかりという感じを無くすように努めて冷静で論理的な発言を心がける。
NPC6は庇うような態度ですが、それでも疑わざるを得ない状態なので「もし嘘をついてるなら本当の事を言って!」などとPCに詰め寄ります。
NPC6はどうやら焦っているようで表情が筒抜けだ、という理由をつけてアイデア+20で振らせます。なるべくここは成功して欲しいので自動成功でもいいくらいです。成功で「NPC6ももしかしたら自分をはめようとしているのでは?」という情報を渡します。ただし、殺人も進み洗脳も根付いてるためかなり錯乱しているような描写にしてください。

ここからシークレットで1D7+2でダイスを振り、その数×20秒の間だけ猶予ができます。KP裁量でここのダイスの値はある程度変えても大丈夫です。KPはここで、犯人は誰だと思うか?という問いをしてください。その制限時間の間に答えを聞きます。ここで気づけないと、NPC5はPCを取り押さえようとしてきて戦闘ラウンドに突入します。ラウンド初めにPOW×4を振り失敗で正気を失いBADとNORMALルートに突入。次のラウンドにはPOW×3になり、その後も徐々に減り5ラウンド目には確定で正気を失います。
戦闘ラウンド突入の場合NPC5は全力で倒そうとしてきますが、NPC6が邪魔するものだから中々全力を出せません。NPC6をうまく使ってPCが気絶したりしないように動かしましょう。
もし難易度を上げる、あるいは戦闘処理を簡略化省略化させたい場合は最初の問いかけが最初で最後のラストチャンスにしてもいいです。

正気を保てなくなると、PCは狂ったような笑い声をしながら広間の生花の方へ走り自傷し自身の血を使い生花を使役しNPC5と6を殺しに行きます。生花のステータスは各自KPの裁量で決めていいです、しかしSTRだけは強いという事と普通に戦えばまず無理な強さにしておいてください。NPC5と6の戦闘能力の程度もKPにおまかせです。

PLには「残念ながらあなたのPCは正気を失ってしまい、あの二人を殺し七人御鎖木の儀式を遂行し神を呼ぶ事しか考えられなくなりました。さて、あなたには最後に選択をしてもらいます。この点を踏まえてPCをこのまま使いNPC二人を殺戮するか、NPCを動かし自分のPCを止めるか……選んでください」
という事を教えて選択してもらう。前者の場合は生花のデータを、後者の場合NPC二人のデータを渡して戦闘開始です。この時、生け花はPCの指示に従うようになっている。これが最後ですので、張り切ってRPしてもらいましょう!

生花は吸血という技能を持っていてこれに成功するとダメージと同時に回復が行われます。PCは正気を喪失している状態で既に狂信者と思考が同じになっています。手加減はせず全力で二人を殺させてください。
生花は普通に戦うとまず倒しきるのは無理ですが、厨房にまで行って油と火種を探し出して燃やせばなんとか倒せます。コレはPLに考えさせてもよいですし、あるいは思いつかないようならアイデアなどで教えてあげてもよいです。
なお、NPCを動かすことを選択した場合はNPCは生花を目撃しているのでまずは1/1D8のSANチェック。もし難易度をさらに上げるのならば、大好きな友人がいきなり豹変してしまったことにショックを受けてNPC6は1D3+2/1D7+3のSANチェックを受けてもらってもいいかもしれません。

なお、この戦闘でPCが気絶した場合生花は制御が効かなくなりPCを吸血して殺して元々の主であった魔術師の元へ去っていきます。PCが死んだ場合も同じです。致死量の血を流してしまったPCはほどなくして息も絶え絶え、NORMALエンドに突入します。

真相に気づいた場合はTRUEEND、気づけずに戦闘に突入しNPC二人が死んでしまった場合はBADEND、PCが気絶あるいは倒された、生け花が燃やされた、その場合はNORMALENDというエンド分岐になります。
TRUEENDへの敷居を下げたい場合は、NPCを操作して生花を燃やして殺せた場合はTRUEENDに突入できるという風にしてもよい。



【TRUE END】
おかしいのは自分で殺人を犯したのは自分だと気づいたら、その時点で殺人の記憶が蘇ってしまい1D5/1D10のSANチェック。洗脳が解けたので種を吐き出し、その後に魔術師が犯行のために植え付けた魔術のうちいくつかの魔術を思い出して獲得。その中に記憶消去の魔術がある。洗脳が解けた時点で明らかに様子がおかしいことに気づきNPC5の敵意は一旦消えます。

この魔術を使い、他のNPCの記憶を操作すれば自分は殺人犯にはならないだろう(殺人のほとんどは神話生物の手を借りた人間業じゃない死体なので)、自分自身の記憶さえ消してしまえば罪の意識に苛まれる事もないだろう。ただし、この呪文で自身の記憶を消せばこの記憶消去の呪文もほかの一緒に取得した呪文も全て忘れてしまう。消えるのはこの三日間の記憶だけです。この魔術をどう使うかはPLとPC次第です。

少なくともNPC5は記憶を消さなければ逮捕で死刑台行きなことは事前に告知しておいた方がいいですが、NPC6は記憶を消さなくても警察に告発したりはしません、むしろPCが辛くなるであろうことを見越して一緒に苦しむために自分の記憶を消したがりませんし、あるいはPCが苦しまないようにするためPCの記憶を消すことは推奨してきます。

【BAD END】
自身が犯人であるという事に気づけず、NPC5と6も亡くなってしまった場合。PCは嬉々としながら第一第二の殺人同様に儀式のために木に鎖で死体をくくりつけます。儀式は完成し、屋上からなにか大きな音が聞こえます。PCはそれが自身の待ち望む神だという事に気づき急いで出迎えに行きます。世間では、PCは行方知れず扱いとなりロスト。
あるいは、儀式が完成した時点で洗脳を魔術師が解除するパターンでも。その時点で、七人御鎖木の神官の役から外れてしまったので……つまり、蠢く木の神の庇護する対象外なので……。こちらもまたロスト。

【NOEMAL END】
NPC5と6が狂ったPCや生花を倒せた場合のルートです。生花が倒された場合、MPの使いすぎと生花を使役する際の自傷による流血のせいでPCは衰弱死します。PCが気絶した場合は前述したとおり生け花にとどめをさされます。
PCは死にゆく中で種を吐き出し正気を取り戻します。遺言を残す事くらいしかPCには出来ることがありませんが、精一杯のRPをしてもらいましょう。ロストです。




【備考】
難易度は、どの程度犯人の探索者にアイデアをふらせるか変わり、そしてそのアイデアの結果の描写によっても相当変わる。殺人が進むごとに、洗脳により植えつけられた悪意や殺意を押さえつけられず、だんだん思い込みが激しくなっているような、そして無理矢理自分を犯人ではないと思い込むような、あるいは自分を疑う他のPCやNPCに対して敵対的になるような、そんな描写を入れると大きなヒントになるだろう。!!!っていう感じにすると怪しさが増すと思う。
PLのリアルヒラメキにかかってるので、アドリブで適当にヒントを出さないとデスシナリオになる。




【追加イベント】
もし、SANチェックが足りない、あるいはもう少し緊迫感を出したい。そうKPが思うのならば、以下のイベントを追加してもよい。


「拷問イベント」
NPC1と2が殺された後でありNPC3と4が殺される前、つまり二日目に発生。恐怖に耐えかねたNPC3がPCを襲撃し、殺人の罪を認めさせようとしてくる。

頃合いを見計り、NPCを離脱させPCを一人の状態にさせる。そのときに、聞き耳を振り成功で近づいてくるNPC3に気づく事ができる。ただし、気づけてもとっさに受け身を取れるだけで気絶自体はしてしまう。聞き耳成功でダメージ無し、聞き耳失敗で1ダメージの後に昏倒。スタンガンでも使われたのかもしれない。
KPが目を覚ますと、そこは個室の浴槽の中。手は縛られており、身動きが取れない。異常事態につき、SANチェック1/1D3。要は、NPC3は水責めしようとしている。「あなたが殺したんでしょう!?私は見ていたんだからね!認めなさいよ!」などとPCを鬼気迫る表情でホースを口に突っ込んで水を流し込んでくる。
窒息ロールが入るが、窒息ロール後に幸運を。口にホースを突っ込まれる前に助けを呼んでいたりしたら、+20で振る。失敗した場合、もう一度窒息ロールをしてその後にもう一度幸運を。二度目は更に+20で振る。

幸運に成功で、NPC3とPCを探しに来たNPC6とNPC4が助けに来てくれる。助かったとは言え、水責め拷問にあったPCはSANチェック1D3/1D7。

このイベントは、あまり耐久力のないPCにはオススメできません。ダイスが荒ぶると死ぬ可能性もシャレじゃなくあります。


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