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同人誌をネットオークションに出品することについて

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2016-10-20 13:43:56

当サークルの同人誌がヤフオクに出品されていると人づてに知りました。表紙のR18表記を切り取った画像がアップされていました。2016年1月発行、完売済みの同人誌です。そうか我が身にも起こるできごとだったのか、と観念し、思うことをまとめることにしました。

ずいぶん悠長ではあるのですが、活動ジャンルは大きいけど弱小サークルだし小説本だし、まあ注意書きもいらないだろう、と思ってこれまでは特にオークション禁止などの文言は入れてきませんでした。
しかし先日発行した再録には初めて「ネットオークション・フリマアプリへの出品を禁じます」と一言添えました。「禁じます」とは自分でも強い表現だなと思わないでもないのですが、「お願いします」よりもいっそう踏み込んだ意思表示としてこのように表記しました。

最近はジャンルも落ち着いてきて頒布数を絞った結果、イベント分で完売ということもしばしばあります。通販業者への委託はある程度の冊数以上からしか引き受けていただけなかったり、虎の穴さんは売上金の振込に手数料がかかるようになったり(ゆうちょ除く)など、少部数で活動している身には少々敷居が高くなってしまいました。
読みたいと言ってくださる方にはできるかぎりお届けしたい気持ちではおりますが、印刷部数と実売部数にムラがあったりして実現が難しいこともあります。そのため完売した本をご希望の方に読んでいただければと再録を作り、また「ネットオークション禁」と記載しました。
やはり同好の士に届いて欲しいという気持ちで作った本ですから、直にやりとりできるのが理想です。オークションは一度作者である私以外の他者の手を介します。二次創作というデリケートな、グレーな分野であるからこそ、責任を持てる範囲で頒布したいのです。
通販業者は作者の代わりに身分証の提示を求めた上で販売してくれます。しかしR18表示を隠して出品されるような例がはびこるネットオークションは信用できません。故に「オークション禁」としました。

私自身は「ネットオークションへの出品はマナー違反」という前提の元に同人誌を頒布し、また購入していますが、「ヤフオク 同人誌 禁止」で検索すると、この前提に疑問を持っている人もいるのだということがわかります。
そういった人たちの主張は大まかに以下の3点です。
・購入して所有権が移ったのだから売ろうが捨てようが持ち主の自由
・作者当人は二次創作物を販売して著作権侵害をしておきながら、他人にオークション禁止を主張するのは納得できない
・二次創作はグレーだという理由で版権元に知られたくないのなら、ネット上に二次創作を公開し、同人誌を通販委託販売しているのはなぜなのか

この目線からあらためて見てみると、たしかに「マナーだから」というだけでは理解を求めることはできないのかなと思います。残念ながら。
今回出品されていた私の同人誌はR18表示を隠しての一般カテゴリの出品であったため違反報告をしましたが、これがアダルトカテゴリでの出品で、さらにヤフオクの同人誌カテゴリで売られているのなら、もう作者には文句を言う筋合いはないのです。あからさまな転売、高額出品ならば別ですが、私の場合はイベント頒布価格と同額でしたので。


さて、ここからは、なぜ二次創作同人誌のオークション出品がルール違反とされるか。そんなルールなんか知らない、理解できない、という人のために説明します。「ジャンルを潰す気か」「非常識だ」「作者がやめろと言うのだから従え」という二次創作特有のマナーが届かなかった人のために書いています。

・本来は会員制サークルの会報誌であった同人誌を実費負担してもらって譲渡したことが同人誌即売会のなりたちです。それゆえ、コミックマーケットでは販売ではなく頒布と呼びます。コミケにお客様はいない、全員参加者であるというのはこのためです。これは今となっては実情に添わない面も多く、建前にすぎませんが、しかし同人活動において理解しておくべき根幹です。
・ファンアート、二次創作そのものは著作権侵害にあたりません。それで利益を得ることが権利侵害になります。二次創作同人誌はネット上の無償のファンアートとは一線を画します。実費とはいえ、他人の著作物をもとにしてお金をいただくからです。
・著作権違反は親告罪で、権利者による通報でなければ罪には問われません。現状、二次創作同人誌は権利者に「見えないふり」をしてもらって頒布、活動しています。なお、グッズ制作は版権元の利益を侵害する海賊版に該当する危険性が高くなり、ルールはもっと厳格になります。
・同人誌が上記の前提をまったく知らない人の手に渡ることを同人誌の作者は強く危惧しています。過去に同人誌を原作者による作品と勘違いして版権元に問い合わせた人が続出した結果、同人誌の作者が版権元から著作権侵害を通告された例や、版権元が同人誌や同人映像作品の作者を権利侵害で告訴した例が実際にあったためです。
・現在では二次創作や同人誌への理解も進み、多くの二次創作出身の作家がプロとして活躍していることから、版権元でも寛容な姿勢をとっています。一部では二次創作を推奨している、条件付きで認めている版権元もありますが、大多数は「あなたがたの著作物の二次創作を売っていいですか?」と聞かれれば「NO」と答えるでしょう。黙認の範囲を超えないようにすべての同人作家が気をつけなければいけません。

・同人誌に18禁のレーティングを設けることは、作者のみならずイベント運営、印刷会社が足並みをそろえて取り組んでいる自主規制です。同人誌を作り、頒布するならば守りましょうと呼びかけ、徹底しているルールです。
・対面頒布のイベントでは年齢確認を行い、18歳未満の購入をふせぐことができます。しかし18禁表記を隠してネットオークションで同人誌を出品されると、作者は地道に違反報告をポチッとするしか打つ手はありません。
・かつて「有害図書を売買するイベントには会場を貸せない」という会場側からの申し入れにより、コミケやコミックシティの開催が中止になった事例がありました。R18作品はすべての人に好意的に受け入れられるものではありません。嫌悪感や危機感を抱く人も多い、慎重な扱いを要するものです。
・コミケではすべての頒布物の見本誌提出が義務づけられ、性器の修正チェックが行われています。印刷所からも修正やR18表記を作者に求めるなど、一丸となってゾーニングに取り組むことでコミケの継続、ひいては同人誌に関わる業界の存続のために努力しています。

つまり、
・グレーであることを承知してルールの通じる場所だけでやりとりすることで守られている同人誌や同人活動を、ルールの通じない場所へ持ち出されて明確に禁止されるのをふせぐため。
・同人活動にかかわる多くの個人や企業の自主規制をすり抜け、18禁作品が18歳未満に購入される危険性が高い、それが即売会の中止につながり得ること。
この2点から、同人誌の作者は「オークション禁止」と謳っているのです。


二次創作同人活動をされている方にとって前提、常識であるマナーは、あくまで内輪のルールです。内輪が快適かつ、継続して活動できるように整えられたルールであり、それ以外の外側の人には見えないルールや些細なこだわりにしか感じられなかったりします。
その輪の外側の人たちに、「私達はこんなに気をつけて厳格なルールを守っているのだから、あなたたちも違反しないで!」と訴えたところで、なかなか届かないのも仕方ないことだと思います。

輪の内と外で共通するのは法律や契約です。明文化されていない暗黙の了解は外側には通じません。
利益を出す目的でネットオークションやフリマアプリで転売する場合、古物商営業許可が必要です。人気サークルの本を並んで買って高額で転売するパターンですね。許可なく高額転売、大量出品している転売ヤーは古物商営業法違反です。(古物商の許可があっても、チケットの転売では迷惑防止条例違反や物価統制令違反で逮捕された例もあります)
18禁の同人誌をそうと表記せず、画像も加工したりトリミングして隠し、一般カテゴリで出品する。これもヤフオクの規約違反ですので、やめてくださいと言うことができます。
しかし個人が買ったものを手放すにあたり、オークションに出そうが専門ショップに売ろうが燃えるゴミに出そうが、作者はそれを制限する権利はないのです。

その上で、「ネットオークションやフリマアプリには出品しないでください」と声を上げ続けることもまた、無駄ではないのだと思います。輪の外側から内側へ入ってこようとする人へむけて、ここにはこういうルールがありますよとわかりやすくつたえていくことは将来的に内側の快適性を高めます。
同人誌を作ることは身近な自己表現です。同じ趣味の人と出会って、作った本を読んでもらえるのはとても楽しいことです。ですから、知らない人を糾弾するだけではなく、「こういう理由で守って欲しいんです」と訴えていきたい。不要な本をオークションで売っていた人が、やがて同人誌を作るかもしれない。その日のための種まきです。

不要になった同人誌は、どうかネットオークションやフリマアプリなどには出品しないでください。
捨てる場合は、できればシュレッダーにかけて燃えるゴミとして処分するなどの一手間をお願いいたします。雑誌に挟み込んで資源ゴミに出すという方法もありますが、激しい性表現のある漫画のページが人目につく危険性や、作者の個人情報が奥付に載っているため、できれば避けていただければありがたいです。
K-BOOKSや駿河屋、明輝堂など中古同人誌ショップに持ち込んだり送ったりして買い取ってもらったり、エコサリオやウエストウィングなどに送って資源ゴミとして処分してもらうこともできます。

どうかこの先も数多くの同人作家が楽しく末永く同人活動を続けていけるよう、ご協力をお願いいたします。

※即売会のなりたちや実際の事例については、ネットで調べただけの伝聞ですので、誤解が含まれているかもしれません。真実をご存知の方はぜひ正しい記事を書いていただきたいと思います。
またこの記事への訂正は可能な限り応じるつもりですが、私には真偽を判じることはできません。こういう説があるというご紹介にとどまることをご承知おきください。


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senna
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