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ハークの潜航日誌(1日目~)

@miraclegumi
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2016-11-12 22:23:29

『日記:1日目』

サキおねえちゃんから、テリメインに来ている間は日記をつけるようにと言われた。
理由を聞けば、

「ハークくんが見たものは後々記録しておくと私が楽しいからです、よろしくおねがいしますね」

とのこと。あの若作りした創造主気取りのおねえちゃんは一体ボクの事を何だと思っているのだろうか。
断る事も出来ないので、仕方なく今日から日記をつけるコトにする。テリメインで見つけたヒト、モノはここに書き記しておこう。


この日記を書いているのが誰かって?


「ボクの名前はハーク、アーガ=ダ=ハークさ。」


「キミたちが言う所の、『神』って奴だよ。」




『当面の目的』

初めて海に来たので、水の広がる海というものを満喫する。
可愛い肌色いっぱいのおねえちゃんたちを満喫する。
強いヒトを見つける。
ヒトでも魔のモノでも無いモノを見つける。




サキおねえちゃんへの復讐方法を考える。


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『日記:2日目』
 海を満喫する話
 可愛い女の子を見つける話
 強いヒトを見つける話
★ヒトでも魔のモノでも無いモノの話
 サキおねえちゃんへの復讐方法の話


海底探索協会から渡されたスキルストーンを、教官だというマリンオーク相手に試験した。
オークというのは魔の世界にも存在していたが、下半身がヒレと鱗のオークはこの世界で初めて見るものだ。

この世に生を受けた存在は、何かしらその形態や生活をする上で理由があるのが大半だ。
魔の世界ではマナの力を受け、より強く、命を絶やさぬような変質を遂げるモノが多く、
ヒトはサキおねえちゃんが自分の姿に似せて創ったから、皆あのような細い体に二本ずつの手足、五本の指を有している。
あのマリンオークというのも、このテリメインの世界に適した変質を遂げたモノなのだろう。
だとすれば、


「……テリメインマイケルって、何……?」

遺跡探索初日に見つけた、この形容し難いヒトの子供の落書きのようなモノは、なんなのだろうか。
サキおねえちゃんは知っているようだが、聞くのも癪である。
スーおねえちゃんは現地人だが知らないらしい、ガイドとして役に立つのだろうか?

魔の世界以外のモノは、未知の事象ばかりだ。



あと、サキおねえちゃんが目の前で水着に着替えていた。
かなり色っぽい水着で身体もとても肉感的だが、裸を見れなかったのが非常に悔しい。
そのうちおだて上げて際どいポーズでもとらせて画像にしておこう。色々と使える気がする。


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『日記:3日目』
★海を満喫する話
 可愛い女の子を見つける話
 強いヒトを見つける話
 ヒトでも魔のモノでも無いモノの話
 サキおねえちゃんへの復讐方法の話

 テリメインマイケルは想像以上に手応えのない生物だった。
 バカンスに来ているのか、見当違いな発言や海水で湿気った爆弾など、とてもテリメインの生態系に適した生物とは思い難い。
 他の世界から移って来た可能性もあるかもしれない。それならスーおねえちゃんがよく知らないのも納得できる。
 だが、今後も似たような奇怪な生物が多数現れるのだとしたら、テリメインは魔の世界以上に混沌とした世界なのかもしれない。
 魔の世界は混沌の魔力を礎に、生き残るため進化した生き物が存在するが、この世界は混沌とした生物が礎に存在している。
 テリメインとは……。

「という事を、生のワカメ食べなきゃ書かないといけないあたり、探索協会のサポートというのも雑なのがよく分かるよ」


 遺跡探索をそのまま継続して進む場合、食事はそのまま調達して食べる事が多くなりそうだ。
 生のワカメ……サキおねえちゃんも海藻、スーおねえちゃんはナマコだ。マシな方なのかもしれない。
 ボクとサキおねえちゃんは食べなくても問題ないが、スーおねえちゃんは食事をしないと飢えてしまうため合わせて食べている。

 テリメインにいる間は極力元の世界のチカラ、魔法は使わないというルールをサキおねえちゃんと決めているが、こういう時はつくづくヒトの生活に不便さを感じてしまう。
 ヒトの食生活というのには多少同情を禁じ得ない、一度次酒場に戻ったら、酒と肉を沢山食べよう。
 ボクも肉は好きだ、あと、たけのこの里も好きだ。
 だが鰯は気に食わない。名前に弱いなどという字を甘んじる生き物は嫌いだ。

「……ついつい話がそれてしまうね。なんで今日はこんなにペンが進むんだろう」

 どうにも落ち着かない。スーおねえちゃんと遊んで気でも紛らわそう。


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『日記:4日目』
 海を満喫する話
★可愛い女の子を見つける話
 強いヒトを見つける話
 ヒトでも魔のモノでも無いモノの話
 サキおねえちゃんへの復讐方法の話

 練習試合、というモノがこの世界では探索者の間同士で行われている。
 スキルストーンの試用テスト、可能性として来るべき探索者同士の戦うの備えとして実力を磨く、或いは既に探索者に戦いを挑むべく息を潜めているモノの品定め。
 各々違うだろうが、闘争を以て己の目的を満たすことが出来るというのはボクにも居心地のいい空間だ。
 ボクは魔のモノ、ボクは混沌のマナの底より生まれし存在。闘争と欲が、ボクを突き動かす源。
 ならば、


「おのれ……触手パラダイスが……ボクの理想のいい感じに絡みつくイヤンな感じのおねえちゃんたちが……あの鎧に……!」

 そう、あろうことか、ボクの目的が、練習試合で邪魔されたのだ。
 先日覚えたスキルストーンにより行使できる魔法『ジェリーフィッシング』。
 そして前回の練習試合の相手にいた、フィーコというナイスバディでほぼ水着のようなスタイルのいいボンキュッボンなおねえちゃん。
 この組み合わせ、既に何をするかは決まりきっていた。ジェリーでフィッシングな桃源郷である。
 だが、いざ実行に移そうとすると彼女の目の前に立ちはだかる謎の鎧。絡みつく触手、ヌルヌルの粘液塗れになり縛られる鎧。
 笑顔を浮かべ無傷のフィーコおねえちゃん、完全に意味が分からず唖然とした表情でボクを見るスーおねえちゃん。サキおねえちゃんはなんだか眼鏡のヒトの男と名刺交換をしておりこちらの事はそっちのけ。

 そうこうしているうちに、鎧が触手に押し潰されひしゃげてしまったところで練習試合は幕を閉じていた。
 最悪の結果である。ボクの触手まみれになるフィーコおねえちゃんは、露と消えたのだ。


「と思ってたんだけど、なんか今回また同じ練習相手なんだよね、ラッキー!」

「今度こそあの鎧に邪魔なんてさせないようにしなきゃ……」

 必ずや、ボクの理想の練習試合、竜神アーガ=ダ=ハークの戦いというモノを見せつけなくてはならない。
 戦いの時間は、もうすぐそこに迫っている。



 先日協会で会った、マグノリア=ジーニアスというおねえちゃんに、『具体的に私という人物がどれだけ麗しい等と思っているか、説明してみろ』と言われたので、協会のデータと彼女の戦闘記録などを洗えるだけ洗ってまとめておいた。
これもサキおねえちゃんのアカシックレコードに載るのかと思うと少々癪だが、我ながら自信作なのでしっかりと保存しておくことにする。

http://privatter.net/p/1999336

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『日記:5日目』
 海を満喫する話
 可愛い女の子を見つける話
★強いヒトを見つける話
 ヒトでも魔のモノでも無いモノの話
 サキおねえちゃんへの復讐方法の話

 この世界で言う暦が探索中に経過したらしい。
 年を越えるとヒトはそれを区切りとして心の持ち方を改める。
 スーおねえちゃんも何かしていた…気がする。モノや服を新調しようとしていたが、お金が無いと嘆いていた。
 サキおねえちゃんは、年の暮れに彼女の布教する宗教の年末行事があるとかで、サキちゃんを賛美する歌を歌ったりサンタさんと交信したりしていた。

 そう、サンタさんである。
 あらゆる世界、空間、時さえも超越し、"良い子"という概念であれば種族問わず子供の下にプレゼントをクリスマスの一夜の間に気付かず届ける超常的な存在。サンタクロース。
 この世界にもサンタクロースの風習は存在しているらしく、プレゼントを交換する催しがある程だ。その知名度は計り知れない。
 かく言うボクのところにも、サキおねえちゃんがサンタさんを教えてくれてから数えて2万飛んで812年、一度たりとも欠かすこと無くサンタさんという存在はプレゼントを届けに来ている。
 去年はサキちゃんが教えてくれて、一度食べてみたかった漆眼秋刀魚という魚をお願いしたら本当に届けてくれた。サンタさんという存在は凄い。


「ボクは睡眠は必要が無いから、毎回寝たふりしたり魔力感知場を張り巡らせたり、全力でサンタさんを探してるんだけども今まで一度も見つけた事が無いんだよなぁ……サンタさん、一体何者なんだ……」

 恐らく空間を捻じ曲げる力、存在を感づかれない魔のチカラ、そしてサキちゃん以下ではあるだろうが他者の願望やモノを実現、創造が可能な能力を持った相当の実力者だと思っている。
 一度でいいから会ってみたい物だ。そして、その力を思う存分ぶつけ合ってみたい。
 ……が、仮にボクがサンタさんを滅ぼしてしまった場合、二度とプレゼントは届かないのだろうか? その場合は何か対策を考えておかなくてはならないだろう。

 サキおねえちゃんはサンタさんと親友で度々杯を交わしているらしい。そのうち尋問して口を割らせてみようかと思っている。
 サンタさん、繰り返すが一度会ってみたいものだ。


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『日記:6日目』
 海を満喫する話
★可愛い女の子を見つける話
 強いヒトを見つける話
 ヒトでも魔のモノでも無いモノの話
 サキおねえちゃんへの復讐方法の話

 可愛い女の子にモテたい。
 サキおねえちゃんとテリメインに来る段階で、これはボクの個人的な目的として大目標として決めていたことだ。
 元々は闘争、強さを己の衝動、欲求として糧にしていたのだが、サキおねえちゃんにこの姿にされてからというもの若干好みの傾向が変化している。
 中途半端に人間に対して好意というのだろうか、外見上年上の異性に対しては支配欲に近い感情が湧き上がる事がある。恐らくコレは、


「モテたいってヤツだね、間違いない。」

 かのサキおねえちゃんも全世界の全てのヒトを愛していると言っていたし、ボクもその傾向が伝播してしまったのだろう。
 実際今なら、異性の魅力的な女のヒトに対しては見ていて良い気分がするのは間違いない。
 それならば、竜神と呼ばれるこのボクだ、全ての可愛いおねえちゃんを我が物にするくらいの器量は見せるべきではないだろうか?
 と思ってテリメインで果敢に声を掛けてはいるのだが、


「この子供の見た目じゃ全くモテない!! 完全に子供扱いだ!!」

 そう、相手のこちらを見る目が完全に子供を見るそれなのだ。
 こちらはオトナの対応をしているというのに、様になっていないだの、可愛いだの。ボクをなんだと思っているんだ。
 かの黒死の災厄とまで呼ばれた竜神アーガ=ダ=ハークだぞ。こんな幼い見た目に弱体化させたサキおねえちゃんの趣味を恨むしか無い。

 しかし、このまま嘆いていても進展はないため、ボクなりに独自調査をしてモテる秘訣というのを探してみた。
 なんでも、海、ビーチでルックスに秀でた男のヒトというのは、肌を小麦色に焼いて健康さをアピールするのが効果的だという。
 肌の焼けた優男がビーチでおねえちゃんたちを引き連れているのを見たので恐らく間違いない。
 ボクも今日一日、時間がある時はビーチで肌を焼いてみようかと思う。
 これで明日には可愛いおねえちゃんが10万人くらい声を掛けてくるだろう、間違いない。明日が楽しみである。


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雨宮さん
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