恋の魔法をあなたに〜桜花円舞 Part.8〜

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2017-02-14 19:26:38

甘いチョコレートには、恋の魔法が込められているの。
いちさに恋愛物語、第8話。

Posted by @natsu_luv

今日はバレンタインデー。
刀剣男士たちには馴染みのない行事だけど、私達にとっては大事な日。
私と出雲お姉様は光忠さんと堀川くんに手伝ってもらいながら、刀剣男士たちに渡すチョコレート菓子の準備をしていた。
厨に芳醇な甘い香りが漂い、その香りだけで幸せな気分になる。

「桜ちゃん、この生地はこの型に流し込んで焼いたら良いのかな?」
「光忠さん、ありがとうございます。はい、お願いします」

光忠さんがガトーショコラの生地の仕上げをしている間、出雲お姉様と堀川くんがクランチチョコとチョコタルトの準備を進めていた。
堀川くんはいとも簡単に、湯煎されたチョコレートをタルトカップに流し込んでいた。
それから、クランチチョコの原型をハートの形に整えていた。

「主さん、こんな感じで良いですか?」
「えぇ、そうよ。堀川くん、お菓子も上手ね」
「ありがとうございます」

しばらくすると、オーブンが焼き上がりを告げる音を立てた。
深みのあるチョコレートの香りに苺の甘い香りが混じり合った、苺のガトーショコラの完成だ。
見た目も美しく、良い感じに仕上がった。
冷蔵庫の中にもチョコレートが眠っている。
頃合いを見計らって扉を開けると、ハートの形のクランチチョコとチョコタルトのお出ましだ。

「やった、綺麗に仕上がったよ!」
「光忠さん、堀川くん、ありがとう」
「お安い御用だよ。さぁ、みんなに配りに行こうか」
「僕、兼さん達のところに行きますね!」

出雲お姉様は堀川くんと一緒に、新撰組刀部屋と左文字部屋を廻り始めた。
私も光忠さんと風月お兄様の執務室や三条部屋などを廻った。
一通り廻った後、私は粟田口のお茶会の準備をした。
今日の紅茶はショコラの香りがするミルクティーである。
お菓子はもちろん、私達が作ったチョコレート菓子だ。

「うわぁ、良い香り!」
「これは美味そうだな」
「みんな、いらっしゃい! 今日はバレンタイン特別仕様。全部手作りだよ」
「さようでございますか。楽しみですな」

粟田口一同が執務室に集まり、お茶会が始まった。
笑顔でお菓子と紅茶を堪能するみんなの顔を見て、私は安堵した。
中でも、苺のガトーショコラは大好評だった。
実はいち兄のことを思いながら作ったお菓子だったから、私は小躍りしそうになる程嬉しかった。
大将組と乱ちゃんが何か話をしている。
気がつくと、私はいち兄と二人きりになっていた。

「主、この日のために用意してくださったのですか」
「今日はバレンタインだからね」
「バレンタイン……でございますか。このような美味しいお菓子を作って贈る日なのですか」

テーブルに並んだお菓子を見渡して、いち兄が私に問いかける。
バレンタインに馴染みが無いのか、少し不思議そうな表情を浮かべていた。
そこで、私はバレンタインの本来の意味を伝えた。

「バレンタインは恋人達の日なの。愛の誓いを立てる日でもあるんですって」
「私達の日でございますな。主、愛しております……
「いち兄、私もだよ……

いち兄に抱き寄せられ、口付けを交わす。
チョコレートよりも甘い、愛情が込められた口付け。
チョコレートに秘められた恋の魔法。
その恋の魔法にかかった私達は、幸せな時間を過ごした。
私にとって、最高のバレンタインデーとなった。


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