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キミオタくんss(まどろみ太郎さんの創作キャラ)

全体公開 1001文字
2017-03-17 03:28:59

まどろみ太郎さんの創作キャラ君生拓(きみお たく)くんをお借りしました。
同棲中の彼女が疲れて帰宅した時の一コマ。

「おかえり」
拓は帰宅した彼女をいつも通りに抱き上げる。これは同棲当初から欠かしていない習慣だ。初めの頃は重いから降ろしてほしいと暴れられたが、慣れか諦めかそのうち大人しく身を預けてくるようになった。心も預けてもらったようで、拓はもう二度とこの習慣をやめることはできないだろうな、と思っている。
玄関から奥に向かいながら、いつも先に風呂を使う彼女にそれでも風呂と食事の二択を問う。いつも通りの「お風呂ー」という即答を心の中で一緒に唱えそれは独唱に終わった。
彼女は答えなかった。脱衣所と居間への分岐点で立ち止まる。『いつも通り』というのは崩されると幾ばくかの不安が湧いてくる。
何かあったのだろうか。何かしてしまっただろうか。
それをかき消すように、労わるように声をかけてみる。
「いつもお風呂からだよね」
そうして脱衣所へ向かおうとすると、ぎゅっとしがみつかれて足が止まった。やはり何かあったのだろうか。今まで大人しくはなっても彼女から積極的にくっついてきたことはなかった。
内心動揺しつつも、全神経を集中して彼女の様子を伺う。どんな要望でもできる限り叶えてあげられるように。
すると、彼女は恥ずかしそうにぽつりともらした。
もーちょっと」
いくらでも」
拓は耳を赤くしながらそれだけ答える。
なんてささやかなおねだりなのか。それで照れるとか可愛すぎないか。尊い。うちの子(オレの彼女)可愛い。
いくらでも抱っこしますとも。なんならスクワットだって余裕でできる。上がるテンションのままに始めようとして、なんとか思い留まった。
ふふ、と肩口で彼女が笑う。
「なにオレ、口からなんか漏れてた?」
「ううん、これって『お風呂にする?ごはんにする?それともわ・た・し?』ってやつだよなぁと思って」
「ああ。何よりオレを選んでくれて光栄デス」
本当は頭を撫でたかったけど、両手が塞がっているので額にちゅっと口付けを落とす。赤くなりながらえへへと笑う彼女の顔から、ようやく疲労の色が抜けてきたようだった。
お風呂入ってきなよ、と脱衣所で彼女を降ろす。せっかく珍しく甘えてきたのに離れるのはもったいない気もしたけど、それほど疲れているなら早めに寝かせてあげたい。
そう思ってお風呂上がってすぐにごはんが食べられるよう台所へ向かいながらも、拓は腕の中の彼女のことを思い出すとニマニマしてしまうのだった。


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