@akirenge
【加護者と封印者の詩の説明】
『こんにちは。加護者です。本編にて入れ忘れた詩についての説明をさっくりとここで言うわ』
「……外伝とかで一寸出ている笛吹きとか封印者とか名乗るべき何だろうが花宮諫也で、これは偽名みたいなもんだけど」
『と言うわけでスピンオフで出たり、次の話で出たりした詩をここに書いておくわ』
佐藤春夫 断章
さまよひくれば 秋ぐさの
一つのこりて 咲きにけり
おもかげ見えて なつかしく
手折ればくるし 花ちりぬ
「佐藤春夫は翻訳家だったり、絵画描いてたり小説を書いていたりとか色々やってるんだよな」
『やっているわね。門下生三千人が有名だけれども……。これは定型詩ね。詩や俳句や近代文学の黎明期から開始が十年ほど遅れたのよ』
「最初は海外文学の翻訳やら江戸時代の文学を元にとかだったな。で、定型詩についてだが……」
『分かりやすく開けてみたけど、五・七、もしくは七・五の詩ね……別名は新体詩、五・七は俳句や短歌のリズムね。脇道逸れるから詩だけの解説にするわ』
「アンタ、脇道逸れると長いからな……次は、萩原朔太郎の詩で」
萩原朔太郎 卵
いと高き 梢にありて
ちいさなる 卵ら光り
あふげば小鳥の 巣は光り
いまはや罪びとの 祈るときなる
『最後の方はオーバーしているけれど、こちらは五、七で最後の言葉で神秘性を上げているわね。四行詩を適当チョイスしたんだけど、雰囲気が違うでしょう』
「適当チョイスだったのかよ」
『そうよ。で、次は三好達治ね』
三好達治 山なみとほに
山なみ遠に 春葉きて
こぶしの花は 天上に
雲のかなたに かへれども
かへるべしら 越ゆる路
「花筺ってのに収録されてるっぽいが……」
『詩は言葉の絵画とも言われているわね。いかにして短い言葉を、組み合わせていかにして情景を伝えるか……叙情詩については島崎藤村の若菜集から始まり、
萩原朔太郎と秋刀魚こと佐藤春夫で終わった感じかしら』
「島崎藤村って小説を書いても詩っぽいとか長いだろ、とかになっていたよな。小説の方」
『夜明け前進めてもあの子読めないと想うわ』
「全くだ」
詩のコツ
『コツというか一番良いのはとにかく読むことねぇ……図書館とか本屋に詩集があるから適当に読んでいればいいのが見つかるんじゃ無いかしら』
「アンタ投げすぎじゃね……?」
『そういうものなのよ。定型詩ぐらいは覚えておくと楽しいけど、何かいいしだなーぐらいでいいかんじ』
「雑だな……」
『ついでだし、その次の話で出した萩原朔太郎の詩。家畜を乗せておくわね』
萩原朔太郎 家畜
花やかな月が空にのぼった
げに大地のあかるいことは
小さな白い羊たちよ
家の屋根の下にお這入り
しずかに涙ぐましく動物の足調子をふんで
「詩にしろ小説にしろ作者の作った年代で大分違っていたりもするし、そういうのも加味すると沼と言うが沼だな」
『沼よね……だからこそ、私がある程度の情報を選んだり講座をしたりしているのよ。あの子に』
「……それもどうなるかだが……こんな感じで解説終わり、で」