@satomi8429
140字くらいでかきますタグのやつ。
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扉を閉めてくる、と出て行ったまま戻らない仲間を探しに甲板へ出ると、彼は閉めるべき扉の向こうで背を向けて立っていた。
「井宿さん見てください、今日は夕陽が」
指された方向を見ると今まさに、大きな朱が海に落ちんとしていた。風景についての言葉を聞いたのはこれが初めてのことだった。
「綺麗なのだ」
多少気が読めるとはいえ、他人の心まで読めるわけではない。だからこれは勘でしかないが、この仲間の小さな背中にいつも漂っていた緊張感を今は感じない。
「張宿は…もう大丈夫なのだ」
「え?」
「さ、早く中に入ってご飯にするのだ」
足元には長い影がふたつ。まもなく星が顔を出すだろう。