@akirenge
有島武郎
「貴方は、僕の光だ」
彼女を閉じ込めた本館の地下書庫で、有島武郎は特務司書の少女に口づける。
抵抗しようとしているから、抑える。自分の生前の話を想い出しているのか、
「ありしまさん、めを、さま」
頬を撫でる。
「覚めてるよ。司書さん」
ここにずっと一緒、だ。
坂口安吾
彼女は友人であるオダサクが大事に、それこそ大事にしていて、
最初はそうか、ぐらいは想っていたけれども、今では、
「肩、おさえるの、いた……」
「悪いな。――オダサクが見たら怒るだろうが」
好きなものは咒うか殺すか争うかしなければならない、だなんて。
佐藤春夫
彼女は知らない。
彼の今の性格は脳の病気になってからだ。
以前の性格は、と言えば、
「……はるさん?」
閉じ込めた部屋で緑の目を互いに合わせながら笑う。
「保護者面するのもきついがもう仕舞いだ」
「はるさん?」
「俺も佐藤春夫だよ」
首筋に噛みついた。
萩原朔太郎
風邪を引いた体に萩原朔太郎が抱きついてくる。
「司書さん」
「朔さん、うつるから。速くそれに治したいし」
「治さなくても良いよ」
ふと、力が強くなる。
弟のように認識していた彼だったのだが、
「なおさないと」
「一緒に居ようよ」
世闇の月のような目で、言われた。