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ミシェイル×ミネルバ「いつか、いつの日か」

全体公開 3 1 1405文字
2017-07-09 18:28:58

ミシェミネ初挑戦。
行為はありませんがそれを匂わせる描写あり。
あいかわらず纏まってないですがよければどうぞ。

Posted by @alussfon

いつからだろう。
あなたに憧れたのは。

いつからだろう。
あなたと同じ道を歩みたいと思ったのは。

いつからだろう。
あなたと違う道を選んでしまったのは。


「・・・う・・・」

全身が鈍い痛みに包まれる中、ミネルバが目を覚ます。
そして、傍らに腰掛ける存在に気づいて、声をかけた。

「・・・ミシェイル」

だんだんと思い出してきた。
反乱軍に敗れ、囚われの身となったこと。
ミシェイルによって連れ出されたこと。
その後、意識を失ってしまったこと。

「気がついたか、ミネルバ」

「ここは・・・うっ・・・」

ゆっくりと上体を起こすが、まだ体が軋むような痛みに、短い呻き声をあげる。
視線を落とすと、衣服の下に白い包帯が巻かれていることに気付く。
丁寧だが少しきついそれは、ミネルバの肌を締め付けていた。

「・・・どうして・・・生きている・・・」

かつて暗黒戦争で命を落としたはずの兄に、ミネルバが問いかける。
だが、ミシェイルは何も答えなかった。

「私を、笑いに来たのか・・・かつて貴方を討った者が、傷つく姿を・・・」

その問いかけにも、ミシェイルは答えない。
苛立ったミネルバがミシェイルを睨むと、ミシェイルはミネルバの肩に手を当て、強引に押し倒した。

「ぐぅっ・・・!」

肩の傷の痛みに、ミネルバが声を上げる。
ミシェイルの緋い髪が、ミネルバのそれと絡み合った。

「無理をするな、眠っていろ」

「今更・・・貴方に気を遣ってもらう必要など・・・」

ミシェイルを押し退けようとして手を当て、ミネルバはふと思った。


ああ、そうか。
これはきっと夢だ。
でなければ、かつて死んだこの男が、いるはずがない。
こんなにも優しく、憐れみと罪悪感を隠した、悲しげな表情をするはずがない。
この痛みも、触れる温もりも、きっと夢のものに違いなかった。
そして、夢の中ならば。
女王としての重圧も、姉としての責も忘れられる。
妹として、女として、想いを告げることも出来る。


すっかり乱れて、もはや邪魔になった包帯を全て剥ぎ取る。
そして、新しい包帯で、赤く滲む傷が点在する肌を覆った。

「・・・ミシェイル・・・私は・・・」

「何も言うな、ミネルバ」

自分も衣服を整え、部屋を後にするミシェイル。
ミネルバはゆっくりと体を横たえて、そこに残る二人の温もりを感じた。


一番、大切なもの。
自身に追いすがって来た、小さな命。
それをあえて穢し、傷つけた。
憎んでくれて構わない。
血に汚れた男が、同じ道を歩むことなどできはしないのだから。
だが、もしも。
いつか全てが許されたなら、思うままに生きていきたい。
しかし、来るかも分からないものを待つなど、どうしてできようか。
今はただ、自分を救ってくれたもう一つの命のため、ただゆくだけの事だ。


後にミネルバは、全てを知ることになる。
ミシェイルはマリアにより命を救われていたこと。
ミシェイルはそのマリアのために、独り戦う決意をしたこと。
その兄を、ミネルバは止める事ができなかったこと。
そんな兄が憎いのか、憐れに思っているのか、もはやミネルバ自身にも分からなかった。


いつか、あなたとまた出会えたら。
その時はどんな言葉をかけよう。
どんな道を歩んでいこう。
共に生きるか、それとも・・・

その答えは、未来だけが知っていた。


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