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盤石を期して鍵を開ける準備をせよ(スパイif)

針山レゴ🐳(7/12)
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2017-12-09 09:29:38

スパイifなんだけど……正直ウルムってこういうやつなんじゃないかな……。

湯気とともに紅茶の良い香りが部屋に広がる。熱い紅茶で喉を潤し、資料に目を通す青年は足を組み直す。冷めた瞳で目を通した資料を、興味がなくなったようにバサリと自分の寝台に投げ、自分もその上に身を投げ出す。ガサガサと不快な音と感触がしたのを気にしていないのか、青年の口の端は微かに笑みに浮かべていた。

財団の研究員に溶け込んで出来た捨てられないものも、そもそも祖国に愛なんてものも無い。ただ自分たちの、トメニア第三帝国の負けなど微塵も見えていないし、ブリテンなんて蝿を叩くのに大規模な軍事を使って疲弊させるなんてそれこそ悪手だ。

「——だからこそ、僕がここにきた。」

青年が小さく呟いた言葉は紅茶の湯気とともに部屋に溶ける。
正面から攻めて陥落できない防御要塞は、内側から門の鍵を開けて仕舞えば良い。鍵を開けるように仕組んで行く。そう、鍵を開けるのは得意だ。
青年は寝台から起き上がり、シワのついた資料を白衣の内ポケットに仕舞い込んで、カップに残った紅茶を一息に飲み干した。
きっと、そろそろボクの幼馴染がまたサボってる自分を呼びに来る。その前に、怪しいものは燃してしまおう。そう考えると、魔法でどこでも炎が出せるブリテンの魔術師は便利だな、などと心内にくすりと笑う。

焼却場に紙を一枚投げ込んだときに、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。その声にボクはひらりと手を振りながら振り返った。

「あっ! ウルム!!またサボってるんですかそんなところで!」
「やあニール。ソレはいくらなんでもボクに失礼じゃなイ?仕事してるかもしれないダロウ?」
「じゃあ今日は仕事してたんですか?」
「ウン、今日もサボってたネ!」

まったく!と怒る幼馴染を眺めながら青年も反省してないかのように笑った。それが、いつか捨て置く彼の日常だからだ。
炎の中では、彼の一文字すれ違った名前が書かれた紙が、今チリチリと燃え尽きた。




豆腐屋さん宅ニールくんお借りしております。
イブだからパラレルパラレル!!


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針山レゴ🐳(7/12) @rego1108
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