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冬の一コマ

豆腐屋ふうか
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2017-12-09 21:27:02

 雪がチラチラと降るロンドンの街を2人の青年が並んで歩いていた。
 1人は背の高い、金色の癖毛と眼帯が特徴的な青年。もう1人は背の低い童顔の青年。2人は他愛ない話をしながら何処かへと向かっていく。
「寒いな」
「そうですね」
 眼帯の青年が冷たい風に晒されて赤くなった手を息で温める。
「手が凍りそうだ」
「エドマンド君、手袋つけないんですか?」
「忘れた」
 眼帯をつけた青年──エドマンドと呼ばれた方である──はコートのポケットに手を入れて溜息を吐く。
「はー。ニール、何か暖まるもん持って……あ」
 エドマンドはニールと呼んだ童顔の青年の顔を見て何か思いついたと言いたげに手をポンと打つ。
「なぁ、家まで暖とらせて?」
「……え?」
 ニールは何を言っているのかと言いたげに目を瞬かせる。
「え、あの、暖って」
 じりじりと距離を詰めてくるエドマンドに気圧されてニールは数歩後退る。
「ほら、お前猫とかになれるじゃん?」
「……へ?」
「猫のニールを上着の中に入れて歩けば俺もニールもあったかいだろ?」
「ああー、そういう……そういう……」
 ニールは渋々といった様子で杖を取り出して猫に姿を変える。
「これでいいですか」
「そうそうそんな感じ」
 エドマンドは猫に姿を変えたニールをひょいと持ち上げ、コートの懐に入れた。
「ほら、あったかいだろ?」
「…….ええ、まあ」
「なんだよむくれてー」
「むくれてないです」
 つーんとそっぽを向きながらニールは答えた。

「……もしかして、何か期待した?」

 いたずらっ子のような笑顔を向けるエドマンド。全部分かって言っているのだろうなと、そう感じる笑顔をニールに向ける。

「少し……だけ」

 ニールの返答を聞いて、エドマンドは満足げに笑う。
「なら、次は期待に応えないとッッッッて! 痛ってえ! 爪を! 爪を立てるな!!!」
「子猫なので何言ってるかわかりませんー」
「痛いから!! 悪かったよ面白がって! だからそんなに怒るなって、な?」
「別に怒ってませんもん、子猫ですから」
「子猫は喋らねえ!」
 そんなやりとりをしながらエドマンドはニールを連れて歩いていく。

 家に着くまで、あと10分。

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BC財団 調査員 エドマンド・キャンベルさん
お借りいたしました!不都合があればパラレルとして扱って下さい。


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豆腐屋ふうか @fuka_tofu
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