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少し想いの重い二人

豆腐屋ふうか
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2017-12-18 18:51:25

エイプリルさんと!
口調とかマスターしてないです……すみません

 ニール・ハミルトンには彼が心の中で師と仰ぐ女性が居た。彼女とどういう関係なのか詳しく話せば長くなるのだが、同じ系統の魔法を使う者のよしみで魔法やその他諸々の稽古をつけてもらう関係と言うのがちょうどいいかもしれない。

「調子はどう?」
 彼女との会話においての『調子』とは体調とかそういう意味の『調子』ではないと相場は決まっている。
「あんまり、ですかね」
「そう。……実は私も」
 エイプリルは悩ましげに溜息を吐く。
「……デヴィったら、他の女の子と遊んでばっかりで」
 艶やかな金髪をくるくると弄りながら、許婚への不満を口にするエイプリル。
「私じゃダメなのかしら。私だって可愛い女の子じゃない」
 むすっとしたエイプリルの口からは日ごろから溜め込んでいたのであろう愚痴が溢れ出す。自分より可愛くない女性と歩いていただとか、一緒にいてもいい雰囲気になってくれなかっただとか、許婚のことを思うが故の愚痴が。
「デヴィット君のことが好きなんですね、とっても」
「ち、違う違う! 許婚が居ながら他の女にうつつを抜かすなんて私のプライドが許さないっていうか、その……」
 幼気な少女のように顔を真っ赤にして否定するエイプリルを見て、ニールはくすりと笑う。
「そ、それよりあんたはどうなのよ?」
「……ボクですか?」
 エイプリルの用意した紅茶を一口飲んで口を開く。
「ええ、もう、それは何度も何度も見ていますよ。他の女と歩いてるどころか家まで連れ込んだりとか多すぎて嫌になりますよね、殺してやりたいと何度思ったことか――――」
「ストップストップ! さすがに刃傷沙汰はまずいから!」
「ふふ、狼になって首を食いちぎってやろうと何度思ったか……ふふふ……きっと真っ赤なお花が咲くんでしょうね……」
「帰ってきて! 帰ってきてニール!」
 虚ろな目で物騒な発言を繰り返すニールの肩をエイプリルががくがくと揺する。
「ああすみません、つい……」
「まったく、可能だからこそ恐ろしい……」
 やれやれと溜息を吐くエイプリル。
「そんなことをしないためにこうして集まってるんだから、あまり自分を追い詰めじゃダメよ」
「……そうですね」
 同じ姿を変える魔法の使い手としてエイプリルはニールを気にしてくれていた。もっとずるずると悩んでいた時に声を掛けてくれて以来、ニールは彼女を師匠と慕っている。

 もっとも、何の師匠なのかというと――――

「これでどうでしょうか」
「うんうん、濃すぎず薄すぎずちょうどいい。かなり女の子だ」
 適当な少女に変身したニールの化粧を見て、うんうんと頷くエイプリル。
「いつもありがとうございます」
「同じ悩みを持つ者のよしみなんだから気にしないで。帽子は持ってる?」
 ニールがカーキ色のキャスケットを手渡すと、エイプリルはそれをニールにちょんと被せる。
「帽子は外さないように。いつも癖毛が出ちゃってるから」
「はい」

 そう、彼女は恋人を騙すための変身術と化粧の師匠なのである。

「完璧ね……さ、行こう」
「そうですね」

 人よりも少し想いの重い二人はこうして何週間かに一度、思い人に釘を刺しにロンドンの街を練り歩くのである。

――――――――――――――――――

BC財団 調査員 エイプリル・レインさん

名前だけ
BC財団 警備員 デヴィット・ドリトルさん

お借りいたしました!不都合があればパラレルとして扱ってください。


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豆腐屋ふうか @fuka_tofu
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