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悪戯がしたい

豆腐屋ふうか
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2017-12-20 23:01:45

女装注意!
完全に趣味

 ふと、気になったことがあった。
 前に何度か女性に変身して恋人に会ったことがあったが、今のところ一度もバレたことはない。

――――では、変身せずに『変装』すればどうか?

 気になってしまった以上実行したくてたまらない。
 もし気付かずに声を掛けた相手が変身もしていない自分だったら恋人はどんな反応を示すのだろうと思うとゾクゾクしてしまう。
「……どうせやるなら」
 もっと驚かせてやろう、という気持ちが沸き上がる。いつもやきもちを妬かされているのだ、これぐらいしても罰は当たらないだろう。

 変身してちょこちょこと買い集めていた女性用の服をクローゼットから引っ張り出す。ついでにウィッグやら化粧道具やらも取り出す。よくもまあここまで集めたものだと自分でも引く程に溜まっていた。
「いや、いつか使おうって思ってたし、うん」
 部屋にしっかり鍵を掛け、さてどうしようかと広げたものを見る。
「服はあまり派手過ぎないので……」
 濃い緑のセーターとネイビーのスカートを手に取る。
「髪の毛はちゃんとウィッグで隠して……」
 くすんだ金髪と癖毛を隠すための茶髪のウィッグをつける。
「童顔って言われるし……意外とバレないんじゃないかな? 背もそんなに高い方じゃないし。あとはあまり喋らなければ……」
 くす、と笑みが漏れる。一体どんな反応を返してくれるだろう、そう思うと楽しくてしょうがなかった。

 1時間程かけて化粧まで済ませたニールは、机に置いてあった愛用の鞄から杖と財布を取り出して別の鞄に移し替える。
「後はクローゼットにいろいろしまって……」
 着なかった服たちや化粧道具をクローゼットにしまい込む。あまりのんびりしていられないからと適当に詰め込んでしまった。

 出かける前の最終確認にと、姿見に自分の姿を映したニールは満足げに頷く。
「ふふ、こうしてみると本当にボクだなんて誰にもわからなそう」
 魔法を使ったときのように自分が別人になったような気がして自然と背筋が伸びた。

 ロンドンの街を歩くと、いつも見る景色とは不思議と違って見えた。いつもと違う格好をしているからかそれとも、面白いいたずらを実行している高揚感からか。
「なんか楽しいなあ」
 鼻歌でも飛び出しそうな気分で歩いていると、慣れないヒールで躓いて転びそうになってしまう。
「おっと、大丈夫ですか、レディ?」
 聞き覚えのある声と共に腕を引かれ抱き留められる。恐る恐る顔を上げると想像していた通りの人物がにっこりと笑ってこちらを見ていて、自分がとんでもない恰好で歩いていたと現実に引き戻される。
「……今日はずいぶんとめかし込んでるんだな、ニール?」
 そう言ってニールを助けた男はにやりと笑う。どうやら5秒もしないでバレたらしい、ということだけ理解できた。
「え、あ、の、これは、その」
 しどろもどろになりながら弁解しようとするが気の利いた言葉が浮かばない。そもそもこの状況を打開できる人間がいるのかというレベルのやらかしである。
「似合ってるよ、俺はいつものニールが好きだけどね」
「ううう……ちょっとエドマンド君をびっくりさせたかっただけなんです……」
 エドマンドは顔を真っ赤にして俯くニールの頭を撫でる。
「せっかくだし、そのままどこか喫茶店にでも行くか」
「な、何の罰ゲームですかそれぇ……」
「まあ、俺を騙そうとしたからね」
 人の悪い笑みを浮かべるエドマンド。怒ってはいなさそうだが今日は一日中この格好でいなきゃいけないな、とニールは確信するのだった。

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BC財団 調査員 エドマンド・キャンベルさん
お借りいたしました!不都合があればパラレルとして扱ってください。


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豆腐屋ふうか @fuka_tofu
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