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もしもMr.D以外全員がスパイなら

矢羽
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2017-12-21 22:22:20

警視庁内に用意されたBC財団のミーティングルームにスタッフ全員が集められていた。

このチームの責任者を務めるMr.Dが壇上に立っていた。

「わしは諸君らを誇りに思う。よくぞ審判の部屋の使用を思い止まってくれた」

「当然ですよ、あんな装置人が人に使うものではありません」

「その通りだディヴィッド君」

「それに仮に僕たちに使われても性癖暴露大会になるだけでしょうしねえ」

ニールの一言にどっと笑いが起きる。

審判の部屋が届いてからどこか重苦しい雰囲気がチームを覆っていたが、今は穏やかな空気が満ちていた。

「それでおじさま、皆を集めてどうしたんですか?」

「そうだ今日みんなに集まってもらったのは他でも無い」

エルザに促されMr.Dは本題へと入る。

「わしは事を穏便に済ませたい。なのでスパイがいるなら是非正直に名乗り出て貰いたい」

「また、ずいぶん思いきったことを……」

「アボット君、わしは信じようと思ったのだよ。例えスパイだとしても、ここまで共に過ごし、共に笑ったことには変わりはない。きっと分かり合える筈だ!」

「おじさま……」

「皆、顔を伏せて目を閉じてくれ」

皆、いそいそと机に顔を伏せていく。

「正直に言えばわしは罰しない。スパイは正直に手を上げてくれたまえ」



その場にいた全員が真っ直ぐに手を上げた。


「ちょちょちょちょちょ、待った待った!おかしくない!?」

「Mr.D、落ち着いてください」

「落ち着けるわけないよアルカトラズ君、わし以外全員スパイだったなんて流石に思ってもなかったよ!!」

「おじさま、話を聞いてください!」

「その呼び方はやめたまえエルザ君、まさか君までスパイだったなんてね」

「待ってください!聞いてください!」

「シルヴィ君……」

「確かに私達はスパイで、身分も経歴も嘘ばかりかもしれません。……でも!!」

「……でも?」


「私のロウェル先輩への愛だけは本物なんです!!」

「うん、今その話は良いから座ってもらえる?」

Mr.Dは無表情で着席を促す。

「そんな、酷い!」

「いい加減諦めなさいな」

声の主は、フラウを挟んだ隣のテーブルに座るディアンだ。

「あたしとロウェルはもう婚約してるのよ、あんたも諦めて新しい恋を探しなさいな」

彼女は隣に座るロウェルの手に自身のそれを絡ませていく。その薬指には指輪が嵌められていた。

「ムキー🔪この泥棒猫!!」

シルヴィが懐から取り出したのはドワーフが鍛え上げたミスリル製の出刃包丁だ。

「おいバカ、やめろ!」

「止めないでください、フラウさん!今日と言う今日はもう我慢できません!!」

シルヴィの凶行を止めようと立ちはだかるフラウ。彼女が出鱈目に振り回す包丁の悉くが彼にヒットする。

「いたたた!いてぇって!おい、割と良く刺さってるぞ!!」

「ロウェル先輩、なんでその女を庇うんですか!?うわぁあああん!」


「話を元に戻しましょうか」

「え、アルカトラズ君良いの?」

「いつものことなので」

どうやら痴情の縺れに関して嘘偽りは無いようだ。



「あの……ちょっとお聞きしたいんですが」

気不味そうに手を上げたのはコロンだ。

「なんだね」

「冬のボーナスってどうなるんですか?」

あ~それ大事大事、と誰かが相槌を打つ。

「……ボーナス?」

「はい、ちゃんと支払われるか不安で……」

「いやいや払うわけ無いでしょう!君たちスパイだよ!!なにちゃっかり貰うもの貰おうとしてるの!?」

「ひぅ、そんな……」

「おいおい、女の子相手に怒鳴ってんじゃねえよ」

「ホントサイテー」

「待った待った、エドモンド君、ロゼ君。これわしが悪いの?違うよね?」

「意義あり!」

事態の推移を静観していたエイプリルがここで勢い良く立ち上がった。

「例えスパイだとしても、私達は正式にBC財団のスタッフとして雇用されているわ!」

「確かにそうだけど……」

「だからボーナスは勿論のこと、残った有給も全て消化させてもらうわ!!」

「鬼か貴様は!!」

一通りツッコミが終わり、Mr.Dは息を整える。

「まぁ、素直に名乗り出てくれたことは嬉しいし、君達のこれまでの活躍に免じて穏便には済ませようと思うよ。けど、何でみんなこのタイミングで正体を明かしてくれたんだい?」

「それはこれを見ていただきたかったからですよ」

ハロルドが差し出してきた箱を開ける。

「何だいこれは?」

Mr.Dの疑問に応えたのは傍らに控えていたメルヴィだ。

「この天照国で発見されたマクガフィンM-2988…………だったものです」

「過去形になってるのは何で!?」

「見ての通り粉々になっておりまして……」

「だから何で!?誰がこんなことしたのかね!!」

メルヴィは無言で犯人を指で示す。

「てへ♪」

ひとさし指を頬に当て笑顔を浮かべるナタリアの姿があった。

「なーるほどね!」

ここでMr.Dはあることに気付く。

「なるほどねじゃねえわ!つまり、マクガフィンは破壊されてるのに時間の異常は収まってないと言うことになるんじゃないかね」

「その通りです」

「それってかなり不味いことになってないかね」

「ええ、その通りです。なのでーー」

ハロルドは粉々になったマクガフィンをMr.Dに押し付ける。

「これはお返ししますので、あとはなんとかしてください」

「へ?」

ハロルドが告げた言葉にMr.Dは目を丸くすることしか出来なかった。

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Mr.D さん
デヴィット・ドリトルさん
ニール・ハミルトンさん
エルザ・プラマティテさん
ズリエル・アボットさん
アルカトラズ・D・フェルマさん
シルヴィ・クロウリーさん
ロウェル・ベルデさん
ディアン・ストーミーさん
フラウ・ミンゴレッドさん
エドマンド・キャンベルさん
ロゼール・レッドフォードさん
エイプリル・レインさん
ハロルド・ワーナーさん
メルヴィ・アリシア・ヴェンネルバリさん


お借りしました。
パラレルとして扱ってますのでキャラ崩壊については多目に見てください。


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矢羽 @takur_00
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