ラムダがハロウィン学園に入学するもっと前の、小学校低学年くらいの捏造。
ハロ学に入学できたからラムダは幸せになれてたらいいな、っていう妄想から勢いで書き上げた話です。
@_mat0i
下校の時間を告げる鐘が鳴る。
するとボクは小さなため息をつく。これももう日課になってしまっている。
だって、学校が終わっちゃったらおうちに帰らないといけないもの。
おうちになんて帰りたくないんだ。真っ暗な部屋につめたくなったご飯がぽつんと置いてあるだけの、空っぽのおうちに。
はああ、ともうひとつ、長いため息をつく。
まわりのみんなは笑顔で、お友達と一緒に帰っていく。明るいおうちに、あたたかいごはんと、優しいお母さんにむかえられて。
「いいなあ…」
あたたかい家族にむかえられる子がうらやましい。
おとうさんは顔も見たことがない。おかあさんはいつも怒った顔してる。ボクの顔が、いなくなったお父さんの顔と重なって見えるんだって。
おねえちゃんはボクのことを怒ったり、ひどいことを言ったりはしない。だけど、あたたかくむかえてくれるわけでもない。自分のことしか考えてないんだ。
おうちに帰ってもボクは一人っきり。真っ暗な部屋にただいまをして、つめたい水で手を洗ってうがいをして、寒い部屋でおねえちゃんが帰ってくるのを待ってるだけ。おかあさんはたまにしか帰ってこないし、おねえちゃんも時計の針が2本とも12を越えないと帰ってこない。
「…………」
学校はとても楽しい。勉強も、やればやるだけわかるようになってくる。
学校に来れば、友達に囲まれてボクはとてもあたたかい気持ちになる。
学校でみんなと一緒に暮らせたらいいのに……。
「……………………」
ため息も出てこなくなったら、あきらめてボクはおうちに帰る。
毎日同じ、変わらない。つめたいボクの毎日。
誰でもいいんだ。ボクをあたたかくむかえてくれるなら、誰だって。
嘘でもいいんだ。ボクをあたたかくほめてくれるなら、誰だって。
おかえり、外は寒かっただろう、あたたかいご飯があるよ、あたたかいお風呂わかしてあるよ、あたたかいお布団がしいてあるよ。
ラムダは毎日ちゃんと宿題をやって、えらいね。ラムダはテストで良い点をとって、えらいね。ラムダは、自分で何でもできて、えらいね。
誰だっていいから、ボクをあたためて。つめたくなったボクの身体を、心をあたためてよ。
そう思いながら、また今日もボクは変わらない真っ暗な部屋にーーー
「…………ただいま…」