@syuu_29
おなかすいたー、と子どもじみたことを言う声が聞こえる。聞き覚えのある声に顔をあげれば、現れたのは見覚えのある黒服眼鏡を筆頭とした棍棒の面々だ。
「パーチェ、また巡回ですか」
「あっれールカちゃん! めっずらしーい」
「おつかれさまでーす」「あっそれ新メニューですか!」「ボス、頼んでいいですか!?」
「おーう、頼め頼めー。あっ マスター、ラ・ザーニアとりあえず二十人前ね!」
人懐こい部下をひきつれて、隣のテーブルにやってきたパーチェは声を張り上げて注文しつつ、何の断りもなく勝手に隣の机を寄せはじめた。
「せっかくだから一緒に食べよう!なんかルカと一緒のご飯って最近なかったから新鮮だよねぇ」
「ちょっと、パーチェなにを自然に人のパスタを食べて…って何口食べる気ですか!」
何気ないようすでフォークを差し込んでくるパーチェに、行儀も捨ててルカは応戦した。ガチリとフォークが噛み合い、パスタの取り合いという地味な戦いが始まる。
「えーいいじゃん、ちょーっとだよ? どうせお会計混ぜちゃうし、気にしない気にしなーい」
「気にしますよ! ちゃんと今日もツケずに払えるんでしょうね? あなたのツケが溜まったおかげで、お嬢様にツケ回収係のお鉢が回ったこと、ちゃんと聞いているんですよ」
「げっ ルカまでそんな……」
いたいところを突かれ、フォークを持つ手の力がわずかに抜ける。それを見逃さず、皿ごととりあげたルカはまるで飢えた犬から餌を取り上げる飼い主じみた警戒で、皿を抱え込んだ。
「いい子だから大好きなラザニアが来るまで大人しくしていなさい」
「ルカちゃんのけちんぼー」
「ボス、文句が低レベルすぎっす!」「俺のパスタあげますから!!」「ルカさんすんません、うちのボスの食い意地が迷惑かけて…」
「ちょ、ちょっとお前ら俺がだめみたいだからそういうフォローなしで…」
「みたいじゃなくて事実だろーが」
「そうですよ」
「デビト、急に現れて援護射撃とかずるいよ!!」
「そうかァ?」
そいつは悪いと割り込んだ伊達男が笑う。デビトまで現れるのは珍しい。とくに食事時に。
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オチなし
二年前に書いてそのまんま