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モノクロの悪夢

@fuka_tofu
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2018-01-27 01:12:46

レイさんととらちゃんの間で何があったのかなー妄想

 白と黒と、それから濃淡の違う灰色。
 微妙なニュアンスの実質2色で構成された少女の記憶は鮮明に残っている。
 とてもとても、厭な記憶。
「ねえ、あなたは何色?……とても暗い色をしているわ」
 まだ、汚れていなかった真紅の髪の毛を、モノクロの少女はそう評した。
「くら、い……?」
 表情が変わるのを見たのか、少女はハッと口を手で押さえる。
「ちがう、僕は、僕は暗い色なんかじゃない、僕の、僕の髪は──」
 歪む視界の中で『母様と同じ赤色だ』と言おうとして自分の髪を見ると、暗い灰色が目に飛び込んでくる。
「やだ、嘘だ、何で、やだ、嘘、嫌、嫌だ、嘘だ」
 いつのまにか目の前にいた白黒の少女が死んだ筈の父親に変わっていて、虚ろな目をこちらに向けて──

 けたたましいベルの音で目が覚めた。

「何だ、夢、か」
 あの少女に会って以来、嫌な夢を見る事があった。それどころか母親と同じ赤毛を失ってからは悪夢を見ない日の方が珍しい程になっていた。
 あの少女があの後どうなったのかはわからない。少女の言葉を聞いて過呼吸を起こして倒れてしまった為、自分が赤毛だと伝えられていないことだけは覚えている。

 その日は民俗学部に用があった。

 用があった職員を探して入った資料室にいた女を見て、息が止まった。
 あの白黒の少女と雰囲気がそっくりだったのだ。
 入り口で立ち尽くしていると、こちらに気付いたらしい女が歩み寄ってきた。

──やめろ、こっちに来るな!

 両手両足が石のように重たい。
 息をするのもやっとで、女はそんな自分の顔を見て首をかしげる。
「体調でも悪いのかい?」
「……いや、オタクが気にすることじゃ、無い……」
 胸を押さえて女から目を逸らす。これ以上視界に入れていたら、気が狂ってしまうような気がして。

「……その濃い灰色、何処かであったような気がする。……でも毛先の色が違うから、よく似た色の別人かな」

──何かが、切れる、音がした。

 そういえば、この日はここ数年で一番良くない日だなんて、そう占いで出たような。それを思い出すのは、全て終わった後だった。


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塩水ソル子さん宅 レイ・ゲンボーゲンさんお借りいたしました!
不都合があればパラレルとして扱ってください。


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豆腐屋ふうか
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