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ヴァンパロ×通常エツエツ1

全体公開 10077文字
2018-02-06 12:15:09

ヴァンパロの世界に通常エツエツが異世界移動する話。親方!エツィオが5人に!

Posted by @acbh_dmc4

吹き飛ばされ、体を立て直すことも叶わず問答無用で地面に叩き付けられる。
かなりの衝撃に背中を強かに打ち付けて思わず呻き声が出た。
動けるようになるまで痛みをやり過ごしてからゆっくりと立ち上がる。
周りを見渡すとローマ郊外のような、しかしどこか雰囲気の違う場所であった。
俺は確か屋内に居たはずで、テベル塔の作戦室に導師と若い俺とで導師の持ち込んだエデンの林檎を囲んでいた筈だ。
こんな所に出現する直前に、林檎が暴発して凄まじい力を放出していた。

また林檎のせいで異世界へと飛ばされてしまった。
昔、導師が持ってきた林檎に訳の分からない世界に飛ばされてしまったことがあるし。
とりあえずはここがどこなのかを知る必要がある。

ひとまず人の居る場所を目指して道をひたすら歩いた。



*******


「フェデリコ、すまないが急いでもらえるか?3日も家を開けてしまったエツィオの機嫌がこれ以上悪くなる前に帰らねば」
「はい。承知しております。お土産も沢山買いましたし、それで機嫌が直ると良いですね」

ユリウスに同行し、各地への行幸を終えてやっと帰途に着く。
彼の相談役である私は、度々地方へと彼と同行することがあったが、妻が出来てからは控えさせてもらっていた。
しかし今回ばかりはそうも言っていられなくなった。
ユリウスが向かう先は人を襲うヴァンピーロ達の拠点が近く、治安が決して良くない場所だ。
彼の一番の護衛としても私の力が必要だと彼に請われたのだ。
仕事を終え、ユリウスの馬車には護りの陣を敷いてあるので彼が馬車に乗り込んだのを確認してから分かれた。
ユリウス自身はこの他にも向かう地があるが、そこは治安が安定しているので私がついている必要はないだろう。

妻と子を置いて屋敷を開けるのは今回が初めてであった。
妻は私が出かける時もとても不安そうにしていた。
妻のその頼りない姿を思い出すと心が急く。
早く彼を抱きしめたい。
寂しい思いをさせたことを詫び、とことん彼を甘やかしたい。

暫く外をぼんやりと眺め、妻の事を考えていると、急に馬車が止まった。
こんな時に、何かトラブルかと思い馬車の小窓をあけ、前方に居るフェデリコにどうしたのか聞く。
どうやら旅の男に道を尋ねられていただけのようだ。

ちらりとその男を見やる。
白いフードを目深に被り、顔は良く見えない。
しかし、そのローブは妻のものとよく似ており、僅かに覗くその口元も妻にとてもよく似ていた。
男はとにかく人の居る町へ行きたいようで、特に行き先はどこでも良いとの事だった。

「ならばこの馬車に乗るといい。丁度話し相手も欲しいところだったしな」
「それは助かります」
「では、こちらへ」

男が馬車へと乗り込む。
改めて礼を言おうとしたのだろう、男が私を見上げると途端に驚いたように口を開いた。

「ど、導師!何であんたこんな馬車にちゃっかり乗っているんだ!どこで手配したんだ?」
………?これは私の馬車だが」
え?という事はまた俺は未来に来たのか?」
「未来?ちょっと待ってくれ。君は私を知っているようだが、一体
「何をふざけているのです。俺です」

男がフードを取る。
フードを取った男はとても不満そうな顔をした私の妻だった。




******

3日前に遡る。

私は竜巻のような風圧に押されながらも転倒を防ぎ、周囲が落ち着くのを待ってゆっくりと目を開けた。
辺りを見渡す。
目の前に遠い昔に見覚えのある屋敷を見上げ、ここが何処であるのかを悟る。
何度も時空を旅しており、我ながら慣れたものだと感心する。
屋敷の表門のところまで歩いていけば、すれ違う者達が私をここの屋敷の主だと勘違いをして声をかけてくる。
否定するのも面倒で、適当に相槌を打ち、通り過ぎれば屋敷の門のところで花に水遣りをしていたエツィオにそっくりなヴァンピーロに声をかけられた。

「領主?!お戻りは3日後になると仰っていたのに何か忘れ物でも
「いいや、君の言う領主はちゃんと3日後に帰ってくるよ。私は残念ながら君の夫ではないのでね。ほら、触れてみてくれ。私は人だから君よりも体温が高い。分かるかな」

エツィオに似たヴァンピーロの手を取り私の頬に温度の無い彼の手を当てる。
ヴァンピーロは驚いたのか目を瞠り、口を開いた。

「何の冗談だ?領主に化けて何か悪さをしようとしてるヴァンピーロか?!」
「いや、悪さは企んでいない。そしてヴァンピーロでもない。何の力もない普通の人間だよ」
………

怪訝そうに私を見上げる。
頬に当てている彼の手を取り、跪いて手の甲に唇を落とす。
途端に慌てて手を引かれて苦笑する。

「美しい貴方に一つお願いがあるのですが」
「な、なんだ?!」
「私を暫くの間ここに置いて頂けないでしょうか?」
……お、俺に言われても……
「それかここの付近で宿でも紹介してくれると有難い。私の恋人が3日後この屋敷に訪れるので、それまで置いていただきたいのだ」
………

ヴァンピーロは私のその言葉に少しだけ寂しそうな顔をしてから頷いてくれた。



私のエツィオがここに来るまで3日間、久々に穏やかな日々を過ごした。
手持ち無沙汰のためこの館の奥方について、庭の草花の手入を手伝って過ごした。
土いじりというのも存外、熱中したら楽しいもので、奥方と一緒に薔薇の手入れをするのはとても興味深い経験となった。
奥方も最初こそ警戒して居たが、徐々に打ち解け、彼の表情は判別し辛いが笑顔を見せてくれるようになった。

そして3日目の朝が来る。
奥方は朝からどこかソワソワと落ち着きなく、食事もそこそこに子供を抱えて表門の所でずっとウロウロと領主が帰るのを待ち焦がれていた。
領主とエツィオがこの屋敷に着くのは昼過ぎだったと記憶しているが、朝から外へ出て何時間もそうして落ち着きなく待つ様は本当に健気でいじらしい。
しかしあまりに上の空が過ぎていて普段外へ出るときには被っているヴェールを忘れている。
日の光を長時間浴びると気分が悪くなると言う奥方のために、私は彼のヴェールを持って行き、そしておとなしく抱かれている彼らの息子を預かって彼に付き合い玄関先でエツィオたちの到着を待った。


昼過ぎ、待ち焦がれた馬車が表門の前に着いた。
とても困惑した顔のエツィオと私にそっくりな領主が揃って馬車から降りてくる。
奥方は領主しか見えていないのか、可能な限り早く領主に近寄ると、ハグとキスで彼を迎えた。
その様子を近くで見ていたエツィオは、奥方を見てとても驚いた顔をした。
それはそうだろう、自分にそっくりな者が私に似た男に愛しそうに縋り付き、人目も憚らず甘えるのだから。
エツィオと領主は馬車の中ではずっとお互いに噛み合わない会話をし、とても気まずい時を過ごしていた。

「エツィオ!無事に会えて何よりだ」
「ど、導師?本物?」
「ああ、本物だよ」
……で?その腕の中のモノは一体……
「ああ、そこのヴァンピーロ夫妻の一人息子だ」

そう言ってすやすやと腕の中で寝息を立てる子供の手を使って領主と奥方を指せば、あちらも私たちを見ていた。
領主が厳しい顔で私達を見やる。
エツィオはえ、どっちの連れ子?と声を落として聞いてくる。
領主がこちらにずんずんと近寄り、私に息子を渡すように言うと、礼を言って出迎えに出てきていた子守りに預けた。
エツィオがポカンと領主を見つめる。

「あの子は私と妻との間の子だよ。妻が産んだのだ」
「え、妻って、あの俺に似た……男、だよな?」
「ヴァンピーロとした時に、男性でも子を孕めるようにしたのだ」
「ヴァンピーロ?!ヴァンピーロって血を飲む、あの?」
「そうだ」

事情が飲み込めず、ポカンと私と領主を交互に見やる。
訳が分からんと呟くと、領主が私のほうへと向き合った。

「それで、君達は何者かな?見たところ普通の人間のようだが」
「ええ、人間です。ただ、ある恐ろしい力を秘めた秘宝の力でこの世界に飛ばされました。
これなのですが……今は力を失っています」
……これは、知識の都に安置されている秘宝に似ているな何故、貴方がこれを?」
「それを話すと長くなります。しかしこれはこの世界のものではありません。そして私達がここへ来た原因はこれにある。
私たちは確かに貴方達とは別人だが私が思うに、完全に別の存在とは思えません」
……ふむ」

領主へ林檎を手渡す。
私のエツィオはそれをはらはらとした面持ちで見つめていた。
ヴァンピーロだなどと訳の分からない御伽噺のような自己紹介をされ、何かに化かされているかのような、自分達にそっくりな者達を信用していいものかどうか迷っている。
しかし私が気安い風に接するのを見て、危険ではないことは理解したようで手は出さない。
領主が林檎を握ると、林檎が僅かに光を発した。
しかしそれは微々たる物で、この世界へと飛ばされた時のような激しい反応は無い。

「マキャベリに連絡しよう。暫くこれを預かっても?」
「頼みます」

知っている者の名に反応してエツィオが物言いたげにこちらを見る。
私は一旦落ち着くように彼の肩に手を乗せると目配せをして黙らせた。
領主は屋敷でもっと詳しい状況を話して欲しいと言い、私たちを応接室へと通してくれた。
ゆったりとして座り心地のいいカウチへと身を預ける。
召し使えの者が直ぐに茶と菓子を出してくれて礼を言う。
私はこの世界へと飛ばされるまでの経緯を領主とその妻に話して聞かせ、林檎の力が復活するまでの宿を紹介して欲しいとお願いした。

「町の宿に紹介してもいいが、君達の見た目が問題だ。余計な混乱を呼ぶのが目に見えている。この館に滞在すると良い。秘宝の情報も入れば直ぐ伝えられるしな」
「それは有難い」
「しかし貴方は不思議だな。まるでこうなることを知っていたようだ」

領主がまっすぐと人の心を見透かすような視線で私を射抜く。
私は僅かに笑んで彼の真摯な眼差しに応えて柔らかく見つめ返した。
それが挑発的に写ったのだろう、エツィオが私の服を引っ張り焦ったように止めに入った。
くいくいと服を引っ張り注意を向けようとしているエツィオに顔を向ける。
彼が今何を思って私を見つめているかは分かっている。
それ以上変なことをするなと言いたげに見つめられ、私は苦笑して心配するなと諭した。

その様子を領主も微笑ましく見詰める。

「君達は私たちに近しいものを感じる。きっと近い存在なのだろう。私はあまり構えないと思うが、ゆっくりしていってくれ」

そう穏やかに微笑んで、領主は私たちに部屋を案内しようと立ち上がった。



***


エツィオが来る前に私はこの屋敷に滞在させてもらっていたので、部屋は引き続きそちらでとの話になった。
エツィオは私たちの滞在する客間へと通されると、当然のように1部屋に2人でと言われ、エツィオは顔を赤くして抗議する為に背後のヴァンピーロに向き直ろうとした。
私はさっとエツィオの口を片手で塞ぎ、腕を彼の首に絡めて二人に礼を言うと、些か強引に案内された客間へと彼を引っ張りこんだ。
扉を閉める。
私の腕を振り解き、興奮したように抗議する。

「な、なんで俺があんたと同室なんだ!」
「あのヴァンピーロ夫妻を見ろ。中睦まじく幸せそうだろう?当然そっくりな私たちも彼らやその他にとったら恋人同士に見える。まあ、彼の妻にはお前を恋人だと既に紹介しているしな」
「するな!恋人じゃない!そもそも男同士はタブーじゃないか!」

わあわあと喧しく騒ぎ立てるので無駄だと分かっていたが、外にも聞こえてしまっていた。
コンコンと控えめなノックの後、執事とヴァンピーロ夫妻が心配そうな顔で戸を開き、何か手違いがあったかと聞いてきた。

「いや、問題ない。ちょっと恋人がへそを曲げてしまt・・・」
「恋人じゃない!あんたと同室なんかになったら夜な夜な何されるか分かったもんじゃない!」
「エツィオ、部屋を分けたところで夜這いに行くぞ?それなら面倒なく同室のほうが手っ取り早いじゃないか」
「最悪だ!あの!やっぱり俺だけ町の宿紹介してくれないか!」

我が儘全開で騒ぐエツィオにヴァンピーロ夫妻と執事はポカンと面食らう。
とにかく問題は無いからとエツィオを奥に追いやって取り繕う。
扉を再度閉める間に見えた領主の妻は、とてもショックを受けたような顔をしていた。

「エツィオ、お前もう少し思慮深くなりなさい。奥方がショックを受けた顔をしていた」
「だからなんだというんだ!俺たちは別に恋人でも夫婦でもない!」
「あのヴァンピーロは繊細だ。そしてとても弱いああでもこれをダシにいちゃつきそうだな、羨ましい」
「なんだって?!」

あまりにも喧しく怒るので(しかし照れ隠しなのは分かっている)とりあえず彼を部屋の豪奢なベッドへと腰掛けさせ落ち着かせる。
久々にこのような豪華な屋敷へ泊まるのだ。
若いころは当然だった快適な空間も、今では久しい。
穏やかな時間とは縁遠くなってしまった我々にとって、久々の安息の時だ。

覚えのある柔らかく押し返すベッドの感触に、エツィオの機嫌が少々向上したようで文句を連ねていた口が閉じられる。
そのままベッドへと体を倒すとほぅと息を吐きようやと落ち着いたようだ。

改めて私にこの世界がどういうところなのかと問うて来る。
簡潔に私やお前が別個に存在し、ヴァンピーロとなって幸せに暮らしている世界だと言ってやれば、胡散臭そうな顔をしたエツィオが私を一瞥した。

ポツリと珍妙な世界だと鼻で笑っていうエツィオにやれやれと苦笑する。

彼にとってはこれからが大変になるというのに。
素直に愛し愛されて心を寄せ合うあのヴァンピーロ夫妻に尋常じゃない嫉妬を覚えたことを思い出す。
そして奥方に嫉妬心から辛く当たってしまった事も。
導師がいちいち彼を庇うのも腹を立てる一因だった。

さて、この世界に居る間、どうしたものか私も彼の心を嫉妬に焚き付けぬよう、どうフォローしたものか……
私自身、過ぎてしまえば今では良い思い出のような気もするが、当時は全てが面白くなかった。
エツィオの隣に腰掛け、彼を見下ろす。
エツィオはわざとこちらを向こうとはせずに知らん振りをする。
相変わらずつれない彼は、私の心を煽り立てる天才だった。

「エツィオ、暫くはこの世界に滞在しなければならない。だが心配するな。帰る頃は何故かそんなに時間は経っていないのだ」
「そうなのですか?」
「ああ。きっとこの世界にいつまで居ようとも、戻る時は、時間を戻されるのかな随分長いこと旅をしてしまったと思ったが、
向こうではせいぜい2〜3日程度しか経っていなかった。だから、安心しなさい」

さらりと彼の前髪を撫ぜる。
そして額から頬を辿って首筋を撫でる。
不思議そうに見上げる彼に覆いかぶさってゆっくりと口付けた。

「この世界に居る間、私の恋人になってはくれないか?」
……な、にを
「愛しているんだ、お前をだから、この時だけでも私と

頬を赤らめ、私を見詰める。
折角穏やかに時を過ごせるのならお前を独り占めさせてくれと囁けば、嬉しいくせに眉間にしわを寄せてフンとそっぽを向いた。



***


「夜這いするにしろされるにしろ、一応寝室は分けたほうがいいだろうか?」

ディナー中に領主が直球で爆弾を投げて寄越す。
あまりの事に絶句するエツィオを尻目に、こちらも気になっていたことを聞いてみた。

「いや、同じ部屋で結構です。それよりも、人様の家なのでどの程度、夜が許されるのかが気になって
「羽目を外さない程度に、とだけ言っておこう。君達が恋人同士だと思ったので同室にしたのだ。好きにするといい」
「ちょっ!何言ってんだアンタらっ」
「大事なことだろう?私たちに残された時間は僅かだ時を無駄にしたくない。お前が傍に居るなら私はお前を求めるよ」
「で、結局のところ君達は恋人同士で合っているのかな?」
「違います!」
「ええ、照れてこうは言っていますが恋人です」

シレっとして言えば、怖い顔をしたエツィオがこちらを睨み付けて来る。
そんな私とエツィオを不思議そうに見詰める夫妻に、彼は素直じゃないのだと言えば、二人とも納得した。
奥方が俺にも覚えがありますと和やかに返すとだから違うといっている!とエツィオが噛み付く。
その場の空気を悪くするのは良くないと、エツィオの名を呼び嗜めればむくれた彼はそっぽを向いた。
少なくとも私は彼を愛していると伝えれば、奥方はホッとした様な顔をしたので胸をなでおろす。
ふとエツィオの視線を感じてそちらを向けば、怒りたいような照れくさいような複雑な顔をしていた。
思わず笑ってしまうと真っ赤になったエツィオが悔しそうに手元の皿を見つめた。



食事を終えて部屋へと帰る。
風呂の準備が整うまで暫し部屋で寛ぐ。

「あんた、アレ奥方のために言ったんだろう?」

アレ、と言われ何だったかと一瞬考える。
するとエツィオは視線を足元に落とし、俺の事を愛してるってとぼそぼそと呟いた。

「愛しているのは事実だ。それに、少しでもお前に振り向いて欲しいから何度だって言うよ。私の愛の言葉は全てお前の為だ。あの奥方のためではない」
………

おいで、と手を差し出して言えば不承不承と言った態でこちらへと来る。
椅子から立ち上がり、彼を抱きしめれば先ほどの言葉が利いたのか素直に腕に収まってくれた。
彼の手を取り、指先に口付ける。
そのまま彼の手を私の頬に寄せて、彼の腰を抱いた。
甘い雰囲気の中、彼に戯れのようなキスを送る。
啄ばむようなキスから徐々に熱く、深く互いを探り合うようなキスに変わっていく。
鼻に掛かるエツィオの声が私を堪らなくさせる。

まるで麻薬だ。触れても触れても、またすぐに欲しくなる。

彼の口内を好きなだけ味わい、唇をスライドさせ、顎から首筋へと移していく。
エツィオは私の胸を形だけ押し返そうとするが、彼も私が欲しいのだろう、本気で抵抗する素振りは無い。
彼の首筋に吸い付きながら彼の腰に回していた手を、ゆっくりと双丘の狭間に滑り込ます。

「ど、導師……
「今すぐお前が欲しい。いいね?」
…………

有無を言わせずエツィオの耳にそう囁けば、こくりと彼の喉がなる。
ゆっくりとベッドへと向かいながら喰らう様に彼に深く口付け、焦らすように服を脱がせる。
エツィオがベッドに躓き、倒れこむように二人とも柔らかなシーツの波に沈む。

「風呂を頼んでいたのではないのですか
「準備が出来るまでまだ時間が掛かる。風呂が沸いたら二人で入ろう。ちゃんと奥まで洗ってやる」
「あっこの、スケベ親父」

彼の胸を手のひらで包むように揉む。
女ではないのだからと恥ずかしそうに嫌がる声を上げるが、止めさせようとはしない。
口付けながらそうして彼の体を両の掌で愛で、ゆっくりと彼の快感を引き出していく。
彼の内股を撫で掴み、彼の太ももを持ち上げ私の肩にかける。
胸から腹、臍の窪みを味わうように舐め、彼の体に所有の証を刻む。
臍から続く陰毛に沿って唇を寄せ、彼の期待に震える欲を無視して太ももへと唇を贈る。

非難がましく落とされる視線に挑発的に笑んで見つめれば、エツィオは見せ付けるように自身の欲に手をかけた。
目の前で彼の手が自身の欲望を育てるのを見つめる。
快感に蕩ける彼の淫らな顔を眺めながら、時折亀頭に口付けてみる。

「舐めろよ

手淫を止めて、私の口元に彼の欲望が突きつけられる。
眉根を寄せ切なそうに見下ろされて笑みが漏れた。
彼の注文どおり彼の欲望を舐めてやる。
飴でも舐めるようにぺろぺろと表皮をなぞるばかりの私に彼が焦れる。

「咥えて喉の奥まで飲み込めよ。得意だろ?」
「人に物を頼む態度ではないな。欲しいならそれ相応の頼み方があるだろう?」
……頼むから、アンタの口で俺のを咥えて扱いてイかせてくれ」

不機嫌でぞんざいな口調で強請られる。
昔は媚びる様に強請るその姿が腹立たしくて、そんなに男が欲しいかとなじっていたが、これはこれで可愛げのないその高飛車な態度が征服欲を刺激する。
私はどんな彼でも結局は理由をつけては求めるのだなと自身に苦笑した。
グイと彼の太ももを持ち上げて大きく股を開かせる。
彼は後ろの穴まで見えるような体制にされて羞恥から頬を染め、物言いたそうにしながら顔を顰める。
中心で物欲しそうに揺れる昂ぶりに唇を寄せて彼を見上げれば、私の目を見つめ期待に喉を鳴らした。
硬く育った彼自身を咥えて一気に喉の奥まで飲み込む。
喉の奥を締め、彼の亀頭を締め付ければ、気持ち良さそうな押し殺した声が降ってくる。
引き抜いては彼の欲望を吸い出すように吸い付き、時折舌で穴をくじる。
何度もそうして抽挿を繰り返すと強い刺激にぴくぴくと太股を痙攣させ、ひっきりなしに喘ぎ声を上げる。

私の髪を掻き混ぜるように絡めていた彼の両の手が離れると、喘ぎ声を押し殺すようなくぐもった声に変わる。
私は彼自身を咥えながら見上げると、彼は片手を口に当て、快感をやり過ごしているようだった。
もっと声が聞きたい
エツィオの手を口から離させようと、一度彼の欲望から口を離す。
彼を見下ろす格好となり彼を良く見ると、彼の片手がいつの間にか自身の後ろに潜み、いつも私を受け入れている蕾を解す様に指が挿入されていた。
彼の唾液かそれとも彼の竿を伝い落ちた愛液か、その穴はしとどに濡れそぼり、てらてらと光る。
後ろ手で解し難そうな蕾に私は指を宛がった。
指を一本もぐりこませれば、彼は噛んでいた手を離し、ひときわ大きく啼いた。
口と片手で彼の欲を慰め、彼の後ろに指を潜り込ませて同時に刺激する。
ヒクヒクと中を蠢動させながらエツィオが善がる。
彼の弱いところをイかないように強弱をつけて攻めてやれば涙と欲に濡れた目で見下ろされる。
入り口のイイ処をわざと外してたっぷりと解してやれば彼は私が喜ぶ言葉を選び、必死に私にイキたいと強請る。

そう慌てるな、と笑んで答えれば、いやいやをするように彼が頭を振った。

「ほしい、導師、お願い早く!」
「そろそろ風呂の準備が出来るころかな。屋敷の者が呼びに来るやも
「しらないっ導師がほしい!お願いですからっ」

余裕なく懇願するエツィオは、もはや私と繋がる事しか考えられない。
エツィオの痴態に煽られ熱を持ち、痛いほどに勃ち上った自身を取り出す。
正直余裕がないのは私も同じで、彼の足を私の肩にかけると昂ぶりを彼の蕾に宛がった。
一気に彼の中に突き入れる。
彼の熱くて狭い胎は私の物をキツク締め付け、種を寄越せとばかりにうねり吸い付いた。
ゆっくりと腰を進めて彼の中を味わう。
私が腰を進めるたびに彼はシーツを掻き、快感に背を逸らした。
逸らされた彼の胸を飾るピンク色の乳房が私を誘う。
舌を伸ばして彼のぷっくりとした尖りを舐め転がすと、切なげに眉を寄せたエツィオが私の手をとって反対側の乳房に触れさせた。
胸全体をわし掴むようにして揉み、親指の腹で乳房を押しつぶす。
そして入り口付近にある彼のイイところを狙い、腰も早めていけば、エツィオは私の頭を抱え肌を震わせ悦んだ。

開放に向かい昇りつめる。
先にイキそうになるエツィオの雄を強めに掴み、放出を阻めば中がキュウと締まる。
その彼のナカのあまりの心地よさに長引かせたい気持ちを押し込めて、一緒にイクために攻め立てる。
エツィオの手が私の頬を撫でキスを強請って首を伸ばした。
私も彼に口付けたくなってそれに応えて体を倒す。
唇が触れ互いの舌を舐ぶりあい可能な限り一つに繋がれば、狂おしいほどに熱く沸き立つ幸福感が心を満たした。
激しく私の腰と彼の尻タブがぶつかり音を奏でる。
衝撃で摺り上がる彼の腰を掴んで引き寄せては、彼の蕾に楔を打ち込む。
開放に向けて一気に駆け上がり、彼の中で私の熱が弾ける直前に、塞き止めていた彼の欲望から手を離した。
一際強い締め付けに、頭の奥が焼き切れるような快感が体を支配する。
彼の中に私の種子を注ぎ込む。
同時に断続的にエツィオも勢いよく白濁の愛液を放ち、彼の胸や頬を汚した。

もくじ


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