「紅茶を一杯くれないか」

@fuka_tofu
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2018-03-12 01:26:47

ロンネフェルトさんの紅茶〜〜飲みたい〜〜!!!!!!

「どうぞ」
 黒髪の女が上等なティーカップに注がれた紅茶を優雅な仕草で目の前に置く。
 我らが総統閣下の為に腕を磨いたと聞いて興味本位で一杯、と頼んだというのに、女は嫌な顔一つしなかった。

──閣下の為に、か。

 まずはそのまま一口飲む。……思わず溜息が出た。
「……ババアにしてはいい紅茶淹れるじゃねえか。ウチの執事といい勝負するぜ」
 そう言ってもう一口啜る。今度はよく味わって。
 覚えているだけで40年程自身に仕える執事の入れた紅茶を飲んできて、身内贔屓もあるが彼の紅茶が1番だと思っていた。しかし彼女の淹れたこの紅茶は、今まで飲んできたどの紅茶とも違う。
「……訂正しよう、お前の紅茶は美味いよ。恐らく、僕が今まで飲んできたどの紅茶よりも」
 別に紅茶に煩い訳ではない。しかし『最高の紅茶』があるとするなら、恐らくは彼女の淹れた紅茶が今まで飲んだ中ではそれに近いのかもしれないと、そう思えた。

「……お前が羨ましい」
「と、申しますと?」
「お前が閣下の為の紅茶を淹れる存在なら、紅茶を飲んだ閣下の喜ぶ御顔はお前の物だ。僕はお前と違ってそんな特技はないからな、僕一人に閣下が笑ってくれることは無い…………忘れろ、こんな話」
 美味い紅茶に浮かされて余計なことをベラベラ喋ってしまったと慌てて口止めすると、女はいつも浮かべている柔らかい笑みのままコクリと頷いた。

 空になったティーカップを見下ろして、軽く溜息を吐く。
「ありがとうロンネフェルト、いい紅茶だったよ」
 娘達以外には久しくかけてこなかった言葉が出てくる。らしくないと思いつつも今は彼女に最大の敬意を払うべきだと、そう思った。

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塩水ソル子さん宅 ロンネフェルトさん
お借りいたしました!不都合があればパラレルとして扱って下さい。


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豆腐屋ふうか
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