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[想楽P♀]お昼寝デートと腕枕

全体公開 2349文字
2018-03-24 14:22:40

Legenders+初デート、第二弾。想楽君らしい初デートのお話です。

Posted by @toasdm

 やっぱり恋人になったからにはデートだよねー、と私だけに向けられた微笑みは、春のうららかな日差しを思わせるような柔らかさがあって、どこに行こうかー、と考えている表情は、想楽さんの優しさが溢れているようだった。僕におまかせしてもらってもいいー?と見惚れている私の頬をつついた想楽さんに、お任せします、と一任してから一週間後の晴れた日。待ち合わせした駅の改札口を出ると、想楽さんはぼんやりと空を見上げて立っていた。

「おはようー、プロデューサーさん」
「おはようございます、想楽さん」

 いい天気だねー、と想楽さんは、まるで着なれた服を選ぶようにごく自然に私の手を取って、指を絡めて繋いで歩く。恋人つなぎ、憧れてたんだー、と本当に嬉しそうな横顔を見上げてみると目線が合って、ついつい見ちゃうなー、と近付いてきた顔に高鳴る胸をおさえながら、私は今日の予定を聞いてみる。

「今日はどうするんですか?」
「うーん、そうだなぁー……

 あんまり普通のデートって感じはしないかもねー、と笑う想楽さんに手を引かれてたどり着いた場所は、橋の近くの人気のない土手だった。バッグの中からレジャーシートを取り出した想楽さんは、よいしょ、とそれを広げてそこにごろん、と寝転んだ。お隣どうぞー、の声に素直に従って、私も隣に転がる。

「こちら無料オプションの腕枕ですー」
「ふふ、ありがとうございます」

 ぐい、っと伸びてきた腕に合わせて少し頭を持ち上げると、するっと想楽さんの腕が滑り込んでくる。
 手を繋いだ時にも感じたけれど、想楽さんは意外と筋肉がついている。多分本人が聞いたらむくれるんだろうけど、普段背の高い年上二人に囲まれているせいか、こうして二人きりで過ごしていると、頭の下に感じる腕の逞しさとか、繋いだ手のゴツゴツとした感じとか、そういった要所要所が、ちゃんと男の人なんだな、と思わせてくれる。はー、と隣でため息をついて空を見上げる想楽さんの、もしかしたら私はそういった部分が好きなのかもしれない。まだ始まったばかりの二人の恋愛は、こういった気付きでだんだん形をしっかりしたものに変えていくのかな、と思うと、春のお日様に温められたみたいに私の胸が温かくなってくる。

……ごめんねー」
「何がですか?」

 じっと空を見上げたまま、想楽さんは急に謝りだす。ふぅ、とため息をついた想楽さんの表情からは、何を考えているのかまではわからない。なんだろう、と疑問符を浮かべた私をよそに、想楽さんはぽつりぽつりと話し始めた。

「ほんとはねー、どこか一緒に出かけたり、おいしいもの食べたり、そんな普通のデートにしようかなーって、いっぱい考えてたんだけどねー……

 鳥の鳴き声を合間に聞きながら、想楽さんの腕枕で土手の芝生に寝転んで。確かにこれは、あんまり普通のデートという感じはしないけれども。想楽さんは続ける。

「でも、僕は僕らしいデートがしたいなー、って思ったら、こんなデートになっちゃったんだー」
「想楽さんらしい、デート……
「僕はねー、こうやって、プロデューサーさんと、日常を過ごしていきたいなーって思うんだーどこかに出かけて遊ぶよりもこうやって、ぼーんやりのんびりするような、そんな日常をいっぱい重ねて、一緒に過ごしたいなーって」

 頭の下の腕枕に、ぐっ、と力が込められて、私の体はぐるりと想楽さんの方に転がされる。わっ、と声を漏らした私の目の前に、想楽さんの穏やかな顔がアップで迫る。一瞬呼吸を忘れた私を、想楽さんも息を飲むようにじっと見つめる。ドキ、ドキと音さえ聞こえそうな鼓動にそっと触れるように、想楽さんの手が伸びてくる。頬に触れた想楽さんの手は大きくて、がっしりとしている。駄目だ、目を開けていられない!思わず目をつぶってしまった私に、想楽さんはくすっと笑って小さく囁くように言った。

「ねー……それ、何を待ってる顔なのー?」

 何を、と言おうとした唇に、想楽さんの温もりと感触。ん、と驚いて目を開けると、目を閉じた想楽さんの整った顔しかない世界。あ、まつげ長いな、とか、やっぱり肌はきれいだな、若いな、とかどうでもいい事を考えて、私も自然と目を閉じる。どのくらいそうしていたか、時間の感覚を失いかけた私から、想楽さんの顔がそっと離れて、頬に添えられていた手は私の髪をかきあげた。

「これで合ってたー?」
っ、た、多分」

 ふふ、と笑って想楽さんはもう一度仰向けに寝転んで、またぼんやりと空を見上げる。私を抱き寄せていた腕はまた、ただの腕枕に戻っていて、私もそれに倣って空を見上げた。

……キス、しちゃったねー」
「し、ちゃいました、ね……

 ちらり、と横目で確認すると気のせいか、想楽さんの顔が赤いように見える。赤くなってるでしょー、と言った想楽さんの言葉が、私を指しているのか、それとも想楽さん自身を指しているのかはわからないけれど。でも。日常を重ねて一緒に過ごしたい、という想楽さんらしいデートはとても居心地がいい。次のデートはどこにしようかー、と言う想楽さんに、私は、次もこんな日常デートがいいです、と本心から答えた。そっかー、よかったー、と目を閉じた想楽さんが小さくあくびをして、つられて私もあくびをする。お昼寝デートになりそー、と腕枕に抱き寄せられて、抱き枕のようにしがみつかれた私も、そういえば眠たくなってきたみたい。落ち着くなー、とのんびりした想楽さんの声がだんだん遠くなるような感じがして、お昼寝デートでもいいかな、と思いながら私達は、春の土手の芝生の上で抱き合って眠った。そよ風が撫でた頬からは、なかなか熱は引いてくれなかった。


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