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異常な愛

ア メ
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2018-04-08 04:10:10





「ただいま」



その言葉と同時にドアが開く



それをただ見てるだけの私



ベッドの淵に座ってる私を見て
ニコニコと笑いながら近付いてくる



「お腹空いたでしょ?買ってきたから食べな」



袋から出されたのはサンドイッチ



いつからか私の中で欲というものが無くなった



睡眠の欲、食事の欲、自由の欲
だから食べる気もなく私は首を横に振った



その瞬間目の前にいる彼は眉間に皺を寄せた



やばいと思った時にはもう遅くて
首に付けられてる鎖をぎゅっと引っ張られる
それによって苦しくなる



「食べろっつってんだろ。イライラさせんな」


さっきまでの笑顔はなくて
顔が整っているせいなのかその顔が
余計に怖さが増す



『…ごめん、なさい、』


「ほら、食べろよ」



袋を適当に開けて私の口に許可なく入れる、
入れるというより無理矢理押し込む



前までは大好きだったサンドイッチも
今は吐き気がする程不味い



なんとか食べ終わると
黙って水の入ったペットボトルを渡された



手は何も縛られてないからある適度は使える



私が飲み終わるとペットボトルを私の手から
取るとベッドの横にある小さなテーブルに置いた



「ここに置いとくからちゃんと飲めよ」


『…わかった』



基本この人にはタメ口



見た目だけど多分同い年だと思うから



私がタメ口使っても怒らない理由は彼しか
分からないけど、



「ん。いい子」



よしよしと私の頭を撫でる



吐き気がするのを我慢して耐える



この人にいくら優しくされたって
吐き気がするだけだ



それが合図のように私をゆっくり押し倒す



ああ、この瞬間が堪らなく嫌いだ



私を見つめる目も、熱の篭った目も、
いやらしく触る指先も、



「名前」



私の名前を呼ぶその声も、顔も



全部嫌い



『…ジフン』



私が呼べば唇が塞がった


最初こそ抵抗したものの痛い思いをするなら
受け入れた方がマシだと気付いてから
抵抗はしなくなった



その日は夜か朝かも何時かも分からないけど
長い時間この人に付き合わされた




目が覚めれば服を着せてくれてる上に
ちゃんと掛け布団も掛けてくれてる



あの人は優しいのか優しくないのか
本当に分からない



『いたっ、』



痛む腰を抑えて思い出す行為



何度も何度も欲をぶつけられた行為に
愛なんて存在しない



窓もなければ光を浴びることもないし
星や月も見ることもない



今が何月なのか今日が何日で
何曜日なのかも分からない



私がこの部屋に、監禁されて
何日経ったのかも分からない



でも長い間ここにいるのは分かってる



その証拠に部屋に置いてある無意味な
全身鏡を見ればあの人が
付けたいくつもの跡がある



『はあ…死にたい』



いっそのこと殺してほしい


自分じゃ死ねないのも分かってる


何度願っても叶いもしない思いに
もう一度目を閉じると眠気が襲ってきて
私は夢の中に落ちていった




次に目が覚めた時にはもうあの人は
帰ってきてたのかテーブルの上には
おにぎりが置いてあった



その横にはメモみたいなものが
置いてあって目を通す



【おにぎり買ってきたから食べろよ。
あとシャワー浴びたかったら浴びとけ。
俺明日まで仕事で帰れないから】



…やった



明日まで居ないってことでしょ?



久しぶりにウキウキした気分で
思わず笑顔がこぼれるのが分かった



いつもは鍵がかかってて開かないドアノブを
回すとガチャと音を鳴らしてドアが開く



それだけで自由になれた気がして
心が弾む



…弾んだのも束の間の幸せだった



「あんたが名前?」


『…え、だれ、』



ドアを開けた瞬間視界に入ってきたのは
私より背が高くて顔も整って何より顔が小さい



「ジフニヒョンからあんたのこと
見ててほしいって頼まれたんだけど」



なんだ、やっぱり私には自由なんてないんだ



「んで、今から何しようとしてたわけ?」



なんなの、この男といい、あの人といい、
私の嫌いな顔だ。よく似てるから、2人が。



『シャワー浴びに行こうとしただけです』


「ふーん」



それだけ言うと私を頭から足まで
じーっと見ると鼻で笑った



「まあ、確かにヒョンのタイプだわ、あんた。
俺は興味ないけどね〜、あんたみたいな女」


『…は、』


「ふっ、シャワー浴びてくれば?
あ、あと俺ジニョンっていうから、
よろしくね、ヌナ」


薄ら笑みを浮かべて言った


…年下のくせに余裕のある態度を
取られて腹が立ったけど私が何か言う前に
私に背を向けて歩き出したから
私は何も言わなかった











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