@acbh_dmc4
「レオナルド…俺、失恋しちゃった…母上も父上も好きで、二人と結婚したいって言ったら今度は母上がダメだーって母上も父上も俺のこと大事に思っているんだったら、俺のことだって愛してくれてもいいのに…」
「ふふふ…貴方は、きっとまだ子供の心が抜けきっていないだけなのかもしれないですね」
「なんだよレオナルド…っていうか、なんか機嫌良い?俺が傷心なのに酷いよな…」
「…そんなことは…あるかもしれませんね。正直、貴方の作戦が失敗してよかったと思っています」
「えー、酷いな」
「ええ、とても酷いと思います…」
少しだけ暗い顔になるレオちゃん。
そんなレオちゃんを見て、どうしたんだろうという顔をする2。
「……別に、変だもんな。人にとったら家族で結婚なんて…だから、レオナルドは酷くないよ!」
「…いいえ、そう言う事ではないのです。私は、相手が誰であろうと貴方の恋が叶わなければいいと思っているのです」
「え、なんで?」
「……私が、貴方を、好きだから…貴方を取られたくないんです」
「………」びっくり顔
「…なんて、き、気持ち悪いですよね…はは…そ、その……すみませんっ…」泣きそう
「俺もレオナルドの事は好きだ」
「え……え、ええ…その…友人として、でしょう?」
「……うーん、…今まではそうかも」
「……今までは?」
「レオナルドは、俺と結婚したいって言う"好き"なんだよね?」
「……え、ええ」
「レオナルドと結婚か…なんかそれって、すごく……」
「………」
「凄く素敵だな!」
「え」
花の咲くような笑顔になる2
「レオナルドと結婚すれば、君とずっと一緒に居られるんだろ?それって凄く素敵じゃないか!」
「エ、エツィオ…?」
「レオナルド!俺と結婚してくれ!」
「ええ?!」
「駄目?」
「そんなまさか!いえ、でも…え?」
「俺もレオナルドの事は好きだ。多分、抱けると思う。君は可愛いし」
「ええ?!」
「なんだよ?俺に抱かれるのは嫌?そういう風に好きってことじゃないのか?」
「いいいいいいいいいいいえ、そそそその、超展開過ぎて着いていけてないだけで…えええええええ?!」
「じゃあ、キスしてみよう」
「ふぇ?!え、エエエエエエツィオ??!」ガシッとレオちゃんの手を握る2
「目を瞑って…」
「ふぁ、ふぁい…っっっ!!!」ぎゅうっと目を瞑る
ふにっと唇を合わせる。
緊張してぎこちないレオナルドをリラックスさせるように優しく口付ける2。
震えてるのが可愛くて思わず深く口付ける。
レオちゃん力が抜けて2に抱きとめられる。
「……どうだった?」嬉しそうに微笑みながらレオちゃんの顔を覗き込む。
「…あ、……そ、その…ゆめ、みたいで……」真っ赤
「レオナルド、可愛い…」顔中にチュウ
*****
「父上!結婚したい人が出来ました!」
「うん?」
「だ、誰だっ!!?」
「俺、レオナルドと結婚します!」
「レオナルド?」
「ななななななな、何を言ってるんだエツィオ!結婚なんてまだ早いだろ!」
「母上、結婚するのに早いも遅いもありませんよ。好きな人と一緒になれるのは素晴らしい事だって母上だっていつも言っていたじゃないですか」
「それとこれとは話が別d…」Rに口を塞がれる
「良いんじゃないか?レオナルドならちゃんとした青年だ。だが、ちゃんと話し合いはしたんだろうな?」
「はい!レオナルドも俺の事をずっと好いていてくれたようで、プロポーズを受けてくれました」
闇のオーラを滾らせるBH
「それだけではない。お前はヴァンピーロで彼は人だ。寿命も違う」
「レオナルドはヴァンピーロになってくれると言ってくれました」
「……そうか」
「今度改めて二人でご報告します!」
「分かった」
るんるんで部屋を後にする2。
部屋から出て行ってからBHの口から手を離す。
「何故止めないのですか!!!」
「止める止めないはこれから決める。まずはレオナルドの意思を聞いてからでも遅くないだろう」
「そんなもの関係ありません!」
「エツィオ…」
「あの子はまだ子供です!事の重大性が分かっていない!」
「もうエツィオも17だ。物の判別はつく。お前が子離れできていないだけだ」
「ですがっ!」
「エツィオ。頭ごなしに反対しては余計火に油を注ぐだけだ。ちゃんとあの子達の言い分を聞いてから反対するなり賛成するなりしなさい」
「………!」涙目になるBH。やれやれと溜息をつくR。
****
後日挨拶に来るレオ
「こ、こんにちわ。あ、あの、ここここの度は挨拶の場を設けていただき、あ、あ、有難うございますっ!」
「レオナルド、固くなりすぎだ。いつも通りで大丈夫だよ」笑う2。
「そうだ。君とは長い付き合いだ。もっとリラックスしてくれ」朗らかに笑いかけるR。
BHは一人だけ禍々しいオーラを放っている。
「それで、エツィオと結婚したいと、ヴァンピーロになってくれると言ったそうだね?」
「はい!私は…エツィオさんには一目惚れでした…ずっと想っていて、彼に受け入れてもらえた時は天にも昇る程幸福に感じました。ずっと彼の傍にいたいのです」
「レオナルド…」キラキラ見つめあう二人。BHの形相がやばい事に。
「ふむ。だが、ヴァンピーロとなるには相当の苦痛が伴う。私の妻は半ヴァンピーロで足が悪く、思考も鈍くなってしまった。完全なヴァンピーロとなればそれも克服はするだろうが、何世紀にも渡って後遺症が残る場合もある。それに、ヴァンピーロの血が万が一合わない時は、2度目の生を受ける前に灰になってしまう事もある」
「え……」
「エツィオ、ヴァンピーロにするための知識は不十分だろう?ちゃんと調べたか?」
「……調べておりません…」表情が曇る
「ですが!私は死など怖くはありません!後遺症も、彼と共に在れるなら何てことありません」力強く断言するレオちゃん
「………」
BHはRを見詰める。
「私が話しているのは最悪の場合の話だが…無いわけではない。一度よく調べて二人で話し合うべきだ。レオナルド、君がエツィオと共に在れるのなら死は怖くないというが、エツィオにとってはそうではないのだ。君を失ってしまっては、エツィオの心が死んでしまう」
「あ……」はっとするレオ
「ヴァンピーロになるリスクはどんな方法を取ったとしてもある。そこで互いの気持ちの折り合いをつけねば、望まぬ結果を招くとも限らない。レオナルド、君は研究が得意だろう?エツィオと一緒にヴァンピーロについて、よく調べてやってくれ」
「………はい」
*****
レオナルドを送り届けてから両親の寝室へ訪ねていく2。Rだけ外へ出て、屋敷を2と二人で歩く。
「父上が母上をヴァンピーロにしたのは、どうして踏み切れたのですか?」
「私が母をヴァンピーロとしたのは、完全に私のエゴだ。あの子が私の物にならぬのなら、死んでしまってもいいと、そう思った」
「………」
「母の了承を取らず最初からヴァンピーロにすると決めていた。そして万が一失敗しても、体さえ残るなら構わないと…そう思った」
「……もし、体も残らず、灰になっていたら…父上はどうしたのですか?」
「私も共に死を選んだだろう。私は最強のヴァンピーロだが、不死ではない。必ず死ぬ方法はある」
「………俺に、そこまでの覚悟があるでしょうか…」
「……」2を見やる。
「レオナルドを失う覚悟が…彼が居ない世界は考えられない…」
「だが人として愛したとしても、必ずお前より先に彼は逝く」
「父上、俺が人になることは出来ないのでしょうか?」
「何?」
「俺が人となれば…レオナルドの才能を潰す事もない。短い生だけれど、それでも彼と同じ時を過ごせる」
「………それは…考えた事もなかったな…」
「出来ないでしょうか?」
「分からんが、出来ないという事もないのではないかな…」
「…あの宝物庫へ行けば、答えは見つけられるでしょうか」
「そうだな。ユスフに手紙を出しておこう。自分の手で、探すのだ」
「はい!父上」ぱあっと明るくなる。
****
寝室に戻るR。思案顔のBHを見てどうしたのかと問う。
「貴方は、彼らの事を全て肯定するものだと思っていました」
「君を独り占めするために、あの子をさっさと追い出そうと?まぁその気がなくはないがな」
「ですが、そうですよね…あの子は俺と貴方の大切な子供です。貴方も、エツィオのことを大事に想ってくれている」
「ふふ、私とてあの子の幸せを心から願っている。不幸になって欲しくはない」
「ええ」
「だが、あの子が本気であれば、君にとっては受け入れ難い選択も取るかもしれない」
「………俺も、覚悟を決めなければいけないという事ですか」
「そうだ」
「貴方があの子を…応援するというのなら……俺も、努力はします…」苦虫を噛み潰したような顔
「しかし、子の成長は早いとはよく言ったものだが……何か、寂しくなるな…あの子も、もうそんな年なのだな…」
「………俺たちの天使だったのに…」
「そうだな」苦笑する
****
「人になる?!何故!人の生は短いだろう!レオナルドがヴァンピーロになるのではダメなのか!」
「母上、レオナルドがヴァンピーロになるのは、最終手段にしたいんです。彼にこの長い生を強要するのは忍びないですし。もし、失敗してしまったら、俺は生きていけない」
「だが、人がヴァンピーロになるのに失敗する事があるのなら、逆だってそうだろう!俺はお前が死んでしまうのは嫌だ!お前は親を悲しませたいのか!」
「母上……」
「エツィオ、その言い方はないだろう。今この子は自分で考え、選ぼうとしているのだ。自分達の信じる道を、愛しい人との生を歩ませてやりなさい」
「ですがこればかりは譲れません!子が親より先に死ぬなど…そんな事は受け入れ難いことです!」
「決まったわけではない。先ずは学ばねば…彼らの選択の余地を広げるだけだ。人になるにせよ、ヴァンピーロになるにせよ、それは手段に過ぎない。全ての条件が揃った時、どちらを選択するか決めさせてやるのだ」
「何故貴方はそんなに平然としていられるのですか?」
「何も思っていない訳ではない。だが、かけがえの無い大切な人と人生を歩むのは素晴らしい事だ。その機会を親が取り上げる訳にはいかないだろう?」
「…エツィオ、お前は死が怖くないのか?」
「…俺は、レオナルドを失うほうが怖い。それに、母上は勝手だ!俺が母上を欲しいって言った時は拒絶したのに!なんで今になってまた俺を縛りつけようとするんです!?俺の物になる気もないのに!」
「エツィオ!」
「俺は、母上の人形じゃないです!」
「止めないか二人とも。エツィオ、すまない。母には良く言い聞かせておく。レオナルドを待たせているのだろう?迎えに行ってやりなさい」
「はい、父上」険しい顔でそっけなく扉に向かう。
「エツィオ!」
「母上だって父上と一緒に生きたいと想っているのなら、俺の気持ちだって分かる筈だ!」背を向けながら
「………」
「……すみません。レオナルドを迎えに行って来ます」
****
「エツィオ!これから、そのヴァンピーロの護る宝物庫へと向かうんですね」
「…ああ」
「どうしたんです?何か、浮かない顔をしていますが…」
「…うん。母上が、ちょっとね…」
「母君が…もしかして、反対されているのでしょうか…」
「きっと相手が誰だって母上は反対するよ。昔から、母上は俺が大事すぎてたから…」
「……そうですか」
「ただ、相手が君だから頭ごなしに反対はしてない。父上の説得にも多分納得はしてるんだと思う」
「貴方は…母君が、その…好きなのでしたら…やはり人になるのは…」
「ううん。俺、これでも良く考えたんだ。君が俺の傍にずっと居たから、それが当然の事のように思っていたけど、君は人だから俺たちよりも先に死んでしまう。そう思った時、嫌だって思ったんだ。母上や父上と分かれるよりも、君を失う事のほうが、俺は…怖い。そしたら、愛しさにも気がついた。だから君と生きる道を見つけたい」
「エツィオ…」
「行こう。向こうはヴァンピーロだらけだから、俺から離れないで。君に俺の護りを掛けるけど、何があるか分からないから」
「分かりました」
「好きだよ。レオナルド」
「エツィオ…私もです。ずっと、好きでした…」
口づけ合う二人。
***
手を繋いでヴァンピーロの護る城に降り立つ。
レオナルドは怖いような、新たな知識にわくわくするのが抑えられない顔。
「レオナルドは怖くないのか?ここはヴァンピーロだらけだけど」
「ええ、その…少しだけ恐ろしいような気もしますが、ずっと気になっていたヴァンピーロの事を知れる機会なんて滅多にありませんから、正直ドキドキしています」
「ふふ、相変わらずだな。じゃあ、さっそく入ろうか」
「はい!」
城に入ると周りの蔵書の数にさらに目を煌かせるレオナルド。
それを見て微笑ましいような、可愛いと思いながら微笑む2。
奥からユスフが足早に近づいてくる。
「ユスフ!お久しぶりです」
「坊ちゃん!随分と大きくなりましたな!益々母君にそっくりになられて!」
「…うん。ユスフ、こちらが俺の恋人のレオナルド。レオナルド、この人がここの管理をしてるユスフだ」
「どうも、初めまして」
「初めまして。いやしかし、生きた人間に会うのは久しぶりだな!」
「生きた…?」少し笑顔が引きつるレオ。
2、気に留めずにレオの腰を抱いて場内を歩く。
「ユスフ、今日は秘宝を見せてもらえるのかな?」
「ああ、その件に関してなんですが、あの秘宝は本当に強力で、坊ちゃんに扱えるかが少々不安で…ああ、気を悪くしないで下さいよ?勿論導師のご子息ですから、実力がおありなのは存じています。それ故に、扱いが難しいと言うか…」
「…困ったな、ここの膨大な蔵書を虱潰しに読むしかないのか…」
「すみません。今の所、完璧に楽園の果実を使えるのは導師のみなんです。数日後、導師がここへいらっしゃるので、その時に果実の使い方を習えばよろしいでしょう」
「父上が?」
「ええ。仕事を終え次第いらっしゃるそうで」
「そうなんだ」
「ああそうそう、それで暫くは私の家に泊まると良いでしょう。部屋はお一つで?」
「うん。一つでいいよ。いいよね?レオナルド」
「えっ!?は、は、は、はいっ!」
一通り城内を案内し終えて、城の執務室のような場所に案内されるエツレオ。
「では、ごゆっくり」
「有難う」
「有難うございます!」
「さあて、この中から関連しそうな本を探すのは骨が折れるぞ…君といちゃつくのは暫くお預けだな…」
「それは、少し残念ですが、見た事もないほど沢山の本がありますね!まるで天国だ!」両腕を広げて嬉しそう。
「あ、これ放っとかれるの俺のほうだ…」
「なんです?」
「なんでもないよ、レオナルド。それじゃあ、一緒に探そうか…」
「はい!」
***
数時間後、様子を見に来るユスフ。
「坊ちゃん、そろそろ私の屋敷へ移動されますかな?」
「ああユスフ、そうだな。お願いするよ……だが、レオナルドが…」
「随分熱中しているようですね」
「まったく…ちょっとでも話しかけたらシッシッって追っ払われるんだよ…どう動かしたものやら…」
「はっはっは!あの坊ちゃんが頭を抱えるとは!相当なものだな!」
レオの後ろに立つユスフ。レオの肩をポンポンと叩く。
「フィアンセ殿!もう今日は閉館ですよ!さあその貴重な蔵書を閉じて、外に出てください!」
「わああっ!!へっ?閉館?!」
「レオナルド…これからユスフの家に行くから、一先ず本は閉じて…」
「えっあ、ユスフさん、この本はお借りする事はできないので?」
「うーん、幾つか持ち出し禁止のものがありますな。この軽いものでしたら良いですよ」
「あー、これはもう読んでしまって…そうですか…分かりました…残念ですが…」
「ここ閉館なんてあるの?」
ユスフ、2をレオから離して小声で耳打ち
「ないですよ。まぁ私と交代するヴァンピーロに引継ぎすることはありますが。夜はやはり、いちゃつきたいでしょう?」
「ユスフ……!!」
ガシッと手を掴む。
「さあレオナルド!外で何か食べてからユスフの家へ行こう」
「…はい。残念ですが…」しょんぼり
「明日も一日中居れるのですから、そう気落ちしないで。さぁ!行きましょう」
***
ユスフに案内されて部屋へと通される二人。
部屋に二人きりに。
「レオナルドも今日は疲れただろ?」
「いえ!まだまだ私は元気ですよ!とても面白い本が沢山ありました!ああ、あの本を一冊…いえ、二冊でもいいから、お借り出来れば良かったのに…」
「レオナルド、俺との触れ合いとか、そういうのは二の次なの…」
「ええ?あ、いえ、それもとても魅力的なのですが、常々謎に思っていたヴァンピーロの生態がようやと知れるので、貴方の事がもっと深く知れるようで、嬉しかったのです」
「はは、レオナルドがヴァンピーロになったら、この世の謎なんて一つもなくなっちゃいそうだな」
「そんなことはありません。この世は不思議な事だらけです!そこかしこにある謎を一つ一つ解明するには、ヴァンピーロとなっても、どれだけ掛かるか…ああ、そういった意味ではヴァンピーロとなって、ひたすら研究に打ち込むのも良いですね…」
「おいおいレオナルド…俺のことも少しは構ってくれよ?今日だって俺じゃなく、ずーっと本に熱い視線を送ってるものだから、少しばかり嫉妬してしまった」
「…少しですか?」
「…どうだと思う?確かめてみるか?」
「……あの、その…い、良いのでしょうか…ここは…お知り合いの、お家ですし…」
「レオナルドは、俺が欲しくない?」
「…そ、それは…ほ、欲しい…ですが……」
レオちゃんどぎまぎしつつ、2と見つめあう。
「俺も、君が欲しいよ。ね、レオナルド…」
「エ、エツィオ…」
レオの腰を引き寄せて口付けようとする2
「そうだエツィオ坊ちゃん!いちゃつくのもいいですが、彼は人なのでしょう?でしたら翌日に響かないように……おっと!お邪魔でしたかな」ひょっこりと部屋に入って来るユスフ。わざとらしく口元に手を当ててニヤニヤ
「もー!ユスフ!」
「わわわわっ!」
「野暮でしょうが念のため、フィアンセ殿は人なのですから程々にしないといけませんよ。導師のように延々とフィアンセ殿を攻め立てたら、ヴァンピーロになる前に腹上し…」
「わー!分かってるよ!」
「…では、ごゆっくり」
面白がりながら出て行くユスフ。
「まったく!……水さされちゃったね…」
「え、ええ……」
「レオナルド」
「はっはいっ!!!」
「……その、まぁ…ユスフの言うとおり、多分君を抱いたら…止まらなくなりそうだから…」
「へっ…?!」
「俺としては…父上が来るまで、君を…その、愛したいんだけど…」
「ええっ…その、その…お父上が、来るまで…?」
「多分、止まらないから……でも、君はヴァンピーロの事を調べたい…だろ?」
「……ええええええ、っと…」
「これが済んだら…俺が人間になる方法が分かったら、ご褒美に、君が欲しい。そしたら、頑張れるかも」
「わ、私も…私も頑張れます」
「そっか。…じゃあ、お預けだね…」
「は、はい…」真っ赤
****
数日後、宝物庫に訪れるRBH。
「導師!」
「ユスフ、久しぶりだな」
「導師も奥方もお変わりなく」
「ああ」R
「お久しぶりです」BH
エツレオが本を広げている執務室に来るRBH。
「父上!」
「エツィオ、どうだ?進展はあったか?」
「いいえ、全然…レオナルドは楽しそうだけど…」
「これはこれは!領主様、この度はこんな貴重な場所にお招き頂き有難うございます!ヴァンピーロについて、とても興味深く勉強させていただいております!」キラキラと興奮した顔するレオ
「うん。本当に楽しそうだな」
「何かに夢中になるレオナルドを眺めてるのも、可愛くて悪くないんだけどね…俺の存在そっちのけで本に齧り付いてるよ」
「ああっ、す、すみませんっ」慌てるレオ。
和やかに笑い合っている中でBHだけは冷めたようにレオナルドを見ている。
レオナルド、BHに視線をやると、BHが目を逸らす。
レオ、困った顔になる。
「父上、昼食は?」
「まだだ」
「では下の町で食事を取りましょう。俺たちも丁度降りる所だったので」
2、レオの手を取り、引き寄せる。
BHそれを見て眉を顰める。
食事処について席に着く。
「蔵書では人になる方法は見つからず、か?」
「ええ。俺だけで見つけるのはどうにも…」
「うん?レオナルドも一緒に探しているのだろう?」
「ああ、レオナルドは、まずヴァンピーロの生まれる方法を知りたいとかで…」
「人からヴァンピーロになる方法を辿れば、もしかしたら逆の方法も、理解が早いのではないかと思いまして。それにヴァンピーロそのものの性質と言うのも、知っておきたかったのです」
「研究者ならではだな」
「でもこれから果実の使い方を教えてくれるのでしょう?」
「ああ」
「じゃあもしかしたら今日で方法が掴めるかな。早くローマに戻りたいよ」
「ええっ?!もう帰るのですか??!」
「レオナルドってば、このままじゃあの城に住みたいって言い出しそうだよ」
「あっ良いですね!それか私もあそこで働きたいです」
「ちょっと、俺よりあの場所の方が好きになっちゃったのか?レオナルド!」
「いいえ!まさかそんな!」赤くなるレオ
ちょいちょいと2を手招きして声を潜めて話すR。
「…ところで、レオナルドとは何か進展あったのか?」
「…いえ、それが…レオナルドときたら本に夢中で…ちょっとはなんかあるかなと思ったんですが、そもそも人に必要な食事とか睡眠を促すほうが大変と言うか…無茶させられないじゃないですか」
「成程な…」
「初日は良い感じになったんですが…」
励ますように2の背中をポンポンするR。
「聞こえているぞ」BHボソッと呟いてびくっとするRとムッとする2。
***
「では、果実の使い方を指導してくる。君も行くか?」
「いいえ。俺はここに残ります」
「レオナルドは?」
「申し訳ない人にはどんな影響があるか分からないので、入らぬほうが宜しいでしょう」
「そうですか…残念です」
「レオナルド、待っていてくれ」
「はい。頑張って…」
2とRを見送るレオとBH。
レオがBHを気遣わしげに見つめる。
BHはそっけなくその場を離れ、レオ達が調べ物をしていた場所へと行く。
テーブルに広げられた書物を手に取り、パラパラと読む。
「君は、本気でエツィオと結ばれたいのか」
「…!はい!ずっと、エツィオさんの事を想っていました。諦めようと思ったこともありましたが…やはり、無理です。
彼のような素晴らしい人は、どこを探しても居ない」
「では、あの子を失うのは嫌だろう」
「…それは、はい。嫌です」
「なら君がヴァンピーロになるべきだと思わないか」
「……は、…それは、私もそのつもり、でしたし…」
「なら、エツィオが人間になると言う方法を探る必要はないだろう。あの子が戻ったらそう言いなさい」
「………」
固まってBHを眺めるレオ。BHはレオと目を合わせようとしない。
「……良く思われてはいない事は承知しておりました。ですが…やはり、貴方は私とエツィオさんとの事を反対なさって
いるのですね」
「あの子にもパートナーが必要な事は理解している。君とあの子がとても仲が良い事も。他のどこの馬の骨ともつかない者に攫われるよりは、君であればいくらかマシだ」
本を閉じてレオを真っ直ぐ見るBH。
「俺はあの子を失いたくない。望んでいた、自分の子供だ」
「………」
「俺は君が人間である限りは反対する。君がヴァンピーロとなるなら…祝福しよう」
BHの意思の強い眼差しを受け、手元の書籍に目を落とすレオ。
BHをもう一度見て、決意をする。
「分かりました。エツィオを説得します」
***
日が暮れ始め、宝物庫から2とRが戻ってくる。
いつも以上に熱心に書物を読み解きながら、一生懸命羊皮紙に書き綴る鬼気迫るレオに面食らうRと2。
「レ、レオナルド…どうしたの?」
「お前の言うとおり、物凄い集中力だな…これでは睡眠やら食事を取らせるのに苦労しそうだ」
声をかけられても、全く顔を上げず作業に没頭するレオ。
「……母上、レオナルドに何か言った?」
「レオナルドはヴァンピーロになりたいそうだ」
「やっぱり、母上が何かレオナルドに吹き込んだんでしょう?これは俺とレオナルドの問題だ!母上は関係ない!」
「吹き込んだわけではない。ヴァンピーロにならんのなら認めないと言ったまでだ」
「余計な事言うなよ!別に俺達は母上に認められなくてもいい!二人でなら誰に反対されようと構うもんか!」
騒ぎにやっと気付いて顔を上げるレオ。
「レオナルド!母上の言う事なんか聞くな!俺は誰に反対されようと、君がいればそれで良いんだ!」
「エ、エツィオ…しかし、確実な方法があるのなら、そちらを優先させてもいいと思うのです。折角、母君も私がヴァンピーロになるなら祝福してくれると仰ってくれて…」
「それでも、確実にヴァンピーロになれる訳じゃない。失敗した時のことなんて考えたくもない。それに必ず一度は死んでしまうんだ。俺は苦しむレオナルドを見たくない!」
「エツィオ、落ち着きなさい。お前も…子供達に任せると言っていたじゃないか」
「ええ、子供達の選択は自由です。俺はただ自分の気持ちを話しただけです。そもそも、レオナルドが気に入らない訳ではありませんし、二人には幸せになって欲しい。だから親として意見を述べるくらいは良いでしょう?」
しれっと言うBHを睨む2とオロオロするレオ。
BHがレオを無言で見つめて、先ほどのヴァンピーロになる件を話せと圧力をかける。
おずおずと話そうとするレオ。
「あの、エツィオ…私なりに色々と考えたのです。ヴァンピーロが人間になる、と言うのは前例がないでしょう?
でも人がヴァンピーロになるのは沢山例があります。歴史も長いようですし。そこで、安全な方法を探せば良いと思うのです。私も前例のない方法で貴方を失いたくないですし。ヴァンピーロとなるには、ヴァンピーロの血が必要になる。そしてその血がヴァンピーロとしたい人間に合わない時は灰となって消えてしまう。では、体内に血を流し込む前に、合うか合わないかを試してみればいいのです」
「私の血と、あなたの血を容器に入れて混ぜてみる。あと、ヴァンピーロの血が体を変えるとの事なので、私の体の一部をその中に投与すれば、灰になるか成功するかが分かります」
「君が先ほど羊皮紙に綴っていたのはその方法を纏めていたのかな?」Rが感心して羊皮紙を覗き込む。
「ええ。色々と資料がありましたから、正直調べるうちに、ヴァンピーロになるほうが安定しているのでは、と。
しかし、確実ではないと言うのなら、合うか合わないかを事前に調べられたら良いと思いまして…」
「………」難しい顔をする2。
どうするのか、2を見つめるRとBH。
「……父上、父上はどう思います?」
「…まぁ、事前に調べて確信が持てるのならば、良いのではないかな。それに灰になりさえしなければ、重い障害が
出る事もあるが…時と共に治癒出来る。お前達がそれで納得できるのならば、それで良いと思うぞ」
「……レオナルド、その方法はもう試せるのか?」
「ええと、方法はまだ幾つか考えられますが…」
「なら、レオナルドがこの方法が良いって決まるまで調べてくれ。俺も、それまでは果実で人になる方法を探る」
「レオナルドがヴァンピーロになるなら、それはもう必要ないだろう」BH尚も言い募る。
「エツィオ、彼らの好きにさせてやりなさい」BHを嗜めるR。
「エツィオ、私は暫く休みを取っている。私達もユスフのところに逗留しているから、何かあれば言いなさい。力になろう」
「有難うございます。父上」
R頷き、BHを促して外へ。
「レオナルド、少し休憩しないか。根を詰めすぎて倒れたら大変だろ?」
「…ええ、でも…」
「お願いだレオナルド…俺も疲れたから、少しくらいイチャついて癒されたい」
「わかりました」
城の中庭に出る。
大きく息を吐く2。
「母君に反対されるのは、やはりお辛いでしょう。私がヴァンピーロになるのが一番だと思うのですが…」
「…レオナルド。よしてくれ。今は、その話は…」
「…しかし、あんなに仲の良かった母君と仲違いするのは、私も見ていて心苦しいのです。母君は本当に貴方を大切に思っていると分かりますし…」
「でもな、母上はやっぱり勝手だ。俺の気持ちとか、全然考えてくれてない…全部自分本位だ」
溜息を吐く2。
「……でも、その内和解するよ。君までそんな顔をしないでくれ。なぁ、レオナルド…」両腕を広げる2
「エツィオ?」ドギマギしつつ2に歩み寄る。
2、レオを抱きしめて口付ける。
いつもよりもっと踏み込んだ深い口付けにくらくらするレオ。
「ん、エ、エツィオ…」
「レオナルド、癒して…」
****
ユスフの屋敷に案内され、部屋に通されるRBH。
「エツィオは果実を使いこなしているのですか」
「……とても飲み込みが早い。しかし、長い事あの果実に触れることは辛いようだ。膨大な知識が流れ込んでくる。その知識を必要かそうでないか、選び取る事は最初のうちは苦労するだろうな」
「…そうですか」
「レオナルドがヴァンピーロになれるか試す方法の方が、早くに分かるだろうな」
無言で椅子に腰掛け、外を眺めるBH。
Rはその隣に腰掛けてBHを眺める。
「……お前は、あの子をどうしたいんだ?」
静かに問うRに、ゆっくりと視線を合わせるBH。
「どう、とは?」
「あの子が君に想いを告げた時、本当はどう思ったのだ?」
「とても困りました。家族として愛しているのは確かですが、貴方のようにこの身を重ねたいというものではありませんでしたから」
「そうか?本当は嬉しかったのではないのか?」
「そんな風に思う事はありませんでした!」
「それなら、何故あの子を縛りつけようとする?君はあの子の心を殺しているようなものだ」
ピリピリした空気が流れる。
「……貴方こそ、何故あの子を早くから枢機卿の中に入れて教育したのですか。後を継いで欲しかったからではないのですか」
「………」
「テンプル騎士の動きは今のところ落ち着いています。ですが、未だ奴等の支配地は点在しています。俺達の息子にそういった地域の近くを治めさせ、平和を維持したかったからでは?」
「……教団やこの国の事を思っての事だと?」
「勿論俺があの子を失いたくないからという思いもあります。俺はあの子が可愛い。失いたくない。そちらの気持ちが強い事も否定しません。ですが、エツィオが人となってヴァンピーロの輪から抜ける事を、俺だけが反対しているとお思いですか。ましてや人になる前に命を落とす事など…止めるのは俺だけではない筈です。この地のアサシン達にとっても、あの子は期待されているでしょう」
目を伏せるR。
「貴方は教団の希望です。その息子のエツィオも…他のヴァンピーロにとって、希望の光でしょう」
眉根を寄せ、溜息を零すR。
「君の言う事は尤もだ」
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