@toasdm
「っつ」
紫電一閃。ピッ、と指先を掠めた紙の端が表皮を浅く切り、そこからじわりと血が滲む。玄武君大丈夫?!と慌てた様子で番長さんが駆け寄ってくるが、この程度なら問題ない。
「ちょっと切っただけさ、舐めときゃ治る――」
いや、問題あるだろ……。番長さんは俺の手を両手で掴むと、躊躇いもなく俺の人差し指を口に含んで切り傷に舌を当てている。しかも、上目遣いで、口を窄めて。確かに俺は、舐めときゃ治るとは言ったが、番長さんに舐めてくれなんざ一言も言っちゃいねえ。勘弁しちゃくれねえかい?こういうのは、何か別なそういう事を、思い出しちまっていけねえんだ。やけに張り付く喉が動揺して、震える声で俺は番長さんの頭に手をやった。
「待っ、待ってくれ番長さん、いい、そういうのは自分で、は、あっっ!」
ふふ、と見上げたまま不敵に笑う番長さんが、遠慮しないで?と指に這わせた舌で付け根から指先を舐る。……この顔、わかっててやってやがるな。舌の動きもそういや、消毒とか治療とかそういうんじゃねえ、もっと、劣情を煽るような卑猥な動きになってやがる。負けず嫌いの俺の指が番長さんの口の中でぐるりと回転して、形勢逆転、俺は指の腹で上顎を優しくなぞり返した。
「んんっ!?」
「因果応報、おちょくられた分は返させてもらうぜ?」
慌てて俺の指を引き抜こうとする番長さんの手首を掴んで引き寄せて、その勢いのまま俺は背中に手をまわしてがっちりと抱きしめる。頬の内側をくすぐるように撫でながら、ぽこりと形を変えたそこにそっと唇も落としてやる。
「ひゃ、待っひぇ、ひぇんふく、うぁ、んっっ!!!」
「舐めなきゃ治んねぇんだ、ちゃんとしっかり舐めてくれ」
弾力があって柔らかい舌、側面を何度も往復させながら出し入れを繰り返す俺の指からも、じゅぶじゅぶと音を立てながらそれをすすって上目遣いで頬を染めながら俺を見つめる番長さんの痴態からも、ちいと強めの刺激が俺の腰に集まってくる。…たまんねぇな、なんて思っちまうくらいには、俺も色々と限界なのさ。
「……俺が何考えてるか、わかるかい?」
「うぅぅ…玄武君の、えっちぃ……」
番長さんにだけは言われたくねぇよ、と返して笑って抱きしめて、俺は番長さんをソファに押し倒した。打草驚蛇……覚えといてくれよ、番長さん。俺をおちょくるとこうなるんだぜ?