「掛け布団と敷布団、どっちがいいー?」
食後すぐ寝て牛になりそうな想楽君と、想楽君にあまあまだけど多分作ったカレーはそこまで甘くなかったであろうPさんとのソファでいちゃいちゃ膝枕のお話です。
@toasdm
食べてすぐ寝たら牛さんになっちゃいますよ、と怒られて、そうえいば今日の晩御飯はビーフカレーだったなぁ、なんてことを思い出して、僕はソファでプロデューサーさんの膝枕を堪能しながらぼんやりと思う。
「僕が牛さんになっちゃったら、カレーにでもしてくださいー」
「馬鹿なこと言わないでください、ほら、もう……お行儀が悪いです」
「だってー……お腹いっぱいで、動きたくないー……」
プロデューサーさんの作るご飯は基本的に何でもおいしいけれど、カレーはその中でもかなりおいしい度が高いと僕は思う。こういう人がお嫁さんだったらなぁ、なんて、まだそんなトシでもないのに自然に考えちゃうくらいには、プロデューサーさんのカレーはおいしいと思う。だから、おかわり三回くらいしちゃうのは、仕方がないと思うんだよねー。
「三杯もおかわりなんてするからですよ」
「だっておいしかったんだもんー……」
ぽんぽんになった僕のおなかをつんつんしながら、プロデューサーさんはくすくす笑ってる。お腹いっぱいで、大好きな人がいて、膝枕で、幸せ。あったかい気持ちとカレーの匂いを吸い込んだ僕は、おなかはやめてー、と笑いながらもだんだんと、眠たくなってくる。
「想楽さん、眠たいんですか?」
「んーー…ちょっと、ねー……」
こんなところで寝ないでお布団行きましょうね、と優しく頭を撫でられると、余計に眠たくなっちゃうんだよねー……。あくび交じりに名前を呼んで、僕は手を伸ばす。
「ちょ、ちょっと、想楽、さんっ」
「ねー、ここで寝ちゃだめー?」
だめです、って言ってるけど、ちょっと赤くなってる。相変わらず名前で呼ばれるのに慣れてないところが、なんか可愛いよね。僕の悪戯心は、眠たくなるのと引き換えにどんどん、覚醒するみたい。
「だめって言われてもねー」
「う、わ、想楽さ、想楽さんっ」
よいしょ、と跳ね起きてプロデューサーさんを抱きしめて、そのままソファで向かい合わせになって転がる。だめって言うなら、一緒に寝ちゃえばいいよねー、って言ってみたら、わけのわからない理屈をこねないでください、って言われたけど、もう耳まで真っ赤だから、きっとすごくドキドキして、頭まわってないんだろうなー。
「掛け布団と敷布団、どっちがいいー?」
まわってない頭に、さり気ない質問。う、とか、あ、とか、ぐるぐる考えてる。きっとプロデューサーさんのことだから、どっちをされたいー?って聞かれてるんだと、思ってるんだろうなー。
「か……掛け布団、で……」
まあ、どっちでも一緒なんだよねー。
「はーい掛け布団ー」
「わああああ、えっ、そ、想楽さんがじゃ、ないんですか?!」
僕はそのまま腕に力を込めて、プロデューサーさんを掛け布団にしてぎゅっと抱きしめる。
「僕がじゃないよー、プロデューサーさんがどっちになりたいのー、って話ー」
「うえぇ……え、あ、あ!?」
あれー、気付いちゃったかなー?
「それ、敷布団って言ったら」
「ふふふー、さぁ、どうでしょうー?」
気付いちゃったけど、でも、やっぱりどっちにしろ、僕はプロデューサーさんを上に乗っけるつもりだったんだよねー。私重たいから、って暴れるプロデューサーさんを抱きしめて、キスをして、大人しくさせて。っていうかこれで大人しくなるから本当にさー。
「……可愛い」
「うぇ」
カレーが出ちゃうから暴れないでねー、っていうか掛け布団なんだから動かないでねー。僕の可愛いお布団さんは、急に大人しくなる。一緒に牛さんになろうねー、と抱きしめたまま、本当に眠たくなってきた僕は目を閉じてみる。勘弁してぇ、って情けない声をあげたプロデューサーさんなら、きっと許してくれると思うんだよねー。幸せな重みを乗せたまま夢の向こうにだんだんと、落ちてくみたいにふわふわと、寝ちゃっても、きっと。
許してくれたら、嬉しいなー。