X以外のSNSでの投稿にはPrivatter+がおすすめです
Xフォロワー限定公開・リスト限定公開の停止について

[雨P♀]絡み酒

全体公開 1 1901文字
2018-05-31 15:33:41

「雨彦さんの、意地悪ぅー
「その意地悪が好きなのは誰なんだい?」

あめぴが酒飲んでいちゃいちゃしてるだけのお話。

Posted by @toasdm

 「雨彦さん、雨彦さん」
 くい、と袖を引く彼女を雨彦は振り返る。ん?と首をかしげた雨彦の肩によじ登るようにして掴まって、抱きついて、彼女はにへらっ、と満足気に笑い、雨彦の頬に唇をそっと触れさせた。背の高い雨彦とこんな風にじゃれ合うには、このくらいしなくては届かないのだ。
 「へへへ……ちゅー、してやりました」
 「そうかい」
 しとどに酔いの回った彼女を背中にぶらつかせたまま、雨彦は簡単なつまみを皿に盛り付け、手を洗う。ひとくちちょーだい、と強請る彼女に、可愛いことを言うのはこの口かい?と雨彦はほぐした鶏肉をひとつまみ、彼女の口に放り込んだ。
 「ん……ふふ」
 「……こら、離せって」
 「やらー」
 彼女は雨彦の指ごと口に含んで、軽く歯を立てて吸い付いたまま、指を離そうとはしない。困った奴だ、と苦笑する雨彦の表情から一瞬余裕が剥がれ落ちたのは、彼女が指先を、ちろりと舐め上げた時だった。
 「っ……お前さん、なあ」
 酒臭い吐息が鼻から漏れて、振り返る雨彦の耳元でちゅぶ、と音を立てながら、彼女は雨彦の指を丁寧に舐めている。うまいかい?と聞くだけの余裕を取り戻した雨彦の声に、わかんない、と笑いながら答えた彼女の、しがみついたままの無防備な尻に手をやって、雨彦はそこをくすぐった。
 「ひぇあああっ!?」
 「っと」
 急にくすぐられて驚いた彼女は雨彦の背中から滑り落ちそうになり、雨彦の手がそれを支える。雨彦さんのえっち、と喚く彼女が離した濡れた指先をしゃぶりながら、雨彦は流し目で背中の彼女に文句を垂れた。
 「そいつはお前さんのことじゃないのかい?」
 「違うもん……ちゅー、したかっただけ」
 「おいしそうにしゃぶってたじゃないか」
 「なっ、語弊があります!」
 けらけらと笑う雨彦はつまみを片手に、彼女を背中に、悠々とリビングへと戻る。テーブルの上に散乱した空き缶を脇へと綺麗に避けてからつまみを置き、それから背中の彼女を自分の体の前側へと回して床に胡坐をかいて座る。
 「絡み酒の酔っ払いに飲ませる酒はないぜ?」
 「おつまみは?」
 「さっき食っただろう、俺ごと」
 足りない、とふてくされた彼女の頬にちゅっと音を立てて唇を寄せてから、雨彦はビールを片手でカシュッ、と開けて一気に呷った。目の前で飲む雨彦の様子にますます頬を膨らませた彼女は、今度は雨彦の唇に吸い付いて、口内に舌を滑り込ませた。
 「っん、ふ、んぅっ……
 「ん……
 「ん、んんっっ?!」
 「っふ」
 初めは恐らく、腹いせに口の中のビールの味だけでも、と思ったのだろう。しかし挑発されたと捉えた雨彦は、逃げようとした彼女の体を抱きしめ、ビールを置き空いた手で彼女の頭を後ろから、引き寄せるように押さえ込んだ。逃げ場のなくなった彼女が驚いて目を見開く様を、雨彦は目を細めて堪能しながら今度は、彼女の口内に仕返しとばかりに舌を突き入れて口蓋を舐めくすぐる。雨彦の腕の中、跳ねる彼女の腰を撫でて引き寄せ密着した肌はしっとりと湿っぽく、雨彦の熱を帯びた瞳にあてられたように蕩けていく彼女の表情が、雨彦の視線に艶と色香を乗せていく。
 「んぅ、んんぅぅぅっ!!」
 「っふ、は……はは」
 息苦しさにとうとう胸を叩いた彼女の、上気した頬に舌先をちろと走らせて、雨彦はそこでようやく彼女の呼吸を解放する。味しかしなかった、と悔し紛れに言いながら、雨彦の胸板に額を預けた彼女の蕩けた表情を瞼に思い浮かべて雨彦は、目を閉じてビールを飲み干した。いいつまみだ、と満足げに笑った雨彦に頭をよしよしと撫でられた彼女には、もう、文句を言うだけの余力などなかったが。
 「雨彦さんの、意地悪ぅー
 「その意地悪が好きなのは誰なんだい?」
 「……そんな意地悪が好きな私を、意地悪しちゃうくらい愛してくれるのは、だぁれー……?」
 飲んだお前さんはいっとう可愛いなぁ、と観念したように笑って、雨彦は両腕できつく彼女を抱きしめる。
 「ははは……ああ、俺さ」
 愛してる、の言葉をふわふわとした頭で受け止めながら、彼女は幸せそうに目を閉じて、電池が切れたようにすっ、と眠りに落ちた。
 「……笑ってる、なぁ」
 よしよし、と撫でてまた抱きしめて、酔い潰れて寝た絡み酒を優しく抱き上げ布団まで運ぶと、雨彦はつまみにラップをかけて冷蔵庫にしまい込んだ。高いびきをかいて眠る彼女に隣並び、雨彦もすぐ眠りに落ちていく。酒の香りが満ちた布団の上には、この上なく幸せそうに笑ったまま眠る二人の顔が、仲よさそうに並んで朝を待っていた。


投稿にいいねする


© 2026 Privatter All Rights Reserved.