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[古P♀]その反応がそうさせる

全体公開 1 1868文字
2018-06-13 18:48:23

「すみません、可愛らしい反応だったものでつい」

ダンスの自主レッスンをしていたクリスさんを労いにいったところ、どうやら反応が気に入られてしまったようでからかわれている内に雄クリスさんになってしまったお話です。

Posted by @toasdm

 私はあまり器用ではないので、とはにかんだように笑うクリスの顔を思い出して、彼女はレッスンスタジオへと足を運んだ。自主レッスンの為にスタジオを借りたい、と申し出があった時、雨彦や想楽に迷惑をかけるわけにもいかないですからね、と眉尻を下げながらも、クリスは意欲を見せていた。せめてなにか労いを、とスポーツドリンクと栄養ドリンクを提げてスタジオのドアを開いた彼女は、床にぺたんと座り込んで息を整えているクリスにお疲れ様です、と声をかけた。
 「ああ、あなたですか……
 疲れの見える顔には同時に充足感も垣間見えて、流れ滴り落ちる汗と上がった息が、自主レッスンの激しさを物語っている。首にかけたタオルで額から流れ落ちる大量の汗を拭って立ち上がろうとしたクリスに、そのままでいいですよ、と言いながら彼女はクリスに近付いた。
 「あ、でしたら」
 投げ出した足を軽く広げて後ろについた両手で上半身を支えながら、クリスはその足の間を指して彼女を見上げる。
 「ここに、来ませんか?」
 どうせこの時間ですから誰も来ないと思いますよ、と笑うクリスに促されて、彼女は大人しくその長い足の間に納まった。あなたの体は小さいですね、と後ろから彼女を抱きしめて、クリスは身を屈めて彼女の肩に顎を乗せた。
 耳元で上がった息、背中から伝わる拍動、汗の香りと気だるげな雰囲気。甘えるように抱きしめられながら、彼女はそんなクリスの雰囲気に飲み込まれるように心拍数が上がるのを感じて小さく声をあげた。
 「んっ……
 「……ふふ、どうしたのですか?」
 わかっていてわざとだろうか、クリスは耳元に吐息を吹きかけるようにして囁く。顎から伝い落ちたクリスの汗が彼女の首筋を柔らかく撫で濡らし、デコルテを伝って胸の谷間へと吸い込まれるようにして消えていく。まるで、汗に愛撫されているようだ、とよからぬ感想を抱いた頭をふるふると振って、なんでもありません、と搾り出すように言った彼女の耳を、クリスはそっと唇ではさみこんだ。
 「あ、ふゃ、ちょっと、クリス、さん、んんっ!!」
 「すみません、可愛らしい反応だったものでつい」
 全く謝る気などない声音と口調とからかい混じりの笑う声、耳が弱いのでしたね、と言いながらクリスは、その弱いとわかりきっている耳を食みながら、舌先でちろりとなぞって甘く歯を立てる。
 「ぁ、ひ、んゃあああっ!」
 「こんなところで、そんな声を出してもよろしいのですか?」
 出させているのは誰ですか、と言ってやりたい口からは、チョコレートでも含んだような甘くとろける嬌声ばかりで、仕方のない人ですね、とくすくす笑うクリスは、後ろから彼女の口を優しく塞いだ。
 「んんっ!?」
 「……これなら、あなたのそのいやらしい声を、誰にも聞かれずに済みますからね」
 ばくばくと、早鐘を打つ鼓動はいっそうるさいほどで、そんなにドキドキしますか?と囁くクリスの空いた手は、その心臓の上にそっと重ねられた。
 「ああ、こんなにドキドキして……私にも、伝染ってしまったようですよ」
 背中越しに伝わってくるクリスの拍動も強く、早く、穏やかな口調とは裏腹にそれは実に野性的で荒々しかった。こんな風に私に抱きしめられるだけで、と囁く低い声は相変わらず、彼女の耳から全身を支配する。
 「抱きしめられるだけであなたは、こんなに私をドキドキさせるのですね」
 ドキドキしすぎてどうにかなってしまいそう、息が苦しい、とたまらず呻いた彼女の胸を一度優しく撫でるように触れて、クリスは両手を解放してまた、彼女をきつく抱きしめる。上品に笑いながらクリスは、伸ばしていた足で彼女の体を絡め取るように挟み込み、ふぅ、と息をついた。
 「これ以上あなたをからかうと、もっととんでもない声を出させてしまいそうですからね」
 今は我慢しますよ、の声は優しいのに、汗の香りと鼓動が彼女の感覚を、じわじわと痺れさせている。差し入れです、とやっと手渡したスポーツドリンクと栄養ドリンクを受け取ると、クリスは漸く彼女を解放して立ち上がり、いきましょうか、と手を差し伸べる。
 「今夜は、これが役に立ちそうですね」
 取り出した栄養ドリンクをその場で一気に飲み干すと、クリスは立ち上がった彼女の腰をそっと撫でてまた耳元で囁いた。
 「もしかしたら、あなたを壊してしまうかもしれませんね」
 「ひ……っ」
 そうしないように気をつけますよ、と冗談めかして言うクリスの瞳は、ちっとも笑ってなどいなかった。


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